最近、コンビニで映画の関連商品を見かけることってありませんか?電車に乗ったら広告が全部同じ映画のものだったということもあるでしょう。
今や大々的に行われるようになった映画のプロモーション。実は今アメリカでは、社会貢献と一体となったプロモーション手法が新しいトレンドになりつつあるのです。
この夏に公開される映画『アメイジング・スパイダーマン』。みなさんにとってお馴染みかもしれませんが、主人公が特殊なクモにかまれてから不思議な能力を備えるようになり、”スパイダーマン”として困った人たちを助けることで、ニューヨーク市民のヒーローになるという映画です。
その配給元であるSony Picturesは、その主人公になぞらえて「アメイジングなボランティアになろう!」というキャンペーン「Be Amazing, Stand Up And Volunteer」を立ち上げました。
ニューヨークやロサンゼルスなど全米9都市と連携し、さまざまなボランティアプログラムを用意。特設サイトから誰でも登録できるようにしたのです。
例えばロサンゼルスでは、ラテンアメリカ系の低所得者層が生活する地区の清掃がおこなれました。普段は一人で出歩くことが危険な地域とされているにも関わらず、当日は85人ものボランティアが集まったそうです。
大きな成果は、参加者の心境に変化があったこと。進んでボランティアのリーダーを務めたり、自分たちが住むコミュニティの清掃をはじめたり、映画のプロモーションをきっかけに社会貢献の輪が広がっているのです。
また、ガンの撲滅を目指す「Stand Up To Cancer(ST2C)」とコラボレーションしているのも特徴。ボランティア参加者がおそろいのTシャツを着ることで団体の周知にも貢献し、興味を持った方は特設サイトから寄付をすることもできます。
ちなみに今回のキャンペーンでは、ボランティア参加者に映画を見るように強く宣伝することはありませんでした。それでもSony Picturesは、「コミュニティと連携してプロモーションを行うことで、映画とコミュニティの間に“win-win”の関係がつくれる」と考えています。
このような社会貢献活動と一体となった映画のプロモーションは、他の映画でも行われています。映画『ハンガー・ゲーム』は、WFPや「Feeding America」とコラボレーションし、世界の飢餓を解決するための特設サイトから寄付を呼びかけました。すると『ハンガー・ゲーム』は前売券の売り上げで新記録を樹立したのです!
映画によって社会的な問題に働きかけることが、ドキュメンタリーだけでなくフィクションでも可能。そんな新しい可能性を感じさせてくれるスパイダーマンのキャンペーン。近いうちに映画と一緒に日本に輸入されるかもしれませんね。
(Text: 杉本真奈美)
[via GOOD]
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