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釜ヶ崎のおじさんたちとヨコハマトリエンナーレへ! 「ココルーム」上田假奈代さんに聞く、”自分のことばで美を語る”ということ

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ヨコハマトリエンナーレ2014に参加した釜ヶ崎芸術大学のみなさん

大阪・西成区の釜ヶ崎は、“寄せ場”と呼ばれる日雇い労働者のまち。東京・山谷、横浜・寿町とともに“日本三大寄せ場”といわれるなかでも、釜ヶ崎は日本最大の寄せ場として知られています。

寄せ場は、日本の高度経済成長を支える労働者を供給するまちでした。しかし、経済成長の停滞とともに求人は減少の一途をたどり、今では、高齢化した労働者の“おじさんたち”が仕事もなくホームレス状態になる事例も多くなっていきます。

この釜ヶ崎で、アートのNPO法人「こえとことばの部屋(以下、ココルーム)」を運営し、「インフォショップ・カフェ ココルーム(以下、カフェ ココルーム)」という喫茶店を営む、詩人の上田假奈代さんは、おじさんたちのことをお世話になった人を慈しむような声色で語ります。

私は、まさにこのおじさんたちが支えてきた高度経済成長期のまっただなかに生まれ、その恩恵にあずかってきた世代なんです。

ココルームは、2012年に釜ヶ崎のおじさんたちと芸術をともに学び合う場「釜ヶ崎芸術大学(以下、釜芸)」を開校。さまざまな場と作品を生み出してきました。

ところが2014年、3年目を迎えた釜芸は大きな転機を迎えました。なんと、釜芸が現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ」に招聘されたのです。

「行くなら、おじさんたちと一緒に行きたい。でもお金が足りない…」。上田さんたちは「MotionGallery」でのクラウドファンディングに挑戦。みごと300万円の目標金額を達成して、みなとみらいへと乗り込んだのです。
 
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上田假奈代(うえだ・かなよ)
詩人・詩業家。1969年生まれ。3歳より詩作、17歳から朗読をはじめる。92年から詩のワークショップを手がける。2001年「詩業家宣言」を行い、さまざまなワークショップメソッドを開発し、全国で活動。2003年ココルームを立ち上げ「表現と自律と仕事と社会」をテーマに社会と表現の関わりをさぐる。2008年から西成区(通称・釜ヶ崎)で喫茶店のふりをしている。「ヨコハマトリエンナーレ2014」に釜ヶ崎芸術大学として参加。NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表。大阪市立大学都市研究プラザ研究員。2014年度 文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞

一筋縄ではいかない講師と学生が学び合う「釜ヶ崎芸術大学」

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カフェ ココルーム。取材に訪れた日は、陽気なおじさんが遊びにきていて、上田さんは「私、この人のおかげでちっとも仕事が進まないの」と笑っていた

おじさんたち、ふらりと立ち寄る旅人、居場所をなくした若者……ココルームでは、毎日のように現れる小さな課題を抱えた人たちと対話をし、一緒になにかをつくることをつづけてきました。

釜ヶ崎で暮らしているおじさんたちの“課題”は、仕事がないと「やることもなく、話す人もいない」と朝からお酒を飲んでしまいやすいこと。やがて、仕事をもらえない年齢に達すると、孤立を深めてやけ酒を飲んで日々をやり過ごす……という人も少なくありません。

孤独に、社会から排除されたまま生きているおじさんたちの状況に立ち会いながら、上田さんがふと思い出したのが、2010〜2011年にかけて開かれた「釜ヶ崎大学」という企画。そして、そこでおじさんたちが学ぶ姿でした。

「釜ヶ崎大学」が始まる前日、あるおじさんが「仕事のない日は休まずに通うよ! 学籍番号一番になる!」と言ってくれたんです。人生のなかで、まともに学校に通ったことはなかったおじさんでしたが、ココルーム周辺での出会いを重ねながら、学ぶ面白さを感じていたようです。

「やることがない、話す相手もいない。朝からお酒を飲むしかない」というおじさんたちの時間を、学び合う時間に変えていくことができるのでは?

