12/2(金)開催!食文化×デザイン@ヘルベチカデザイン株式会社の仕事とは?

greenz people ロゴ

毎月15ドルで気候変動に待った! アメリカのスタートアップ企業がはじめた、あなたの家には設置“しない”太陽光発電のサブスク

音楽配信、動画配信、食材の宅配、さらには家具や家電、日用品まで。

毎月決まった料金を支払うことで、製品やサービスを利用することができる「サブスクリプション(以下、サブスク)」は、いまや暮らしに欠かせない存在になっている方も多いかもしれません。

ではソーラーパネルのサブスクって、聞いたことありますか?

変化をもたらしていると感じられる
具体的で目に見える方法

アメリカに本社を置く「Midday Tech」というスタートアップ企業が、太陽光発電の普及を加速させるためにはじめたサービス。次の世代によりよい地球を手渡したい、気候変動にいますぐ歯止めをかけたいと考えている方に、ぜひ知っていただきたい取り組みです。


via Midday Tech|Facebook

このサービスは、月15ドルから誰でも参加することができ、確実に二酸化炭素の排出量を削減することができます。といってもこちらのサブスク、自分の家の屋根にソーラーパネルを取り付けるためのサービスではありません。

では、何を提供してくれるのでしょう?

仕組みはいたってシンプル。気候変動を食い止めたいと願う加入者から提供された資金が、発電・送電による二酸化炭素排出量が多いエリアの住宅にソーラーパネルを設置するための助成金として使われるというものです。

会員費は、月額15ドル・60ドル・150ドルの3種類。Midday Techいわく、300ドルあれば新品のソーラーパネルを1枚購入できるとのこと。つまり15ドルのプランに加入する会員が20人集まれば、ソーラーパネルを1枚設置することができます。新たにパネルを設置することで、月に8トンの二酸化炭素排出量を減らすことになるのだとか。

会員は、自分が支援したパネルが設置されたことを衛星写真で確認し、お金の使い道をはっきりとたどりながら、二酸化炭素の排出量削減に寄与できます。また、地域社会にとっては、設置作業にともなって雇用が生まれるという利点も。さらに、一軒の家がソーラーパネルを設置すると、近隣の住民も同じように設置するというデータもあり、地域全体の太陽光発電を加速させることが期待できます。


via Midday Tech

自分の家の屋根に設置しない意味は分かりました。では、先ほど触れた「発電・送電による二酸化炭素排出量が多いエリア」をどう判断していくかということが、大事なポイントになりそうです。そのエリア選びが、ソーシャルインパクトの大きさに影響しますから。

日本でも、ソーラーパネルの設置に対する助成金の有無や金額は都道府県や地方自治体によって異なりますが、アメリカもまた同様。

たとえばマサチューセッツ州では、ソーラーパネルの投資回収期間が約5年と短いのに対し、ミズーリ州では20年以上かかるといわれています。助成金の有無や設定額で、これほどソーラーパネルを設置するメリットに差が出てしまうんですね。

Midday Techの創設者のひとり、Sophia Westwood(以下、ソフィアさん)は、

ミズーリ州でソーラーパネルを設置するのは、カリフォルニア州で設置するよりも4倍のインパクトがある。

と話します。

この発言の背景には投資回収の面だけでなく、それにより再生可能エネルギーの普及が遅れ、ミズーリ州がいまだに電力の70%を石炭でまかなっている現実もあるのです。

再生可能エネルギーがいくら環境にいいといっても、州や自治体による優遇措置のない地域の住民にとって、何千ドルもかかる屋上太陽光発電は大きな負担です。

再生可能エネルギーを支持したい人はたくさんいますが、それを実現するためには経済的な見通しも必要です。

と、Midday Techと提携している太陽光発電設備業者は述べます。

気候変動を阻止するための直接的な行動は何か。
費用負担ができる人だけが再生可能エネルギーを使えば済む話なのか。
そんな逡巡を経て、ソフィアさんはMidday Techのビジネスモデルに行き着いたといいます。

太陽光発電はいますぐ二酸化炭素排出量を削減できるものです。科学的に証明されていますし、拡張性もあります。ミズーリ州で屋上太陽光発電システムを1基設置すると、10年間で約2,000本の木の苗を植え育てるのとほぼ同じ量の二酸化炭素排出量を削減できるんです。

太陽光発電を導入した住宅所有者は、毎月の電気料金を安く抑えることができます。収入の少ない世帯にとっては特に、光熱費の削減が家計の助けとなるため、Midday Techは設置の半数を低所得者層を対象とすることに重点を置いています。

普段からメガソーラーを横目にランニングをしている私は、再生可能エネルギーを積極的に活用していきたいと思う一方で、景観や防災の観点からその設置方法に複雑な思いを抱いてきました。メガソーラーに匹敵するような明確な代替案を提示できるわけでもなく、エネルギーに依存した自分の暮らしに対し、どこに線引きをすべきかモヤモヤと考える日々。

そんなときに目にしたのが、Midday Techの活動です。

自分たちの世代の負担を、次の世代に押し付けないためにも、まずは個人の住宅の屋根から。多くの賛同者の力を借りて、太陽光発電の普及を加速させると同時に、収入の少ない世帯のエネルギーコストを軽減するMidday Techの取り組みに、ひとつの可能性を感じました。

自治体によって助成金がある無しがあり、同じ問題意識を持っていてもソーラーパネルを気軽に導入できる家庭とそうでない家庭があるという事は、現実問題としてどうしても発生してしまいます。もちろん政府に一律で助成を求める動き等も一つのアクションですが、この試みは自分達で助成金の仕組みを提供するという新しい切り口です。これも自分事として捉えた一つのアクションであり、地域を越えた助け合いの素晴らしい仕組みではないでしょうか。
(Text: 生団連)

– INFORMATION –

6年ぶりの開催!
12月4日(日)ミニ太陽光発電システムをつくって学ぶワークショップ


グリーンズとしては実に6年ぶりに「ミニ太陽光発電システムをつくって学ぶワークショップ」を開催することにしました!
生団連をパートナーに迎えて展開している連載プロジェクト「わたしたちの暮らしを守るエネルギー」の一環で企画しています。自分の手で電気をつくりながら、わたしたちの暮らしについて一緒に考えましょう。

詳細はこちら

感想フォーム

この記事を読んで得た気づきや感想をぜひシェアしてください!

[via FAST COMPANY, Midday Tech, Facebook, Unsplash]

(Text: 赤錆菜々)
(編集: greenz challengers community)