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継業も編集者も広告マンも「いいことをして、たのしく、稼ぎたい」ひと、この指とまれ!地域に飛び込むココホレジャパンの仲間募集 #求人

この求人のグリーンズジョブでの募集期間は2023年5月23日(火)〜2023年6月19日(月)です。募集の詳細については記事末をご覧ください。
地域の小さな商いをつなぐ「ニホン継業バンク」、まちと森がいかしあう社会を目指す「キノマチプロジェクト」など、これまでgreenz.jpで紹介してきた数々のユニークなプロジェクトの裏に、実はある会社の存在があります。

その会社とは、「ココホレジャパン株式会社」。その名前の通り、日本各地の魅力を掘り起こし「これ、いいでしょ!」と伝えている会社です。

そんな「ココホレジャパン」が新たな仲間を募集します。今回はその仕事内容について、グリーンズライターでもあり「ココホレジャパン」のメンバーでもあるアサイアサミさん自ら語っていただきました。

地域の魅力をココホレしてワンワン(伝える)する会社とは

こんにちは、アサイアサミです。さっそく「ココホレジャパン」の自己紹介をさせてください。

2013年7月に岡山県瀬戸内市で創業。東京から移住してきた編集者の妻(私)と夫(社長)が、地域にダイブしたことで出会った豊かさをデザイン・編集して、「これ、いいでしょ!」と見せびらかしたくて会社をつくりました。日本中の地域の魅力を掘り起こしまくって伝えまくりたい! という編集者魂というやつでしょうか。

現在、社長1人、継業バンク担当取締役1人、編集者1人(私)、猫1匹というメンバーです。

わかりやすくカテゴライズすれば「広告会社」ですが、みなさんがイメージする広告会社とは少し違うかもしれません。

ここにしかない魅力のある地域には、ほしい未来を自らつくることができる余白があります。その反面、地域は「人口減少」「少子高齢化」「地域経済の縮小」など、深刻な社会課題が山積しているのも事実。地域で広告会社を営むことはそんな社会課題と向き合うことでもあります。

私たちの現場

農作業も漁業も伐採もできない私たちの地域とのつながりかた①「継業バンク」

私たちは、地域の魅力を伝えるなかで、まちを支える小さな仕事が後継者不足でなくなってしまうことを知りました。

少子高齢化を背景に地域の担い手不足は深刻化しており、経営者の約6割が70歳以上となる2025年には、127万社もの中⼩事業者が廃業する可能性が指摘されています。私たちの大好きな地域の独自性を担うエコシステムが崩壊する危機なのです。

地域に身をおき、共に生きていると、そんな現状をただ「伝える」だけでは間に合わないと思い知るのです。そして、会社を売買する承継の手段「M&A」だけではなく、後継者や弟子、副業などの方法で承継する「継業」に地域ぐるみで取り組むため、利用料はもちろん、仲介手数料や成約報酬も必要ない「事業承継版の空き家バンク」として、2020年からサービスを開始しました。

新潟の人気ラーメン店を継いだのは “ハイスタ”ことHi-STANDARD、そしてNAMBA69のベースボーカル難波章浩さんだった! という記事。連載「継ぐまち、継ぐひと」ではこういった全国の継業事例を紹介しています

市町村単位で「残したい」と思える仕事があるまちは、経済合理性だけでは測れない、ずっと残していきたい日本そのものの姿であると私たちは考えます。地域のサステナビリティは、地域の埋もれた資源を掘り起こし、経済だけじゃない価値を見出していくことと地続きではないでしょうか。

このサービスは、後継者のいない事業者を後継者につなぐことだけが目的なのではなく、地域で培われてきた個性的な事業を守り、東京のコピペではない多様性を維持し、住み続けたいまちをつくることも目指しています。

継業バンクの仕事は、各地域で後継者のいない事業者の掘り起こし、仕事の魅力と価値を伝える記事の制作により、継ぎたい人とマッチングの機会をつくること。地域の今を伝える編集者であり、地域の広告マンであり、地域と移住者のキューピッドでもある、まさに地域にダイブして並走する仕事です。これも地域との新しい関わり合いだと思っています。

地域が残したい生業と、担い手を結びつけるマッチングサービス「継業バンク」は、兵庫県豊岡市など全国8つの市町村で展開中。2023年中には、新たに北海道や青森県などでの展開も予定しています。

農作業も漁業も伐採もできない私たちの、地域とのつながりかた②「キノマチプロジェクト」

キノマチプロジェクト」は大手ゼネコンである竹中工務店が旗振り役となり、グリーンズとココホレと一般社団法人Deep Japan Labを加えた4社が共同で運営するプロジェクトです。

