『生きる、を耕す本』が完成!greenz peopleになるとプレゼント→

greenz people ロゴ

書いて、変わろう。言葉はあなたと世界をより強くつなぐ道具だ。greenz.jpシニアライター・丸原孝紀が語る、文章を書くということ。

カッコよくて、怪しい集団。

それが、出会った頃、グリーンズに抱いた印象です。

2008年のことですから、もう10年近く前になりますね。アル・ゴアの『不都合な真実』が封切られた翌年ということもあり、当時は地球温暖化に代表される環境問題が注目を集めていました。

しかし、巷にあふれていた環境をめぐるコンテンツはとかくお説教臭く、とっつきにくいものがほとんど。そんな中でgreenz.jpはファンキーだったりユーモラスだったりポップだったりする切り口で、エコを発信していました。

私はといえば、コピーライターの仕事をしつつ、「ecogroove」というハンドルネームで、環境をテーマにしたブログを書いていました。
今ではちょっとダサい響きがするハンドルネームではありますが、環境のことをノリよく伝えていくぜ!という当時の熱い思いがそこには込められています。

そのブログでときどき書いていたのが、海外のユニークな環境広告についてでした。たくさんのWEBメディアが立ち上がっている今でこそ珍しくはないですが、その頃はあまりそうしたコンテンツはなかったように記憶しています。

ブログを見たYOSH(元greenz.jp編集長、現勉強家)から、記事をそのままgreenz.jpで紹介させてもらえないか、という相談を受けたのが、私がgreenz.jpライターになったきっかけです。

まず自分のブログで公開した記事を、まんまコピペしてgreenz.jpで公開する。友だちがやっているWEBマガジンに記事をあげる、そんな感じ。なので、greenz.jpライターという自覚はそれほどありませんでした。

しかし、同志だという思いはありました。
当時のメンバーで今も編集部に残っているのは鈴木菜央さんだけになりましたが、編集部のみなさんとは、「いっちょ世直ししたろかい!」というような若気の至りを共有していたような気がします。

やがてTwitterを使うようになってからはブログも休眠状態になり、テーマも環境から社会課題全般に広がるようになり、記事の舞台はgreenz.jpがメインになってきました。それからは堂々と「greenz.jpライターです」と言えるようになり、少しは編集部のことも考えるようになり(笑)、インタビュー記事なども書くようになりました。

はじめのうちは、長い文章を書くには気合がいりました。本職が一行や15秒にメッセージを凝縮するコピーライターだったもので、長いインタビューをストーリーに仕立て上げることに慣れていなかったのですね。しかし、自分が話を聞きたくてたずねる相手と語り、文章にまとめる作業はとてつもない充実感があるものです。長い文章を書くことが喜びになるまでに、長い時間はかかりませんでした。

いまは世界最大のクリエイティブの祭典「カンヌ・クリエイティビティ・フェスティバル」の受賞作をテーマにした連載をメインにしながら、ときどきインタビュー記事を書くというスタイルに落ち着いています。

「わたしのおっぱい画像、いますぐシェアして!」SNSの検閲を逆手に取った、「ルール違反」の乳がん啓発キャンペーン

電気をつくるだけじゃない! 太陽光発電の収入で「幻の在来種大豆」を育て、「幸せ実感日本一」をめざす熊本県水増集落

記事を書く上で大切にしているのは、読む人の心を動かし、行動するきっかけになるような言葉を編み出すこと。そこには、元々の仕事で培ってきたコピーライティングの技術が生かされています。

社会をすぐに変えることは難しいです。
でも、人はすぐに変われる。かくいう私もそうでした。
2001年9月11日までの私は、実にふざけた人間でした。真剣に、ふざけていました。モットーは「やり過ぎは足りないよりは良い」。

プライベートでの表現活動は、とにかく自分が愉快であることを追求し、グチャグチャでゲロゲロでドロドロなものを愛していました。

当時WEBにアップしていたコラージュ画像

世の中のことなんて、どうでもいい。
面白ければ、それでいい。

そんな生き方が、9.11、いわゆる世界同時多発テロで一変。どうしてこんなことが起きているのだろうと気になり、いろいろな本を読んだり人に会ったりすることで、社会で起きているさまざまな問題、特に環境問題がいちばんの関心ごとになりました。社会は、世界は、自分だ。そんな視点で生きるようになったのです。

人は、かたちある物や数字に目を奪われがちです。
人や自然のぬくもりや、助け合うこと、一人ひとりが自分らしく生きられることなど、抽象的な価値観は、ともすると後回しにされてしまうことがあります。

そうした大切な価値を、目に触れ、たしかめ、味わえるようにする。
言葉には、それができます。

さまざまな表現のうち、言葉は特に用意するものものなく、比較的かんたんに発信ができる手段だと思います。日ごろ言葉を使ってコミュニケーションしている人であれば、基本は身につけていると言えますので、あとは技術としてより伝わる方法を磨いて書き続ければ、言葉はあなたと世界をより強くつなぐ道具になってくれるでしょう。

greenz.jp副編集長のスズキコウタくんと一緒に行う「作文の教室」では、私がライターとして身につけてきた技術はもちろん、同じ書き手として、みなさんとともに書く喜びとスリルを深めていきたいと思っています。

あなたを書きましょう。
世界を書きましょう。
さあ、ごいっしょに。

– INFORMATION –


丸原孝紀さんも講師として参加!「作文の教室」第11期、申込み受付中!

「作文の教室」は、ローンチしてから16年、記事発信実績7000本以上のウェブマガジン「greenz.jp」が大切にしてきたノウハウをもとに、作文力=執筆力+編集観察力を伸ばすことができるゼミクラスです。
リアルタイムでの参加はもちろん、録画アーカイブや教材を使って受講することもできます。もちろんオンライン開催なので、インターネット回線さえあれば、世界どこからでも参加可能です!
https://school.greenz.jp/class/sakubun_seminar_greenz_kotasuzuki/