greenz.jpも強力にプッシュした2008年のBlog Action Dayが幕を閉じた。「貧困」がテーマだった今年は、Blog Action Dayのウェブサイトによれば、全世界で12,800のブログが14,053本の記事を書き、1349万人の読者に届いた。
また、世界No.1ブログのHuffington Postや、greenz.jpも記事を提供しているエコ系では世界一のTreehugger.comを含む17の大物ブログ(すべて世界ブログランキングTOP100に入る)が参加した。さらには、イギリスの外務大臣デイヴィッド・ミリバンドなどの大物ブロガーも記事を書いた。
さて、日本からの参加はどうだったか? 2008年9月と10月の2か月間、googleブログ検索とYahooブログ検索、Technoratiブログ検索で検索した件数はgoogleブログ検索で「Blog Action Day」で453件、「ブログアクションデー」で 95件、Yahoo! Japanブログ検索で 「Blog Action Day」で234件、「ブログアクションデー」で36件、Technoratiブログ検索で「Blog Action Day」 で730件、「ブログアクションデー」で22件という結果になった。
結果、重複もあるが、ざっと言って、500エントリーというところだろうか?
私、鈴木菜央が日本のブロゴスフィア(ブログ界)を(たぶん)くまなく見て回った結果、ピックアップした興味深いorおもしろいBlogエントリーを合計でカウントダウン形式で16本紹介しよう。今回は、前半戦!
まずは16〜6位まで。
第16位
ソーシャルな分野で活躍するアートディレクター/グラフィックデザイナー吉岡直樹さん(UNPLUG.LLC)によるUNPLUG.LLCのエントリーBLOG ACTION DAY 貧困 – UNPLUG.LLCでは、日本の貧困が徐々に進行しつつあり、「日本も相当危機的領域にはいりつつある」と書いています。
希望をなくす(ホープレス)とホームレスになるそうです。
具体的に貧困状態になくともホープレス状態というのは
けっこう多くあるのではないでしょうか。
ホープレスって社会に伝染しそうな感じですよね。
こういう社会が弱っているときにひたひたと後ろから迫る何かの気配。
「強い日本」って分かりやすいけど何も言っていないのは「美しい国、日本」と一緒。
こうして社会が弱体化したときに、ファシズムが生まれるのかもしれませんね。貧困が社会システムの変化も引き起こす、という指摘が興味深いです。
第15位
「日本酒の蔵元に嫁いできた」若葉さんによるブログ蔵元若葉印Blog * 日本酒蔵元発信は、ブログ・アクション・デー テーマは貧困と題したエントリー。
蔵元若葉印Blogさんは経済協力開発機構(OECD)が発表した、2006年版「対日経済審査報告書」(PDF)で、日本の相対的貧困率は今やOECD諸国で最も高い部類に属する」と発表したことを引用し、日本にも格差が広がっていることを伝えています。
日本って貧困率が2位(2006年)だったって知ってましたか?
格差社会が進んで、低所得者が増えた結果のようです。中でも、一人親世帯、特に母子家庭の貧困率は高いそうで。私には子供を一人で育てる母子家庭の友人が数人います。頼る両親もなく、本当に女手ひとつで子供を育てている人もいます。彼女達は決して生活楽ではないといいながらも強く前向きで明るくて。日々頑張っている人が救われる社会であってほしいなと願わずにいられません。お金ってあるところには集まっていくのに、ないところからはどんどん吸い取られているように感じてなりません・・・
第14位
フリーライター篠原修司さんが運営するニュースサイトデジタルマガジンでは、【Blog Action Day】クリックで命を救おう!7つのクリック募金サイトと題したエントリーで、日本の代表的クリック募金サイトを7つ、コメント付きで紹介しています。
1.dff.jp
2.イーココロ!