ココホレが岡山に来て、瀬戸内海の美しさの根源は中国山地の山々に育まれた水だと知り、森のことを伝えることに着目。森林が豊かであることがさまざまな社会課題を解決するきっかけになりそうだと確信して、キノマチプロジェクトに参画。

日本は国土の3分の2が森林で覆われた森林大国です。森林の4割が人工林で、その半数がいま主伐期(伐って使う時期)を迎えています。豊富な森林資源を未来へ繋いでいくためには「伐って」「使って」「植える」という森林のグランドサイクルが正しく循環する、まちと森がいかしあう関係が成立した、地域社会の醸成が必要になります。

「キノマチプロジェクト」は、木材を中心とした森林資源をまちで多く活用することで木をめぐる社会課題を解決する足がかりをつくり、木材を活用した経済・産業・エネルギーなどの持続可能性を探っていこう!と多くのステークホルダーとつながりあってイノベーションを起こしています。

このプロジェクトでココホレが担っているのはメディア運営。主に、今の木材業界や森林資源をめぐる現状を言語化していくお仕事です。地域はもちろん、キノマチ=都市部にも木を増やすプロジェクトなので、地域と都会、双方にとって幸せになるプロジェクトなのも気に入っています。

日本中の森へ出向いて、森林の今を伝えるメディア運営。スギとヒノキが見分けられる系ライターになりました。

この他にも、ココホレの拠点がある岡山を楽しくしまくる発信(岡山市公式note マチナカノススメ)や、瀬戸内海のゴミを減らすシビックキャンペーン(オカヤマどんぶらこリサーチ)、都市型自動運転船「海床ロボット」コンソーシアムなど、地域をよく・おもしろくする様々なプロジェクトに携わっています。

日本中、いろいろな現場へ行くので、電話などで「アサイさん、いま、日本のどこにいますか?」って聞かれたりもします。こんな私たちと、一緒に働きたいひとを今回大募集します!

「全国各地へ出張に行ってもらいます」に惹かれて入社した社員に訊くココホレってどんな会社?

ところで、同業種の会社があまりないので働くイメージが掴みづらいかもしれません。そこで、ココホレジャパンで働いているスタッフに、ココホレジャパンで働くということについて訊いてみました。語り手は、現在継業バンクの業務をメインで行っている、入社3年目の中鶴果林さんです。

中鶴さんの住む瀬戸内海の島の対岸にある広島県尾道市

中鶴果林(なかつる・かりん)
埼玉県出身。2021年に広島県の島に移住し、夫婦で古民家をセルフリノベーション。専門商社の営業職、海外生活を経て、帰国後、ココホレジャパンに入社。仕事や技術を譲りたい人と継ぎたい人をつなげ、まちの多様性の維持を目指す「ニホン継業バンク」の営業や、仕事の魅力を伝える。greenz.jpライターでもある。

中鶴 新卒で専門商社に入社して数年が経った頃、東京でバリバリ働いていましたが、いつしか自分らしくいられる趣味を見つけたいと思いはじめて、アウトドアや自然に興味を持ち、キャンプイベントに参加しました。そこで夫と出会い、結婚を機に今やりたいことを優先しようと考えワーキングホリデービザを使ってカナダへ渡航しました。

ビザの関係で1年間限定の海外生活となりましたが、もしビザが延長できたら自分たちでなにかをやってみたい、という漠然とした思いがありました。

カナダで育んだ冒険心を持て余しつつ帰国の途についた中鶴さん。カナダへ行っている間、コロナで働きかたも変化してフルリモートOKの仕事が増え、未経験でもOKという求人が多かったそうです。そこでココホレジャパンの「継業バンク担当募集」の求人を見つけました。

中鶴 M&Aではない”継業”を支援する仕事は先行事例が少ない分野で、未経験の私でもやれることもあるかもしれないと思って、応募してみました。

入社した感想は「今までの働きかたと全然違う!」。ほとんどリモートで、SlackとZoomのやりとりが基本です。部署もないし、明確に自分に与えられるタスクはなく、自分でやるべきことを見つけていく感じ。体調が優れないときは気兼ねなく休むこともできます。会社のスタッフの皆さんと会うのは出張先か飲み会で、また2ヶ月ぐらい会わないみたいな。そして次に会う時はまた出張か飲み会(笑)

岡山駅から徒歩数分の事務所。基本リモートなのでオフィスにはだいたいおじさん(社長)と猫しかいません

2022年には北近畿エリアの継業バンクの拠点として、兵庫県豊岡市にも事務所を構えました

中鶴 会議に同席するうち、継業バンクや事業承継についての知識が深まり、後継者のいない事業者さんにお話を聞いて、継ぎ手の募集記事を書く機会も増えました。

入社して2年が経っても、継業を掘り下げている人たちってまだマイノリティですし、全国の地域と関わり、伴走してきた中で知見がついた自信はあります。

私はまだ30歳になったばかりで、事業を立ち上げたことも、譲ったこともないけど、高齢の事業者さんを前にセミナーでお話させてもらったり、少しずつ求めてもらう機会は増えたと思います。

