2006年7月16日のローンチから、11年と2ヶ月。9月20日に公開した「ありがとう、さようならシキタさん。」で、greenz.jpは発信記事数が6000本を突破しました!
これはひとえに、いつも読んで支援いただけるgreenz peopleのみなさま、読者のみなさま、クライアントやパートナーのみなさまのおかげです。編集部メンバー、そしてライター一同、この場を借りて御礼を申し上げます。
特に編集部メンバーが御礼を申し上げたいのが、greenz.jpに日々素晴らしい記事を書いていただいているライターさん。6000本突破は、彼らの存在なくして実現しえなかったことです。本当にありがとうございます!
近頃、ブログやSNSが浸透しウェブメディアが増えたことで、ライターという職能に注目が集まっています。greenz.jpのライターさんは、”ライター”という仕事をどのように捉え、どんなマインドセットで向き合っているのでしょうか。気になった僕らは6000本突破記念として、greenz.jpのInstagramで「#greenz6000」という期間限定企画を展開。9月24日から27日まで、約20名のライターさんの声を発信しました。
今回は、そんなライターさんの声を総集編として、まとめてお届け! そして、彼らから寄せられた回答を受け取って、編集部メンバーが気づいたことをシェアします。
誰かの命を綴る仕事。
思い込みを外し、価値観を広げられる仕事。
よく考えて書く仕事。
赤司研介さん ライターとは、誰かの命を綴る仕事。うれしいのは、「この記事読んでおいて」、って言えるようになったとき。そして、取材先が記事を活用してくれているのを見かけたとき。greenz.jpに書いているのは、ゆるいから! でも、グリーンズを通してステップアップできたと感じることしかないです。
磯木淳寛さん ライターとは、たくさんの人の話を聞くことによって自分の思い込みを外し、価値観や考え方や視野を広げられる仕事。これまでに書いた記事を選ぶというと、、、甲乙つけがたし…。すべてが自分の血肉となっております。
greenz.jpのライター・イン・レジデンスの記事を読んで、私製ライター・イン・レジデンスを始めたのは、そうした体験を若い人にこそたくさんしてほしいと思ったから。今年からはその改良版を今度地元の学校で行います。
だからgreenz.jpは読むメディアでありながら、‟使うメディア”のつもりで読まれるといいなあといつも思っています。(もともと‟グッドアイデアの紹介”って言ってたしね。記事をヒントにして自分の活動に‟使った”人の事例も読んでみたいな)。
6000本おめでとうございます。今後ともよろしくです。
ヘメンディンガー綾さん ライターとは、インタビューイの思いを引き出し、読者に伝わるように物語を編み直す職人。私は、「海洋生物の保護をしたいけどノウハウも仲間もいない」と思っていたのでgreenz.jpライターを始めたのです(ひと言もそんなこと言ってませんでしたけれど)。greenz.jpのご縁で、いまその夢に近づきつつあります!
藤野あずささん ライターとは、持続可能な社会をつくるための、一つの価値観を伝える仕事。取材する方の想いに自分も共感し、それが暮らしの中に取り込まれて、形づくられているように思います。
グリーンズでは、エディターの方とのやりとりを通して勉強させてもらっています。感謝しています。そして「ほしい未来は、つくろう」というメッセージが好きです。あとライターが書いた記事を尊重してくださるところも。それが私がgreenz.jpで記事を書き続けている理由です。
新井作文店さん ライターとは、よく考えて書く仕事です。喜びを感じるのは、よく書けたように感じた瞬間。ライターを始めたことで、一人の時間が多くなりましたかね。
たけいしちえさん ライターとは、人の言葉に触れ、自身が成長できる仕事です。記事を通じて、先方に、より良い出来事や出会いが生まれたときが、至福のときです。greenzライターになってからは仕事と暮らし、出会いが密接につながる感覚が強くなりました。
瀬戸内千代さん ライターとは、人知れず良いことをしている人や企業に光を当てる仕事。素晴らしい方と会えて話ができたり、なかなか入れない所にお邪魔できたときに喜びを感じます。
増村江利子さん ライターとは、誰かの思いを、別の誰かに伝えるひと。
取材先からの学びで、半歩先、1歩先、2歩先、3歩先の自分の未来が見えるようになった。あとは手を伸ばして掴むだけだったので、実践者側に立つことが難しくなかった。
実際には、取材を通じての出会いで移住し、再婚することになった。出会うべき人に出会ったことが、自分にとってのほしい未来をつくることの加速度をあげてくれていると思う。
Fumie Matsuyamaさん ライターとは、インタビュイーから受けとった素材を、その媒体の味に調理して、読者に届ける仕事。ライターを始めて、会社に勤めていたときに比べて、物理的にも精神的にも身軽になった。働き方を自分で設計できるようになった。自分の心に正直に暮らせるようになった。
greenz.jpを通して出会う人たちが大好き。greenz.jpの中の人も、取材先の人も。greenz.jpの記事を書いているときにはいつも、ものすごい至福感に包まれる瞬間があります。
ikekayoさん ライターとは、人生の切り売り。自分のも、インタビュイーのも。必要とされて感謝されて、っていう瞬間が喜びです。ライターを始めたことで、自分を肯定できる場所ができた、という感じ。
greenz.jpは誠実だからうれしい。メディアに力もあるし。そしてこれからもっと自分の色を出す余白がある気がしています。
石村研二さん ライターとは、観察して描写する仕事。インタビューした人に出来上がった記事を喜んでもらえた時が至福のときですね。greenz.jpで書いている理由は、1つは必要とされていると感じられること、もう1つはgreenz.jpで発信したいと思う人の思いを伝えられること。
村崎恭子さん ライターとは、読者の方に新たな価値観に出会ってもらう仕事。私はgreenz.jpライターになることで、いろんな事業の本質を見極められるようになりました。そしてソーシャルデザインへの興味が募り募って、転職しました!