3.KDDIクリック募金 キボウのカケラ
4.みんなの支援で明るい未来を – JWord クリック募金 –
5.ECナビ募金
6.分散設置型クリック募金DONATION.JP
7.Happy Rice ~ 漢字を勉強しながら寄付をしよう! ~
こういったまとめサイトもわかりやすくていいですね。
第13位
Sifowとしても活躍する「ギャル」であり、シホ有限会社G-Revoの代表藤田志穂さんのブログ★☆ギャルの革命☆★のエントリーから、昨日は「Blog action day」〜☆と題したエントリー。ギャル語で貧困について書いているのが、新鮮ですね。今回は参加した人はいますか?という投げかけに留まったが、彼女のような人物に取り上げられたのは、いいこと! ギャルたちにとっても、日本の格差社会というのは近くにあるものだと思うし。日本をポジティブに変える可能性を秘めた彼女たちのパワーに期待して紹介。
みなさんこんにちはっ! そー言ぇば、昨日10月16日は「Blog action day」ってゅー日だったみたぃですねっ♪
『Blog Action Day』は、世界中のブロガーや、ポッドキャスター、ビデオブロガーが、年に一度、同じ日に同じ話題について取り上げるネットイベントだそーです(ノ´∀`*)昨年は2万以上のブログが参加して、今年は昨年以上の広がりが期待されてぃるとか。。。ブログを始めて3年以上が経っとゅーのに初めて知りましたっ(゚Д゚;) みなさんの中で参加された方はぃますかぁ〜??
第13位
greenz.jp編集長もRSS購読している「シロクマ日報のエントリーは、格差が拡大し、治安も悪くなりつつある日本において、門で閉じられたゲーテッドコミュニティが増えていることを伝えています。その違和感はどこからくるのか、どんなところに問題があるのかを考えながら、「社会問題は解決が難しくなる一方なのではないか。そんな危惧を感じます。」と締めくくっています。これもひとつの貧困問題と言えるかもしれません。
第12位
「国家公務員一般労働組合(国公一般)の活動をしている仲間のブログ」すくらむでは、ノーベル賞連発で浮かれてる場合じゃない~ワーキングプアが支える日本の科学・技術の貧困と題したエントリーで、日本が小泉改革の一環で導入した経済・実利優先の方針が、基礎科学・技術をやせ細らせていると指摘しています。基礎科学をおろそかにすることは、日本の未来の可能性を狭めることになる、という主張です。興味深い部分を引用。
また、「高学歴ワーキングプアは発言する~『大学非常勤講師の実態と声2007』を手掛かりに」(『季刊ピープルズ・プラン』2008年夏号掲載。首都圏大学非常勤講師組合執行委員の南雲和夫さんが執筆。※じつは南雲さんは私の大学の先輩です)では、「大学の非常勤講師は、全国に3万人以上いて、平均年収が300万円程度であり、そのうちなんと4割が年収250万円以下であること、さらに大学講義のコマ数の4割を担っていること」を明らかにしています。なんと、日本の大学講義の4割を、「高学歴ワーキングプア」が担っているのです。この現実を「科学・技術・学問の貧困」と言わずしてなんと言うのでしょうか。日本は、ノーベル賞連発で浮かれている場合ではありません。
そして、こうした状況も反映して、日本社会で、子どもたちの「理科離れ」が進んでいます。文部科学省の国際比較調査(2003年)によれば、「学校で理科をもっと勉強したい」とか「理科を使うことが含まれる仕事につきたい」という意欲は、日本の中学生では17%しかなく、国際平均値57%の3分の1にも満たない状況になっているのです。
このような「貧困」の原因は、高等教育への公財政支出が極端に低いことにあります。下の表は文部科学省のホームページに掲載されている「国内総生産(GDP)に対する学校教育費の比率」ですが、日本の「高等教育」に対する公財政支出はOECD30カ国中で最下位。OECD各国平均1.0%の半分の0.5%にすぎないのです。(byノックオン)
と書いています。これは驚きですね。未来の子どもたちが希望を見いだせない国は、どこに行くのでしょうか? 私も子どもがいるだけに、心配です。
第11位
「Web屋, Webプロデューサー」として仕事をしながら、Web屋の“楽しい”社会貢献を考える「WebSigエコ&ピース“>代表やもつとめる中野 宗(なかのはじめ)さんが運営するブログdu pope : NAKANO Hajime’s BlogのエントリーBlog Action Day:環境経済学で考えてみる食べ物と地域の「貧困」の話は、書籍「思いやりはお金に換算できる!?」(著:有路 昌彦)を読み、貧困問題と繋げて考えてみたエントリー。食糧難に、私たち日本人が大きく関わっていると書いています。