「私が主担当として伴走してきた秋田県北秋田市で、事業者さんに継業のことを知ってもらう入門セミナーで、人生で初めて講師としてお話させていただきました」と中鶴さん

ココホレジャパンに応募した理由のひとつは、「全国いろんな地域に行けます!」と書かれていたことだったという中鶴さん。実際に、入社してみてどう感じているのでしょうか。

中鶴 期待していた通り、日本中いろんなとこに行けていて、新しい発見ばかりでとても楽しいです。継業の支援が求められる場所は中山間地域が多いので、私の住んでいる島から移動するのは大変ではあるのですが…。それでも現地に行くことは大切なことだと思っています。

継業は、地域ごとに課題がそれぞれ異なるので解決法もオーダーメイド。やりがいを感じますが、地域の課題に向き合う仕事なので、課題が多すぎて、もどかしい気持ちになることもあります。

個人的には、継業という選択肢が広がることで生き方が多様になってほしい。そして、その地域にしかない魅力が少しでも残ってほしいと思います。その土地に行かなきゃわからない空気感をつくるお店や食文化、技術などは消えないでほしいです。

「継業バンク立ち上げ時からご一緒している岡山県美作市では、和紙の原料である『みつまた』の後継者を募集。みつまた収穫の現地体験会に参加させていただきました!」(中鶴さん)

働き方もプロジェクト内容も、参考になる事例がほとんどなかったけれど、中鶴さんが、ココホレで力を発揮できたのはカナダで培った冒険心と全部前向きに受け止める力があったからこそ。

中鶴さんのあくなきポジティブマインドはできない理由を積み上げて停滞してしまう地域にとって大きなイノベーションを起こす力になり、ココホレにとって象徴的な人間を採用したな、と思っています。

スキルや経験もあったらあったで越したことはありませんが、地域と関わる仕事では前進力が輝きます。中鶴さん自身の普段の働き方はどんな様子なんでしょう。

中鶴 仕事がある日は、7時から8時くらいに起きて、定時の9時半ぐらいにはパソコンを開いています。忙しさはけっこう緩急があるので、その日によってまちまちです。入社した当初は、フルタイム出勤時の働き方が抜けなくて、何もなくてもパソコンの前にいないといけないんじゃないかってはりついていたときも(笑) 最近はやっと、力の入れどころの加減ができるようになりました。

時間に余裕があれば、朝にヨガをしたり筋トレをしたり。通勤時間がない分、ゆっくり自分の時間がとれるのは最高です。最近、電動自転車を買ったので、車だとスルーしていたような近隣の島々に遊びに行ったり、もっと行動範囲を広げたいなと思っています。

2022年の合宿の様子(ココホレジャパンにはSUP部がある)。楽しんで地域の魅力を知るのもココホレジャパンの大事なシゴト。「地方に行ったら必ず美味しいものを食べるべし」と社長より

ココホレは裁量制。いい意味でもわるい意味でも自由。やるもやらないも自分次第です。スキマ時間の気分転換は大歓迎ですが、会社員という立場でありながら自分でやりたいことを考えて行動し、結果にコミットするのは、向き不向きもある気がします。

いちばんうれしいのは、個人のやりたいこととココホレのやりたいことが近しいと感じた時。中鶴さんは、以前から「ひとと違う生き方をしてみたい」と思い、ココホレジャパンに惹かれたそう。「ココホレジャパンの仕事の先に、ほしい未来があるひとに来てほしい」というのが採用側としての願いかもしれません。


古民家を譲り受けたものの、帰国直後でリフォームローンを組めず必要に駆られてDIYでセルフリノベーション。その様子を動画にしてYoutubeに。いまや登録者1万人(!)のYoutuberでもある

2023年4月に、セルフリノベーションをした古民家で不定休の喫茶「Itoma」を開店。ココホレと2足のわらじで、尾道エリアを中心にまちとひとがつながる場づくりをしていきたいと画策中なのだとか

ちなみに中鶴さんから見て、10年間ココホレを続けてきた社長の浅井さんと、この記事の書き手であるアサミという二人のことをどのように感じているのでしょうか。

中鶴 おふたりともプロフェッショナルだと思います。頼まれたことにコミットするスキルと実績があります。ココホレの仕事は、継業バンクやキノマチプロジェクトだけではなく、本当にさまざま。どっぷり関係性が築けている案件もあれば、スポットの案件もあります。共通点は「わくわく楽しいと思える仕事をする」ということ。

