世界自然保護基金(WWF)、グリーンピースなどの主要NGOが、9月8日、欧州議会の議員に向けて、市民からのメッセージを発信するというパフォーマンスを行った。これが、議会を動かすことになった(のかもしれない)キャンペーンだ。
このパフォーマンスというのは、「Time to Lead(リードすべきとき)」キャンペーンの一貫で、気候変動への対応において、欧州が失いつつある世界的なリーダーシップを取り戻せるよう、各議員に地球温暖化を始めとする気候への壊滅的な影響を未然に防ぐ政治体勢をとることを求めるためのものだ。
具体的には、欧州議会に隣接するリュクサンブール宮殿に電話を設置し、市民が思いを伝える電話メッセージを議員に向けて流し、その思いに答えるように議員らに求めた。欧州議会の議員のいく人かは実際にその呼びかけに答え、それぞれのメッセージを市民に発信したという。
そして10月8日、EUはポスト京都議定書に向け、2020年までに20%削減という欧州全域の共通目標を定めた。これがNGOによるキャンペーンの直接の結果であるとはもちろんいえないのだが、市民の思いと欧州議会の意図が一致し、気候変動の対応におけるリーダーシップを取り戻そうと動き始めたということになるのだろう。
京都議定書を定めた会議の議長国でありながら、その後はリーダーシップを発揮できないでいる日本の政府に対して、そろそろ私たちも何らかの行動を起こさなければいけないのかもしれない。