ビッグな媒体なのに、編集者・ライター・読者・取材先のみんなの向いてる方向が同じだから、人の目を気にせず思いのままに書けるgreenz.jpが好きです。
愛の配達人。
自分の価値観をアップデートできるお仕事。
伝えたいことを、読みたい文章にする仕事。
池田美砂子さん ライターとは、愛の配達人。届けるだけじゃなく、自分も受け取って、溢れ出た愛を、また誰かに贈り続けています。たった一人でもいいので、誰かの人生を変えるような配達を続けていきたい。
グリーンズは、もう、私にとってはホームなので、特に大事な取材先や、特に伝えたい価値は、greenz.jpで書きたいと思っています。編集プロセスが信頼をベースに成り立っているので、公開されたときの愛の伝わり方も違うな、と感じています。
村山幸さん ライターとは、人と出会いながら、言葉と遊び、言葉と闘う仕事。私がgreenz.jpで書いているのは、ひとつひとつの記事に丁寧に取り組めるから。また、素敵な人との出会いがたくさんあるから。
松沢美月さん ライターとは、誰かのストーリーを文字にして届けるだけじゃない、自分の価値観をアップデートできるお仕事。
greenz.jpでライターを始めてから、記事を書く上でどんな風に話を広げていったら良いか、どの情報をピックアップするかを考えることは少しできるようになった…かも…?あとは、記事関係なく、日常生活で言葉の与える印象について考える機会がグッと増えました。
グリーンズとそれを囲む人たちの空気感が好きです。どんな記事を書くことになってもベストを尽くそうと思えるのは、グリーンズとグリーンズの人たちに対して愛があるからだと本気で思っています……。
浜田規史さん ライターとは、人の魅力を多面的に光当てる仕事。相手が気づいていなかった魅力を伝えられたとき、私の記事をきっかけに、人がつながったときに喜びを感じます。
地方にいるぼくにとって、他地域の人と会った時に、「greenz.jpのライターもやってます」といって活動を理解してくれることは大きい。絶大なネームバリュー。自分が書いた記事が自分のポートフォリオとなり蓄積されていく感覚はグリーンズならではかなと。
丸原孝紀さん ライターとは、伝えたいことを、読みたい文章にする仕事。ライターを始めたことで、言葉づかいに慎重になりました。自分や他人の、いろいろな感情を理解しようとする気持ちが強くなりました。伝えることの苦しみと喜びを深く味わうようになりました。
世の中で起きているものごとについて、悲観的になったり思考停止したりすることが少なくなったと感じるときがあります。それはきっと、明るいほうを見ている編集部のみなさんや、greenz peopleのみなさんとの触れ合いの賜物だと思います。
greenz.jpで書くことは、社会をつくることにつながると信じています。記事を読んで、世界を抱きしめてくれる人がひとりでも増えるといいなあ。上を向いて歩く人が増えるといいなあと思いながら、書いています。
「あなたは美しい」って伝えること。
スピーカーのように、様々な人や取組みを広く伝える人。
顔が見えないのに、人柄が伝わる仕事。
猪鹿倉陽子さん ライターとは、スピーカーのように、様々な人や取組みを広く伝える人。greenz.jpのシニアライターさんや編集部とのやりとりをする中で、みなさん物腰柔らかでありながらもちゃんとメッセージを伝える、その姿勢や伝え方を見習いたいと思いました。
北川由依さん ライターは、好きなまち、好きな人が、どんどん増えていく幸せな仕事です。社会のことよりもまずは自分のこと。理想の暮らしや、自分がありたい姿に向かってゆっくりながらも歩むことで、生活も心も安定し、取材先の人と全力で向き合えるようになりました。
私がgreenz.jpで書いているのは、編集部も読者の方々はじめ、greenz.jpに関わる方々はみなさん愛に溢れているから。greenz.jpの記事が、私のほしい未来につながっているから。
前田有佳利/だりさん ライターとは何かというと、活字だけの登場で、顔が見えないのに、人柄が伝わる仕事。私がgreenz.jpで書いているのは、記事の中で、ライターもひとつの人格として捉えることを、当然としてくれるから。「やりたいことやろうよ」というメッセージを、グリーンズに関わるみんなで体現している感じが好きです。
狩野哲也さん ライターとは、その人の未完成な思考のかけらに質問の言葉で触れて、本質を探るため、その人生の一部を追体験できる仕事。