上田さんは、そんな思いを背景に釜ヶ崎で芸術を学び合う「釜ヶ崎芸術大学」の立ち上げに着手しました。
 
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釜ヶ崎芸術大学のウェブサイト。「大学があるんなら 巨大学があってもいい 反対に微笑学があってもいい」という谷川俊太郎さんの詩「釜大に寄せて」が掲載されている

釜芸は、西成市民館や三角公園、太子会館老人憩いの家など、釜ヶ崎のあちこちで年間40〜60講座を開講。無料(カンパ歓迎!)で、希望者は誰でも参加できます。授業は「音楽」「絵画」「写真」「書道」から「ファッション」「狂言」「宗教」「哲学」までさまざま。

講師陣には、狂言師の茂山童司さん、宗教学者の釈徹宗さん、天文学者の尾久土正己さん、そして美術家の森村泰昌さんなど、ココルームがこれまで関係を結んできた芸術家や研究者たちが名を連ねています。

上田さんは「釜ヶ崎で学ぶこと」の意味をこう語ります。

釜ヶ崎を知ることは、日本の近代化の歴史を知ること。このまちは今のこの社会を実現するために必要とされ、生み出されたんです。釜ヶ崎で学ぶことは、私たちの暮らしを問い直す機会になります。

それに、釜ヶ崎には、このまちが抱えてきた失業、高齢化と孤独、依存などの問題をフォローするための知恵も蓄積されています。ここで培われた助け合いのしくみや知恵は、少子高齢化が進み、貧富の差が広がる全国の地域のヒントにもなるはずなんです。

現代アートの国際展におじさんたちと参加する!

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講座数も参加者数も充実した釜芸が、3年目を迎えた2014年の春。上田さんは、釜芸の講師でもある森村康昌さんから「ヨコハマトリエンナーレに参加しませんか」という打診を受けました。

森村さんは、自らの身体で世界的に有名な絵画や有名人を表現するセルフポートレート作品で知られる現代美術家。2007年、「なにものかへのレクイエム」シリーズでレーニンに扮したときには釜ヶ崎でロケを行ったことがあります。

このとき、ロケハンやエキストラ募集の求人を出すなど、森村さんの撮影を手伝ったのがココルームでした。

そんな森村さんが、「ヨコハマトリエンナーレ2014(以下、ヨコトリ2014)」で、アーティスティックディレクターを務めることになったのです。

とはいえ、「釜芸がヨコトリ2014に参加する」のはいろんな意味で簡単なことではありません。

そもそも、おじさんたちをよく知る人たちにとっては、「超おかしくて、心打たれる」作品たちですが、知らない人が見たらどう思うんだろう? 「こんなものをなぜ美術館に展示するんだ!」と、おじさんたちに文句を言う人がいたらどうしよう…?

もしそんなことがあったら、一番傷つくのはその作品をつくったおじさんたちなのです。

森村さんが、何度も考えたうえで、リスクを負うことを覚悟してお誘いくださっていると瞬時にわかりました。「もちろん、あなたたちの気持ちを尊重します。イヤならイヤだと言ってくれていいんだよ」と前置きをしながら」。

森村さんはすごくいつも誠実な人なので。「あ、この話に乗ろう」と思ったんだよね。他の人だったら、違っていたかもしれません。

しかし、決定までにはココルームのスタッフ内部で議論が重ねられました。

でも、わたしはおじさんのこの作品、この作品未満のものが好き。それは、揺るぎがない。誰が、他の人がなんと言おうとも。そう思わせてくれるおじさんたちの作品を信じて、表に出して行こうって、みんなに話したんです。

わたしたちが思う以上におじさんたちはたくましいし、強いから、そこも信じていいと思う、と。

こうして、ヨコトリ2014への参加を決めたココルームでしたが、ここで「お金」という大きな壁にぶつかります。

ヨコトリ2014から提示された金額では、おじさんたちと一緒に横浜に行くことはできません。しかも、釜ヶ崎での釜芸開催も危ぶまれる事態も起きていました。

それがね、ヨコトリに集中するあまり、釜芸の開催のための助成金を申請するのをすっかり忘れていたのよ(笑)

