こんにちは、greenz.jpでライター・編集をしている古瀬絵里です。
「greenz.jpライターという仕事」という軸でエッセイを書きませんか? と編集部から提案をいただき、そもそもなぜグリーンズに関わるようになったのか、というところから振り返ってみました。
しばし、おつきあいください。
思い返せば、私がライターを目指したのは、大学4年生のとき。
当時、「Think the Earth」という団体でインターンをしていた私は、そこで池田美砂子さんに出会いました。池田さんは現在もgreenz.jpでライターをしている方ですが、そのときも取材で来ていたのだと思います。そして池田さんに会い、初めて「ライター」という職業を知りました。
私はもともと文章を書くことが好きだったのと、池田さんも「文章は誰でも書けるし、ライターになりたかったらいつでもなれるよ」と言ってくれたので、単純な21歳女子は「ライターになりたい!」と決意。
あれ、でもライターってどうやってなるのだろう?
糸口を見つけられないまま、私は大学卒業後、縁あって画廊で働くことになったのですが、「いつかライターになりたい」と諦められずにいました。
そんなある日、グリーンズが編集スタッフを募集しているのを見つけ、「これだ!」とすぐに応募。願いは叶い、編集インターンとして関わることになったのです。
インターンの仕事は簡単な事務作業だったので、週5日は画廊で働き、週1日はグリーンズの編集会議に参加する、という日々に。確か、その頃からgreenz.jpで記事を書き始めたと思います。
はじめは海外の記事を英語から日本語に翻訳して紹介する、といった記事を書き、グリーンズでの書き方を習得していきました。自分の書いた文章が「記事」となり、たくさんの人に読まれたりシェアされたりしているのを目の当たりにして、なんだか不思議な気持ちになったのを覚えています。
そして、グリーンズでの仕事のほうがもともとの関心分野に近かったこともあり、またちょうど人手が足りなくなるタイミングも重なり、2012年からgreenz.jpの編集アシスタントとして働くことになりました。
このとき、編集をしていたのは当時の編集長・兼松佳宏(通称YOSHさん)と私のふたりだけ。なので、記事をつくるうえでの哲学の多くをYOSHさんから学びました。
たとえば、こんなこと。
・グリーンズにとって一番大切なのは、ライターさん。
・誰かを傷つけたり、何かを決めつけたりするような表現はしない。
・PVを上げるために読者を釣るような(誇張した)タイトルはつけない。
私自身も、誰かに取材をするインタビュー記事を書くようになり、YOSHさんに教わった哲学が文章にいかされていきました。
インタビュー記事は翻訳記事とはまったく違って、難しさと楽しさの両方があります。とくにグリーンズでは、取材先の人が取り組んでいる活動に対して、その根底にある思いを大切に汲み取って伝えているので、「書くこと」と同じくらい「聞くこと」の姿勢が大事なのだと気づかされました。
その後、私はもっと編集の勉強をしたいという思いから出版社に転職しましたが(ライターを目指していたはずが、編集アシスタントをしているうちに、いつの間にか編集者を目指していました)、今でもグリーンズとの付き合いは続いていて、グリーンズのイベントに参加したりオフィスに行ったりすると、実家に帰ってきたような安心感に包まれます。
編集やライターの仕事をしていると、普段会えないような人と会えたり、なかなか行けないような場所に行けたりすることがありますが、「Open A」の馬場正尊さんはそれをこんなふうに表現していました。
「メディアは、魔法の絨毯」
メディアは取材を通して行きたいところへ連れて行ってくれる魔法の絨毯なのだ、と。
大学4年のときにこの話を聞き、「ライターになりたい」という思いを後押ししてくれた言葉でもあります。
いまは個人でもメディアを持てるようになったし、文章を書くことって誰でもできるけれど、けっこう奥深くて、おもしろい世界です。探求したい方は、ぜひ「作文の学校」をのぞいてみてください。グリーンズ特製の“魔法の絨毯”に乗れるかもしれないですよ。
– INFORMATION –
月間30万人が訪れるgreenz.jpの副編集長スズキコウタによる「グリーンズ作文の学校」。greenz.jpに掲載する全記事の校正に関わる副編集長と、編集デスク・向晴香が講師をつとめる本ゼミクラスは、これまで全期満員御礼、総受講者数100名突破、地方から開催要請もある人気ぶり。この度、豪華ゲスト講師を迎えて、第4期の申し込みをスタートします! お申込みはお早めに!
https://greenz.jp/event/sakubun_zemi_04/