鈴木悠平さん ライターとは、「あなたは美しい」って、伝えること。喜びを感じるのは、「あなたに書いてもらってよかった」と言ってもらえること。greenz.jpでは、単なる案件ベースだけでなく、編集部・ライターお互いのライフステージの変化、関心等を大事にし合いながらお仕事を続けていける。
ライターさんたちの回答を受け取り
編集部メンバーが気づいたこと。
編集デスク・福井尚子 日々、素晴らしい記事を届けてくれるライターさん。誰かの思いにスポットライトを当てる影の立役者となることが多く、なかなかひとりひとりのマインドセットまで伺い知る機会はこれまでなかったのではないでしょうか。
でもこうして、ひとりひとりの思いや向いている方向を見ると、またひとつグリーンズというメディアの描く景色が見えてくるような気がしますね。
私自身、ライターインターン出身で、ライターとしてのキャリアをグリーンズからスタートしました。「グリーンズだから」と歓迎してくれる取材先に出会うことも多く、また編集部やエディターさんの温かい声かけに励まされ、グリーンズというコミュニティが育んできた愛をたっぷり受けて歩んできたんだなぁと。みなさんのメッセージを読んで改めて気付かされました。
編集部のスタッフになって、日々ライターさんから届く原稿の一番の読者になる、という幸せな立場にいます。
そんな中で、ライターさんこそがグリーンズの可能性を広げてくれる存在であることを強く感じています。ひとりひとりがそれぞれのライフステージや関心に合わせて、知識を深め、表現することがグリーンズを動かしているのです。そんな自分自身でいられる場所が、グリーンズというメディアであってほしいし、それこそが私の「ほしい未来」です。
これからもライターさんひとりひとりの力を推進力にしていけるメディアであり続けられるよう、編集デスクとしてライターさんとの密なコミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。
副編集長・スズキコウタ 先週末(9月23日)、僕が講師をつとめる「作文の学校」ゼミの第一期最終回。受講生のみなさんと学びの棚卸しをしたところ、実際に書くスキルと同じぐらい、書くことに向かうマインドセットが、原稿というアウトプットに大きな影響を与えることに気づいたと話す方が多くいて、僕はそれを「なるほど」と思いながら聞いていました。
実際に今回こうして約20名のライターさんのマインドセットを伺うと、たしかにそれは事実のようです。
たとえば池田美砂子さんは「愛の配達人」と回答していて、池田さんの原稿をいつも拝読するたびに、取材先や読者への愛を感じます。一方、石村研二さんは「観察して描写する仕事」と答えていますが、石村さんの記事にはその取材先の活動や思いだけでなく、彼自身がインタビューで話を聞いてどう感じたかという自己観察も盛り込まれている印象です。
ライターさんたちが独自のマインドセットのもと取材を重ね、記事を発信していき暮らしが変わったという回答を目にして、「書くこととは、ほしい未来に近づくことなんだ」と思い知らされました。誰かに話を聴いたり、素敵な映画や小説や音楽に接して得たインプットを、自分の愛や気づきを盛り込んでアウトプットしていくのって、素晴らしく美しいことです。
もし「この機会に自分も書くことを始めてみよう」と思った方がいらっしゃいましたら、ぜひ10月14日からスタートする「作文の学校」への参加を検討してみてください。池田美砂子さん・丸原孝紀さん・村山幸さん、さらに平川友紀さんもゲスト講師として、みなさんの「書きたい」を形にするお手伝いをします!
副編集長・スズキコウタ 最後にみなさまに感謝を。まず、ライターさんたちへ。決して充分でない原稿料だった黎明期も、少しコアメンバーが仲悪かった時期(今だから言える…笑)も「グリーンズのためなら!」「これはグリーンズで書きたい!」と”強い気持ち・強い愛”で支えてくれました。
改めて6000本突破は、彼らの存在なくして実現しえなかったことです。改めて、本当にありがとうございます。ライターさんとの接点が多く、交流の深い編集部により一層していきたいと思いました。
そしていつもこうして最後まで読んでいただける、greenz peopleと読者のみなさまにも感謝。これからも挑戦を続けるグリーンズに注目いただけるとうれしいです。