ヨコトリ2014での釜芸開催は決まっているのに、釜ヶ崎では開催できないかもしれないということになって。もう、両方合わせてクラウドファンディングに挑戦するしかなかったの。

3か月で300万円のクラウドファンディングを達成

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ココルームが開いているかぎり、おじさんたちはふらりと立ち寄る。なかには、居心地のよさに居座って帰らなくなってしまう人も…

「ヨコトリ出場「釜ヶ崎芸術大学」開校と、おっちゃんたちの旅費を!」と名付けられたクラウドファンディングは、2014年6月〜8月31日までの3か月間実施されました。

釜芸の受講者はおじさんたち。一般的なスクール事業のように受益者負担の論理で運営されておらず、収益性はありません。

一方、ココルームの収入は、カフェ ココルームなど自主事業による収益、助成金と寄付の3本柱。単年度の助成金に頼ることも多く、安定しているとは言いがたいココルームの財政状況のなかで、なんとか運営を支えているというのが実情です。

2014年度の釜芸は80講座を予定していて、講師への謝金、人件費や報告書の作成などに130万円が必要です。一方、ヨコトリ2014に参加して釜芸を開催するには、おじさんたちの交通費や食費、展示の準備などに最低でも110万円が必要でした。

「MotionGallery」の手数料などを合わせると300万円。まさしく背水の陣、かなり大きな金額でのクラウドファンディングです。

面白いなと思ったのは、「8月末日までに300万円を集める」と掲げたときから、私たちがそれを多くの人に言おうとする姿勢に変わったこと。「8月中に300万円集めなければいけないんですよね、○○さん!」と気楽に言えるわけです。

クラウドファンディングっていうのは、お金を集めるということを外部化し、「お金を集めています」と言いやすくなるツールなんだなと思いました。

リターンとしては上田さんがつくる「サンクス絵はがき」や、森村さんの作品「なにものかへのレクイエム」シリーズから「釜ヶ崎のレーニン」の絵はがき、「釜ヶ崎芸術大学2013報告書」「釜ヶ崎芸術大学詩集」などを用意。

上田さん自らによる告知と、ココルームを応援する人たちのクチコミの力によって、287人がクラウドファンディングに参加。無事に目標金額を達成し、2014年度の釜芸開催と、ヨコトリ2014への参加を実現できたのです。
 
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ヨコトリ出場「釜ヶ崎芸術大学」開校と、おっちゃんたちの旅費を! 「MotionGallery」

ココルームの壁と日常空間を持っていく

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2014年8月1日〜11月5日に開催されたヨコトリ2014のテーマは「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」。森村さんは、まるで一冊の本をつくるように、展示によって大きな物語を紡いでいきました。

釜芸のストーリーは「第2話 漂流する教室にであう」でした。

釜ヶ崎は、経済成長の停止とともに置き去りにされた「忘却の町」。このまちで学び合う釜芸はまさに「漂流する教室」であり、「表現」は「今日というかけがえのない一日を生きる心の糧」になっていると、森村さんは考えたのです。
 
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釜芸の展示全景。ココルーム カフェの象徴である小上がりと卓袱台、そして人々がいろんなものを貼付けていく「壁」を再現した。天井には「書道の天の川」、左手前の看板は「顔ハメ看板」

釜芸の展示タイトルは「それは、わしが飯を食うことより大事か?」。

広々としたスペースに、おじさんたちによる書道や絵などの作品、ココルームで愛用されている備品、ココルーム カフェの「小上がりと卓袱台」や「壁」を再現した展示空間をつくり、釜芸を紹介する映像の放映も行いました。
 
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展示のなかで、ひときわ大きな存在感を放っていたのが「壁」です。

