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本当にほしいものってなんだろう?『月3万円ビジネス100の実例』から見えた「働く」ことの再定義

幸せに生活するために、ほしいものはなんですか?

頭の中に浮かんだものが「お金」だった人もいるかもしれません。

ご飯を食べるのにも、
友達とカフェでおしゃべりするのにも、
恋人と旅行に出かけるにも、
日常の中でお金が必要となる場面は多々、存在しています。

はじめまして。編集部インターンの佐藤真都と申します。

僕はお金が全てであるとは思っていませんが、ふと見た貯金通帳の残高が減っていた時、将来について考える時、お金に対する不安と比例して心が乾いていくような気持ちになってしまう…。そんなもやもやを抱いていたとき出会った本が『月3万円ビジネス 100の事例』です。

副業が認められたり、SNSで流れてくる「月に○○円を稼げる!」という広告を目にする昨今。そんな時代になぜ3万円と限定するのか。不思議に思い手に取ってみることにしました。

この本に掲載されているビジネスは、一般的な仕事から離れたユニークなものばかり。

ドライフードを自作して販売したり、
そのドライフードを作るドライヤー自体をつくったり、
遺影を事前に撮影するとか、
車をてんぷら油で走るように改造するなど。

読み進めるにつれ、この本に記されているビジネスの本質は決して「ただ3万円をつくればいい」ことではないと感じさせます。

本書の中にこんなフレーズがあります。

50年に及ぶ高度経済成長時代ー物質的な豊かさの代償として僕たちは多くのものを失った。
(略)
失ったこれらを取り戻すのが、月3万円ビジネスのテーマの大半だということにお気づきだろうか。

それはつまり、ワークショップを開催すればコミュニティができるし、てんぷら油を起点に地球環境を語りつながりが強まるといった、働くことで人や自然とのつながりを手に入れることで豊かになるという再定義でした。

過去の恩師に聞いた話では、働くの語源は、「傍(はた:周りの人)を楽にする」ことになるとか。それなのにいつの間にか、周りの人との「つながり」のためにお金を欲していた自分に気がつかせてくれました。

もしもあなたが今、“物質的な豊かさの代償として失ったもの”というくだりに心当たりがあるとしたら、その穴を埋めるヒントはこの本にあるかもしれません。

(Text: 佐藤真都)

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著者:藤村靖之 
出版社:晶文社
言語:日本語
発売日:2011年7月2日