「リジェネレーション」という言葉を改めて見つめてみると、そこには2つの異なる視点があることに気づきます。
ひとつは、欧米や日本のような先進国における「リジェネレーション」— 発展の名のもとに失われた自然や文化、暮らしを再生し、取り戻すこと。
そしてもうひとつは、南米アマゾンの先住民、タイの山岳民族、東南アジアの農村などに見られる「リジェネレーション」— 何千年もの間、自然と共に生きてきた、再生的な暮らしそのもののこと。
(世界的な調査(*ipbes地球規模評価報告書)でも、先住民が自然を暮らしに使っている地域ほど、生物多様性が守られていることが明らかになっています。)
「まだ失われていないリジェネレーション(再生的な暮らし)」と「失ったものを取り戻すリジェネレーション(環境再生)」。
この2つが交差する場所、それが2025年のバリ島なのです。
バリ島ーリジェネレーションを体感する最高の舞台ー
バリの人々は、「トリ・ヒタ・カラナ」という古来からの哲学を大切にしてきました。
それは、「神々との調和」「自然との調和」「人との調和」 の3つが、幸福には欠かせないという考え方です。
伝統的に稲作を営んでおり、田んぼのあぜ道を歩けば、青々とした棚田がどこまでも続き、風が稲穂を揺らす音が心地よく響きます。初めてきた国なのに懐かしい。この美しい景色は、バリの人々が何世代にもわたって守り続けてきた「再生的な営み」の証です。
しかし、その暮らしは、現在進行形で失われ続けています。その大きな理由はオーバーツーリズムです。2023年、バリ島を訪れた観光客は 1,500万人。観光業の発展と引き換えに、島には深刻な問題が生じています。
徒歩10分の距離が車では2時間もかかる渋滞、リゾートホテルのプールのために農業用の水がなくなる水不足、農業が継続できないことによる農村の貧困と伝統的な文化の衰退、観光客の出す大量のゴミなど、年々深刻化しています。
今回のスタディツアーでは、オーバーツーリズムによるゴミ問題の現場を見学します。その後で、自然・文化・暮らしを守るためにリジェネラティブツーリズムを始めたクレチュン村でホームステイをします。そこはまさに失われゆくものを守るための抵抗の現場であり、観光を「破壊」ではなく「再生」の手段として活用する新たな試みが始まっている場所でもあります。
ツアー全体をコーディネートしてくれるのは、バリ島を拠点に活動するEarrh Company。オーバーツーリズムへの解決策として、リジェネラティブビジネスを体現したエコホテルmana earthly paradiseを運営しています。グリーンズの植原正太郎と小倉奈緒子も同行します。
バリ島は多様な文化が交差し、新たな価値観が生まれやすい土壌があります。欧米のアイデアとバリ独自の哲学が融合し、課題に対して革新的な解決策が次々と生まれています。
バリの挑戦から、日本の未来にいかせる学びがあるはずです。
「リジェネレーション」を体感し、未来を再生する旅へ。一緒に出かけましょう!
今回のツアーで体験できること
①次世代のエコホテル mana earthly paradiseに宿泊
施設の照明はすべて太陽光発電を使い、水は雨水を循環させ、廃水も再利用。建物に使用した木材は家屋の廃材を活用し、新しい木を一本も切らずに建て、併設のレストランでは在来種のたねを敷地内の畑で自然農法で育てた食材を使っています。オーバーツーリズムへの解決策として、リジェネラティブビジネスを体現したホテルです。
②バリの不都合な真実:オーバーツーリズムによるゴミ問題の現場を見学
スンガイ・ウォッチ
バリ島の海ごみの80%は川から流出しています。スンガイ・ウォッチはバリ全土の川ごみをなくし、ごみ問題の解決を目指すと共に、回収したごみを家具等にアップサイクルし、新たなビジネスを展開しています。
スオンコミュニティ
バリ島南部にある島内最大のごみ山周辺のコミュニティ。ごみ分別で生計を立てる人々が暮らしています。彼らへ職業訓練や子どもたちへ教育機会を提供している団体を訪問します。
③自然・文化・暮らしを守るためにリジェネラティブツーリズムを始めた村でホームステイ
バリ文化をホームステイで体感
小グループに分かれ、バリの農村の家庭に宿泊します。バリの人たちが毎日つくるお供物を自分達で作成し、近くの水寺にお祈りします。
森林再生農法(アグロフォレストリー)で森林整備の手伝い
村に残された更地を森林再生農法(アグロフォレストリー)で食べられる森にする取り組みに参加します。
村の環境リーダーから直接ライフストーリーを聞く
その他にも、ビーチへのトレッキングや村の循環型施設の見学など盛りだくさんです。
ツアー概要
【日時】
7/23(水)- 7/28(月)
【スケジュール】
1日目:7/23(水)
この日中に各自Mana earthly paradise集合して、チェックイン。
2日目:7/24(木)
オリエンテーション
mana earthly paradise紹介&ツアー
バリ島の課題のイントロダクション
3日目:7/25(金)
スンガイウォッチのゴミ分別場見学
スオンコミュニティのゴミ山とスラムの訪問
4日目:7/26(土)
クレチュン村ホームステイ
村の環境リーダーアニークのライフストーリーと村の課題を聞く
村の散策
ホストファミリーと交流
5日目:7/27(日)
お供え作り、お祈り
アグロフォレストリでの森林整備
循環型施設見学&種植え
mana earthly paradiseへ戻る
5日目:7/28(月)
旅の振り返り、感想共有
お昼頃解散
※スケジュールは天候や現地状況に応じて一部変更になる可能性があります。
【集合・解散】
場所:mana earthly paradise
バリ島のウブドにあり、空港からは車で2時間ほどです。
※空港からmana earthly paradiseまではご自身でご移動ください。
集合:7/23中にチェックインをお願いします。
解散:7/28 12時頃
【参加費】
大人 169,000円(税込)
子ども(2組まで):乳児(添い寝・食事なし)30,000円、2-12歳まで(ベッド利用・お子様用の食事)100,000円(税込)
※ホテルは女性ドミトリー(10人一部屋)もしくは男女混合ドミトリー(10人一部屋)です。
個室追加代金(1人当たり):
シングルヴィラ(1名1室利用/4泊)40,000円追加
シングルデラックスルーム(1名1室利用/4泊)48,000円追加
シングルデラックスルーム(同行者と共に2名1室利用/4泊)15,000円追加
ホームステイは相部屋のみです。
参加費に含むもの
プログラム費、宿泊費(ホテル、ホームステイ)、プログラム中の移動費、プログラム中の食事(7/24夕食以外)
参加費に含まれないもの
飛行機代、空港ーホテル間移動費、7/24夕食、VISA代金(5,000円程度)、バリ島入島税(1,500円程度)
【定員】
20名
【最少催行人数】
12名
【申込締切】
6/30(月)
先着順で定員に達した時点で締め切ります。
【注意事項】
・海外旅行保険は各自で必ずご加入ください。
・パスポート残存 6ヶ月+滞在日数が必要です。
・5/30(金)もしくは最少催行人数に達した時点で、催行可否についてのご連絡をします。それまでは飛行機など手配されないようにお願いします。
【キャンセル規定】
開始日の前日から起算して30日〜8日前:参加費の20%
開始日の7日前〜3日前:参加費の30%
開始日の前々日及び前日:参加費の50%
開始日当日(旅行開始前):参加費の50%
開始後の取消または無連絡参加:参加費の100%
【申し込み】
別途ご案内するgoogle formにてお申し込みください。
【現地コーディネート】