この壁には、表現のようで表現未満のもの、あるいは、私たちの活動の下支えになるような言葉や写真が貼ってあるの。

誰かが切り抜いた新聞記事や、ココルームが受け取ったすごくいい文章のメールとか。夜遅くに来たおじさんが書いておいていった詩のようなものや絵とか。だから、この壁を持って行こうと考えたの。

幅8mの壁の下地は、ヨコトリ2014のサポーターとともに「和歌山の海」をペインティング。実は、設営の数日前、上田さんは釜ヶ崎のおじさんが息を引き取る瞬間に立ち会っていました。おじさんと最後に交わしたのが「和歌山の海の話」だったのです。
 
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一本だけ波のラインを引いて「あとはみなさんが和歌山の海だと思うものを描いてください」とお願いしたところ、「まるでマチスみたいな絵」がしあがった。上田さんもうれしそう

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和歌山の海の絵の上から、ココルーム カフェの壁に貼られているさまざまなものを貼りつけていく上田さん

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「本の島に畳が載っている」。卓袱台下からは、録音されたココルームの日常の音を流した。本棚の本は自由に読んでOK だったため、ここでひと休憩していく来場者も少なくなかったという

海の絵が仕上がったとき、亡くなったおじさんが壁の斜めうえでニヤッと笑ったような気がしたのよ。この展覧会はうまくいくって直観したわ。

おじさんと私が話した和歌山の波の上に、横浜の見知らぬサポーターさんが色を重ね、いろんなものが重なり合って海になって、まさにココルームに「重なってきたもの」のイメージにもつながるから。

さらには、釜芸の講師とおじさんたちによる「ヨコトリ出張講座」も開講。哲学、天文学、詩などのほか、狂言や喜劇の成果発表公演も。

さらには、横浜美術館前に大きなテントを建てて炊き出しをする「TAKIDASHIカフェ」も開催。みなとみらいの空の下で、釜ヶ崎が培ってきた「生き抜く術」を思いっきり披露しました。
 
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2日間で1100食を提供した「TAKIDASHI カフェ」。メニューは親子丼とカレーライス、スタッフは朝4時起きで準備した。事前に横浜の寄せ場・寿町にも連絡。一日100人以上のおじさんたちが食べにきてくれた

「TAKIDASHIカフェ」は、森村さんが最初に言い出して、そのネーミングを気に入ってしまったの。「やりたいよね!」となったのはいいけれど、予算では30食くらいしか出せなくて。

人出もいるから、手伝ってくれる若者たちは車に乗せて連れて行って、宿代も用意できないから寿町の労働関係者のスペースで雑魚寝をさせてもらったりしてね。

釜ヶ崎からみなとみらいに現れた「TAKIDASHI カフェ」には、ヨコトリ2014に来場した「おしゃれな若い人たち」とおじさんたちが混ざり合い、みんなで一緒にごはんを食べるという「見たことのない光景」が現れたのでした。

ヨコハマからの返信:ココルームを訪ねてくる人たち

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「これらの作品にグッときてしまった」と、ヨコトリ2014が終わっても毎週のように誰かがココルームカフェを訪れるという

最終的に、ヨコトリ2014のために大阪から横浜に行ったのは、おじさんたち、講師、スタッフ、炊き出しのお手伝いなど、総勢50人にもなりました。当初は「行きたくない」と言っていたおじさんたちも、存分に楽しむことができたようで、「今年は横浜に行かないのか?」と言うこともあるそう。

また、ヨコトリ2014が始まってから、ココルームには見慣れないお客さんがポツリポツリと現れるようになりました。「ヨコトリで見ました」という、首都圏や海外からの旅行者たちです。

今年の5月にも、壁に貼られていた手書きの詩を気に入って「どうしてもこれを書いた人のことが知りたい」という男の人が横浜から来たのよ。それは、ココルーム カフェに来る謎の男性が書きなぐった文章だったんだよね。

