\新着求人/人事や組織づくりの経験を、地域でいかす@福岡県赤村

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書くこと・伝えることで、自分らしく社会とつながる方法を見つけた。人付き合いの苦手な私が、人とまちの関わりをつむぐライターになるまで 。

子どもの頃から友だちをつくるのが苦手でした。大人になった今でもそれは変わらず、「友だち」と自信を持って呼べる人はわずかです。それでも、なんだかんだ楽しくやってこれたのは、自分なりに無理なく人とつながる方法を模索してきたからだと思います。

学部やクラスの集まり、大勢の飲み会が苦手。一方、目的のあるチーム活動や少人数の集まりに心地よさを感じていた私にとって、たまたま辿り着いたライターの仕事は、数少ない人とまちと楽しくつながる方法でした。

自分らしい生き方・働き方を探した先に

私がgreenz.jpライターになったのは、2014年。以前から一読者として楽しんでいたgreenz.jpが、ライターを募集しているのを知ったことから始まります。当時は幼い子どもを抱え、今後の生き方・働き方を見直している真っ最中。子どもとの時間を大切にしながら、自分が暮らすまちで、好きな人たちと関わりながらできる仕事はなんだろうと模索していたのです。

大学生活を札幌で過ごし、インターンシップの経験などから地場の中小企業のおもしろさの虜になっていた私は、卒業後、札幌の小さな企業に就職。そこでも道内各地の企業や行政、農家さんなどとつながりをいただき、「あ〜なんて素敵でカッコ良いい人たちがたくさんいるんだろう」と、ますます地域の魅力に取り憑かれていきました。

夏の積丹半島。仕事でもプライベートでも、道内各地を訪れました。

頻繁に出張に行き、道内をぐるぐる巡る日々。それが当たり前になっていた私にとって、産後の外出すらままならない生活は、生き方・働き方を見直さざるを得ないほど大きな変化でした。

子どもとの時間を大切にしながら、自分が暮らすまちで、好きな人たちと関わりながらできる仕事はなんだろう。そんな時、たまたま目に止まったのがgreenz.jpのライターだったのです。

時間と空間を共にする喜び

振り返ると、「北海道のおもしろい人やプロジェクトを広く知ってもらいたい」と熱意だけで応募した私を、greenz.jpはよくライターとして採用してくれたなと思います。ラッキーでした。

ライターとして住むまちのことを伝えるようになってから、自分のペースで、かつて出会った人たちとのつながりを紡ぎ直すようにインタビューの時間をもつようになりました。

greenz.jpライターになったばかりの頃に書かせていただいた記事は、学生時代からお世話になった方々にお話をお伺いしたものです。

ライフステージが変化し、人やまちとの関係性も移り変わっていく中、インタビューの時間を通してもう一度交わり合い、同じ時間と空間を共にすることができ、温かな気持ちになったのを覚えています。

その後、京都に移住したあとは、まちで出会った素敵な人たちやおもしろいと思った場所、プロジェクトを紹介するようになりました。

そうそう、移住してすぐの頃、「greenz.jpのライターです」と名乗ると、初対面にも関わらず親近感を持ってくださる方が多く、なんとなく私が興味関心ある分野についても理解してもらえて、苦手な自己紹介をしなくても心地よいつながりが広がっていきました。知り合いが誰もいないまちで、仕事に恵まれ、楽しく暮らせるようになった背景には、実はgreenz.jpの存在があります。

greenz.jpに掲載した『僕は何者かになるために、あえて地元に残り続けた。三重・尾鷲のニュースメーカー「夢古道おわせ」支配人・伊東将志さん』のインタビューにて。ゆっくりしたペースですが、地元・三重との関わりも持ちはじめました。

聴いて書くことで、出会い、つながりを紡ぐ

自分が暮らすまちで出会った人や企業のことを伝えているうちに、ライターとしての仕事も多様になってきました。それまで自ら企画することが多かった記事づくりでしたが、greenz.jp編集部やgreenz.jp以外の企業からのご依頼も増えていきました。

ライターの仕事を始めたばかりの頃は、つながりを紡ぎ直すこと、自分の知っている人や場を紹介することがメインでした。しかし今では、聴くこと、書くことを通した新しい出会いにもたくさん恵まれています。

greenz.jpで記事を書いたことがきっかけで関わりが深まった「京都移住計画」などのプロジェクトを展開する「株式会社ツナグム」。少しずつ一緒に仕事をすることが増え、数年後、メンバーの一員になりました。

積極的にイベントに参加したり、飲み会に出かけたりしない私にとって、ライターの仕事は、価値観の合う人や素敵な企業と出会う、貴重な機会になっています。もちろんその場限りのものもありますが、その後も継続して関わりを持っている人も多くいます。インタビューでお話を聴いたことで寄付会員になったNPO、利用者として足繁く通うようになった場所、SNSの友だち。始まりは仕事でしたが、今ではどれも私の暮らしを彩る大切なものに育ちました。

心地よい人とまちの関わり方を見つけよう

聴くこと、書くことによって、私自身、人とまちと楽しくつながるようになりました。だから、記事を書くときにはいつも、読んでくれた方にとって、人やまちに関わるヒントになったらと願っています。

greenz.jpの著者プロフィール欄には、SNSのリンクを貼り付けているのですが、そこから直接私にメッセージを送って会いにきてくださった方、記事をきっかけに紹介した場所を訪れてくださった方、そうした一歩からさらに生まれる出会いや物事。一本の記事から広がる数々の出来事を見るたびに、ライターとして伝えることの尊さを実感しています。

冒頭にも述べましたが、私はたまたまライターの仕事に辿り着き、自分らしく人とまちと楽しくつながる方法を見つけることができました。

世の中にはいろいろな仕事があって、社会と関わる方法があります。でも、もしその中で書くことや伝えることに興味を持っている方がいるならば、ぜひ一度、「作文の教室」をのぞいてみてください。たとえ職業としてのライターにならなくても、そこでの出会いや学びは、きっとあなたらしい社会との関わり方を見つけるヒントになるはずです。

写真: 岡安いつ美

(Top 写真: 京都北部にある舞鶴を訪れ、商店街をご案内いただいている様子。取材で全国各地を訪れ、まちを歩きながらそこで暮らす人々の声を聴いています。撮影: 吉岡大)

– INFORMATION –

北川由依さんもゲスト講師として参加!
文章を書くのが楽しくなる、greenz.jp副編集長のスキル習得ゼミ。作文の教室 (実践編)

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