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「ゆりかごからゆりかごまで」の確かな広がり

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by kikuyumoja

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先日こちらで紹介した「Cradle to Cradle認証」。「ゆりかごからゆりかごまで」の思想や取り組みが着実に広がっている。

サンフランシスコに拠点を構えるmethodという会社が15品目で「Cradle to Cradle認証」の「Silver」ランクを獲得した。method社は一般消費者向けに生物由来の各種の洗剤を取り扱うメーカーだ。

greenz/グリーンズ method社
method社ウェブサイト

これまでに「Cradle to Cradle認証」を受けた商品は200品目を超えるが、その多くは部品やビジネス向けの商品で、消費者向けの商品はほとんどなかった。それだけに、今回のmethod社の認証は、「Cradle to Cradle」に対する消費者の認知度を高めるきっかけになることが期待される。

method社は、化学物質を使わずに生物由来、生分解性の素材を使うとともに、完全リサイクル可能なパッケージを導入している。人と地球に優しい製品を作るmethod社のこうした取り組みが評価されて、今回の認証へと至った。今後は、太陽光発電を導入するなど、method社はエネルギーの自給にも積極的に取り組み、「Gold」「Platinum」のより上位の認証を目指しているということだ。

また、「Cradle to Cradle認証」を受けた訳ではないが、「ゆりかごからゆりかごへ」の発想で懐かしくも新鮮な自社商品の回収プログラムを始めた企業もある。スウェーデンのアウトドア用品メーカーのKlattermusen社の「rECOver」というプログラムだ。

greenz/グリーンズ Klattermusen
Klattermusen社のバックパック。
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「rECOver」の仕組みは、こうだ。
・Klattermusen社はプログラムの対象になっている商品にデポジットのラベルを付けて販売する。
・商品を使わなくなったユーザーは商品を返却する。
・Klattermusen社はデポジット分の金額をユーザーに返す。

この仕組みを見ると、ラムネやコカコーラ、ビールなど、飲料のリターナブル瓶のことを思い出す。近年はペットボトルやアルミ缶に押され、日本ではリターナブル瓶をあまり見かけなくなったが、十数年前までは駄菓子屋や酒屋で見慣れた光景だった。店先でラムネ飲料を買って、一気に飲み干して瓶を返して10円をもらい、もらった10円で飴を買う。そんな実体験のある読者も多いのではないかと思う。

このデポジットの仕組みを、アウトドア用品にも適用したところが面白い。スウェーデンのご近所ドイツではリターナブル瓶が今でも広く流通に使われているので、そうしたところからヒントを得ているのかもしれない。返却された商品は、状態に応じて、修復して中古品として寄付したり、ばらして新しい商品の素材として使われる。

また、Klattermusen社では、カーボンフットプリントをさらに推し進め、商品ごとに環境指標を表示する「eco INDEX」や、売上高の1%を環境保全プロジェクトに寄付する「1% FOR THE ENVIRONMENT」にも取り組んでいる。

こうした活動からは、同業の先駆者patagonia社の活動が連想される。patagonia社の「つなげる糸リサイクルプログラム」「フットプリントクロニクル」「1% for the Planet」が、それぞれKlattermusen社の「rECOver」「eco INDEX」「1% FOR THE ENVIRONMENT」に対応する。

patagonia社は他にも数多くの環境保全活動に取り組んでおり、個別のプログラムの成熟度という点でもpatagonia社に一日の長があるように感じるが、こうした取り組みが、企業価値を高め、差別化につながることを、企業が気付き始めているように思う。「ゆりかごからゆりかごまで」の精神・活動によって、世に循環の輪が広がることを期待したい。

「Cradle to Cradle認証」のガイドラインを見る