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「ライターになりたい」と思っていたわけじゃないのに、今は非常に面白い仕事だなと思う。ライターは、多様性を伝え、寛容さを担保する仕事。

僕、正直なところ「ライターになりたい!」とも「編集を仕事にしたい!」とも思っていなかったのに、たまたま書くことが仕事になり、やってみたらなんとなくできて、そのまま続いているという感じでして…とかそんなこと言うと怒られそうですが…。

ひとつだけ大切にしてきたことと言えば「目の前にチャンスらしきものが転がってきたら、とりあえず掴んでみる」ということ。それも意識的にやってきたわけではなく、振り返るとそんなふうに行動してきたなぁと、最近気づいただけなんですけど(笑)

だから、書くことに夢と希望を見出し、自主的にスクールに通おうというみなさんの前に講師として立つなんて、すごくおこがましいなぁと思っているところがありますが、これもきっと何かのチャンスかなと思ったので、掴んでみることにしました。

キャリアのスタートが「いきなり!編集長」

最近「いきなり!ステーキ」ってお店が増えてますが、僕の場合は「いきなり!編集長」でした。

僕が編集やライターの経験を積んだのは、野外フェスの制作オフィス「アースガーデン」。アースガーデンは、代々木公園で季節ごとに開催する野外フェスearth gardenの主催を軸に、アースデイ東京、フジロックフェスティバル、朝霧JAM、GO OUT CAMPなど、様々な野外フェスの企画や運営をしているオフィスです。

そこではフリーペーパーとウェブマガジンを運営していています。ちょうど前任の編集長が辞めて、人がいなくて困っていたところにいろいろ縁があり、全く未経験の僕がいきなり、編集長に。

もう全く、何もわかりませんから、広告をいただいているクライアントから「入稿日はいつですか?」と聞かれても「入稿…?」という感じでもう、本当に大変でした。

周りにいた編集者の方におすすめの本を聞いて読み、アースガーデンの代表が行なうインタビューに同行しなんとなくやり方を覚え、とりあえず文字起こしをしてみて、とりあえず書いてみて…。

そんなやつが、7年間くらい仕事をしていると、みなさんの前に講師という形で立てたり、フリーランスとしてなんとか生活できてるようになったので、みなさんならきっと立派なライターさんになれるはずです。大丈夫。

ライターは多様性を伝え、社会の寛容さを担保する仕事

7年間やってきて、ライターという仕事は、非常に面白いなぁと思っています。と同時に、自分自身がすごく変わったなぁとも思います。

大学時代の僕は非常に頭が固いやつで、今思うと、自分の都合を相手に押し付けたり、全然譲らなかったり、辛辣な言葉で言い負かしたりと、本当に嫌なやつだったんですね。

どのくらい嫌なヤツかって言うと、当時付き合ってた彼女にエコバックの使用を押し付けて、使ってくれないからってケンカするような本当に嫌なヤツだったんですよ。最低でしょ? 要するに、相手に合わせるとか、相手に譲るとか、そういったことがすごく苦手でした。

今、当時の自分に会ったらどれだけ周りの人を傷つけたか、心底叱ってやりたい。当時の僕と友達でいてくれた人には本当に感謝です。

そんな僕が、段々と相手を許せるようになったんです。

取材というのは、相手の話をとことん聞く作業です。(もう一つステージをあがると、聞くだけじゃなくて、コンサル的に相手と対話できるっていうのがあると思うんだけど、そこまでぼくはまだいけてません。)相手が言ったことの意図や目的が分からなければ、そこを聞く。相手のことをディグっていく時間なわけです。

そうすると自分一人ではたどり着けない、思考の多様性に出会う。自分と他人はぜんぜん違うし、正しさなんてケースバイケースだということに気づけました。

価値観が多様化した世の中だと言われて久しいですが、その多様性を伝え、社会の寛容さを担保するのがライターという仕事だと思います。

とくにgreenz.jpが取り上げる人たちは、今はまだメインストリームにはいないけれど、未来に種を蒔き、大切な価値観を育てている。その人たちを応援する記事を書き、応援したい人たちに届けられるやりがいは、greenz.jp以外ではなかなか感じられないものです。

今までのライター経験の中で一番厳しい取材だったこちらの記事。なぜなのかは、当日聞いてください(笑)国産クラフトビール「常陸野ネストビール」に見る、ローカルにもグローバルにも愛されるのに必要なこと

変わっていくことを前提に、変わらないことを捉える

人は変わっていきます。
僕もあなたも、いろんなことを経験することによって、どんどん変わっていきます。
去年の僕にとっては正しかったことは、今年の僕には正しくないかもしれない。

そういう意味では、その人や事象の今現在を切り取り、後世に残す作業は罪深いものかも。「あのときに、あなたはこう言ってたよね?」と、言質を取るのと変わらないから。だからというわけでもないですが、やはり誰かや何かを言葉で定義して人に伝えることはリスクにもなり、非常にセンシティブなことでもあります。ちゃんと緊張感を持ってやるべき仕事です。

インタビューでは、変わっていくことを前提に、それでも変わらない根っこの部分をいかに掴めるかがカギになると思います。人は変わっていくけれど、どうしても変われないこともある。それがその人の根っこなはず。

とか、偉そうなことを言いつつ、自分がそんなことできているか、わかりませんけど(笑) 当日はどうぞよろしくお願いいたします。

– INFORMATION –

4/7(土)スタート! 葛原さんもゲスト講師として参加! 書くことを学べば、ほしい未来の実現に近づく。文章力アップゼミ「グリーンズ作文の学校・第4期」

文章力を身につけ、あなたの未来づくりの一歩前進を応援する「作文の学校」。講師をつとめるのは、月間30万人が訪れるgreenz.jpの副編集長スズキコウタと編集デスク・向晴香のふたり。さらに毎度、現役でライターや編集者として活躍しているゲスト講師も迎えて、楽しくがっつり学びます。これまで全期満員御礼、総受講者数100名突破、地方から開催要請もある人気ぶり。満員間近ですが、まだ若干名の受講が可能です。お申込みはお早めに!
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