日本中の地域をココホレしてきたおふたりだから「仕事を頼みたい」と、担当者を指名して依頼されることも多いんです。個人に仕事が舞い込んでくるのを間近で見ていると、いつか私も「中鶴さんに依頼したい」と言われるようなスキルと経験を身につけたいと思います。

ココホレは、手取り足取り教えてくれるというよりは、見て学ぶ、聞いたら教えてくれる、といった姿勢なので、入社したら自分からガツガツ吸収する姿勢が大事かなと思います。

ココホレジャパンはどんなひとと働きたいのか。

地域に興味があって、ココホレが関わるプロジェクトが面白そう! やってみたい! と思うひとが大前提。メディアの企画運営の仕事が多いので、メディア運営や編集業のスキルを上げたいというひとにも良き学びを提供することができそうです。自分の人生を楽しめているひとがさらに豊かになるためのお手伝いもしたい。

そして、私たちはこんなひとと一緒に働きたーい! と思うスキルや経験面での希望は、こんなひとです。

まず「元気なひと」がいいですね。フットワーク軽く、日本中をココホレワンワンする心と身体に余裕があるひとだとココホレの業務を楽しめそう。

そして「伝えたいひと」。手段はなんでもいいです。文字でも写真でもデザインでも。好きなフィールドで得意な表現を用いて、ひとの心を動かしたいひと。ココホレジャパンのつくるメディアやサービスでつくろうと目指している世界に共感してくれるあなたと働きたい!

ちなみに、数年前、編集ライターのアシスタントをお願いしたく募集をかけたのですが、デザイナーが応募してきて、そのひとがあまりにいい感じだったのでうっかり採用しました。編集ライターの仕事はまったく楽になりませんでしたが(笑)、デザイナーが入ったことで伝える幅が広がり、今につながる重要なプロジェクトを共にしました。あの化学反応をまた経験したい…!

だから、スキルはそこまで重要視してないんです。ちなみに中鶴さんはどんなひとと一緒に働きたいと思いますか?

中鶴  私はずっと都会で生きてきましたが、いま、地方に身を置いているからこそわかることがあるし、継業バンクで接する自治体の人とも感情を共有できる。まちづくりなどソーシャル系って楽しそう、と思われがちですが、思い通りに結果が出ることはごく一部。むしろホロ苦さが多いことをふまえて地域に携われるのがココホレの仕事です。

なにごとも面白がるスキルって大事だなとも思います。とりあえずやってみる。やろう! という気持ちがあれば、いいんだろうなって思えたのがこの2年です。未経験だとしても、その気持ちがあるといいです。「ココホレの仕事に興味があるなら、飛び込んでみたらいける!」って伝えたいです。

「元気なひと」「伝えたいひと」、そして中鶴さんのいうように、「前向きなひと」。地域と向き合うには課題も楽しめるタチのほうがいいアイデアが生まれる気がします。

森林問題を解決するサウナを視察し、整うココホレジャパン(仕事です)。

ココホレが関わるすべてのプロジェクトの共通項は、地域をより良くするための斬新でユニークでハッピーなコミュニケーションが生業であること。そして、愛を注げば注ぐほど自らの暮らしに愛が還ってくること。

そうすると結果的に「いいことをして、楽しく、稼ぐ」ことになります。稼ぐためにいいことをするのでも、自分たちが楽しく暮らすためだけに稼ぐわけでもない。ひとや社会、もちろん自分にも「いいこと」を生み出すことが最優先。そして、働く私(あなた)が「楽しく」あること。そしてそれを持続していくために適正に「稼ぐ」。これがココホレジャパンという会社です。

グリーンズジョブからひとこと

「ココホレジャパン」。これほど会社のあり方を体現している名前が他にあるでしょうか。

地域の、住んでいる人すら気づいていない魅力を「ココホレ!」とばかりに掘り起こし、「ワンワン!」と伝える。表面的な情報ならいくらでもネット上に落ちていて、それらを切り貼りすればなんとなくそれっぽい地域コンサルティングも、発信もできてしまう。そんな現代にあって、「地域にダイブする」ことを信条にしているココホレの仕事こそ、本当に地域にとって必要な「地域の広告社」の活動ではないかと思います。そして、なにしろココホレのみなさんが楽しそうなのです!

アサミさんや浅井さん、中鶴さんたちとココホレワンワンして見つけるのは、地域好きのあなたがとびきりの笑顔で働くことができる仕事かもしれません。

[partnered with ココホレジャパン株式会社]

(編集:山中散歩)