本人には出会えなかったけど「来てよかったー!」って言って帰っていったの。

また、横浜美術館でアルバイトをしている人からは、「TAKIDASHIカフェ」への感想がメールで送られてきました。

その方は「TAKIDASHIカフェ」の日はお休みをとって、わざわざ来てくださって、一緒にカレーを食べたそうです。そこには、美術館の館長も、お掃除の人も、事務の人もいてみんなで食べた。

毎日、美術館では何百人もの人が働いているけれど、控え室も別だし、一緒に会議をすることもない。ふだんは挨拶することもない人たちと一緒にカレーを食べているのがすごくよかったって書いてあったんです。

「それが、釜芸が言っていること、やっている“であいなおし”ですよね」って。

単発のできごとで、何かが根底的に変わるということはありません。しかし、誰かが自らの経験を通して何かを理解し、それを自らの言葉で伝えてくれたことを、上田さんは大切に思っています。

「こうしたことの強度を高めていくには、どうしたらいいのだろうか?」。あらたに生まれた問いは、釜芸の次のステップへとつながるものでした。

「じぶんのことばで美を語る。釜ヶ崎から美を語る」

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釜ヶ崎芸術大学・哲学の授業風景(2012年)

ヨコトリ2014の開催中、上田さんと森村さんは多くのメディアから取材を受けました。「なぜ、ヨコトリ2014に出場したのか」「何を訴えたいのか」「これから釜芸はどうしたいのか?」。多くの場合、取材のポイントはこの3点。

やがて、ふたりともが「自分が当事者ではないのに、当事者の思いを語るのはすごく失礼な気がする」と感じるようになったそうです。

ヨコトリに出ることは「問う」ことだから、メディアを通じて私の答えを読んで、そこで考えることをやめてもらったら「何のために出たのやら?」と。私も、森村さんも「わたしが釜芸を語る」ことがだんだんイヤになっていったのね。

しかし、一方で上田さんには「300万円も集めたのだから、説明責任を果たさなければ」という思いもありました。突破口を見いだそうともがくなかで、ストンとひとつのことばが降りてきます。

ふたりして、同じようなタイミングで「大事なのは、釜芸のおじさんたちが、自分のことばで美を語ることだよね」っていう言葉が出てきたの。森村さんは、もうひとつ「この釜ヶ崎から美を語る」ということをおっしゃった。

2014年、釜芸のおじさんたちはヨコトリで美を語ったんだよね。今度は、釜ヶ崎から美を語っていこう、と。

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「じぶんのことばで美を語る。釜ヶ崎から美を語る」。

2015年度には、このふたつのテーマを持つ新しい講座「大学院 美学学会」が立ち上がりました。講師陣は、森村さんと森村さんの作品制作にも参加している美術教師の小池勝行さん。

上田さんは「もがいた分、生まれてきたなあ。何かやると、次の一歩が見えてくるね」と話します。

22歳のとき、はじめて企画したイベントのコンセプトは「ふつうの人が、じぶんの気持ちをじぶんで表す」というものだったのね。「ふつうの人」というのは、表現の訓練をしていない人という意味なんだけど、この感覚はココルームでもずっと気をつけていたもの。

約20年を経て、また「じぶんのことばで美を語る」ということばにもう一度出会えたので、すごくストンときたの。代わりのない人生だから、じぶんで表すことが大事なのよね。

2015年度、釜芸ははじめて通年での開催に挑戦します。しかし、現在のところは前期を運営するだけの助成金しか得られておらず、後期は主に寄付によって講座を運営する予定です。

まだまだお金については試行錯誤が続きますが、釜芸の進む道には孤独を味方につけたあたたかい灯がともっています。
 
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釜ヶ崎芸術大学の学生証

カフェココルームを訪ねたり、釜芸のクラスに参加してみると、きっと自分の「生きること」とこの社会のつながりに対する新たな視点が生まれると思います。

そして、釜ヶ崎というまちで学ぶこと、そしておじさんたちと机を並べて学ぶことは、きっと「じぶんのことば」をたぐり寄せるまたとない経験になるはず。

あなたも、釜芸の学生になってみませんか?

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