一般社団法人Earth Company シニアマネージャー
– 関西学院大学で、生物学実験講師(5年)
– コスタリカ共和国で、海外ボランティア(2年)
– 環境省の環境教育プログラム開発・普及(4年)
– バリ島で、研修ファシリテーター (6年目)

一般社団法人Earth Company 研修担当
2018年4月 関西学院大学 総合政策学部 入学
2020年2月 大学のプログラムで東ティモール・バリ初渡航
Earth Companyと出会う
2022年4月 コンサルティングファーム新卒入社・PMOを担当
2024年8月末 Earth Companyに転職・バリ移住
【グリーンズ同行スタッフ】

NPO法人グリーンズ 共同代表
1988年4月仙台生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。新卒でSNSマーケティング会社に入社。2014年10月よりWEBマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズにスタッフとして参画。2021年4月より共同代表に就任し「いかしあう社会」を目指して健やかな事業と組織づくりに励む。同年5月に熊本県南阿蘇村に移住。釣りとスケボーと自給自足がしたい二児の父。

NPO法人グリーンズ 事務局長
1985年生まれ。ガイドブック編集、旅行会社、住環境NGOを経て、グリーンズへ。「気楽に生きる」をテーマに、気になった場所へ旅をしては、現地の暮らしを体感し、そこで得たエッセンスを、自分の暮らしや地域に取り入れるという探求をしています。 茅ヶ崎在住、2児の母。サーファーを夢見るカナヅチ。
【お問い合わせ】
ツアーに関するご質問などはこちらのメールアドレスにお願いいたします。
tourism@greenz.jp
(担当:グリーンズ 小倉)
リジェネラティブデザインカレッジは来年度も開講予定です。
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