「第三章 絶対的食糧難はもう始まっている」では、世界の水産資源が同時多発的に枯渇してきたこと、そしてそれに“貢献”しているのはぼくたち日本人で、「いやホントに、日本人は自分では意外と知りませんが、世界の魚を枯渇させていっているという点では『極悪』だと思いますよ、残念ながら」(97ページ)とさえ言っています。これはなかなかショッキング。
もうひとつ「貧困」との関わりで見ておきたいのが、「第五章 超・高コスト社会から『イチ抜けた』するために」という章。
この章では主に、社会関係資本(人と人とのつながり)を増やすことで社会コスト(安全、教育、医療にかかるお金)を下げようと主張しています。たとえば「おじいちゃんのウロウロは社会コストを下げる」。元気なお年寄りが外に出て花を植えたり、散歩をしていたりすることには防犯効果があり、警察のコストを減らせる。ゴミの分別をする、ゴミをつくらないことはゴミ処理のコストを減らす。結局のところ「サイフはひとつ」(160ページ)であり、コストが浮けば、税金でよりよい別のサービスが受けられるようになる、というわけです。
個人のお財布と社会の財布はつながっている。実際のところ、「サイフはひとつ」であり、これまで経済的になんらお金を生まないとして本来の価値を見いだされてこなかった人々の「つながり」を取り戻すことが、必要だという指摘が非常に興味深い。
さて、ここからがTOP10です。
第10位
毎度パワー全開のビデオジャーナリスト神田敏晶さんによるKNN(CNNじゃありませんよ。神田ニュースネットワークです(笑))にて、 「貧困」ブログアクションデー 15th Octoberと題したエントリーはショッキングな内容。
ファンドレイジング(募金集め)が非常に盛んなアメリカで、寄付した金額のうちほんの一部しか本来の募金にならない現状について、ロサンゼルスタイムズ紙などを引用しながら書いている。また、日本の現状も調査し、募金活動における空気抵抗をなるべく減らす努力をすべきではないかと提案している。そもそも、寄付をトラッキング(追跡)できるようにするべきではないか? と提案し、その解決策として、マイクロファイナンスを挙げている。KNNの記事より、興味深い事例を(ちょっと長いけど)抜粋。
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー夫妻は、パパラッチに追いかけ回されたりするくらいならと子供の写真を、410万ドル(約4億5千万円)で販売し、この収益の全てユニセフを通して寄付した。
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー夫妻は、パパラッチに追いかけ回されたりするくらいならと子供の写真を、410万ドル(約4億5千万円)で販売し、この収益の全てユニセフを通して寄付した。
募金ビジネスの寄付代行業者(ファンドレイザー)ファクター・ダイレクト社などの暗躍ぶりも目立つ。
ワシントンの、政府のムダを告発する市民の会「CAGW(Citizens Against Government Waste)」にこの10年間に、キャンペーンなどの寄付で集まった87万9000ドル(9670万円)のうち、CAGWに渡ったのは、なんとその6%である4万9000ドルにしか満たなかったという。かかった経費もあるが、善意の寄付金の94%はどこに行ってしまうのだろうか?
慈善団体の取り分は、寄付総額の20%以下というケースも多々あると、ロサンゼルスタイムズ紙がレポートするとクーリエジャポン2008年10月号P.38
米国人の寄付金は毎年2300億ドル(約24兆5300億円)に達し、現在、カリフォルニア州だけで登録プロのファンドレイザーは、300社を超え、米国の慈善団体NPOは、190万団体。150人に一つのNPOが存在している。またNPO法人のためのプロのファンドレイザーの養成工場もあるそうだ。ファンドレイザーのすべてが、そのような訳ではないだろうが、透明性を考えると、州法によって定められている業績を提出する義務だけでなく、寄付金の上限マージンも設定する必要がありそうだ。
もしかするとと、寄付をしても、そのうちの半分以上が寄付に使われていると思っておいたほうがいいのかもしれない。
そういえば、とある寄付金を届けにいった大手慈善団体では、豪華なオフィスに、すべて天下りらしき人たちが、新聞を読んでお茶を飲んで、若い事務の女性がいるだけのように見えた。彼らの賞与や給与や恩給は、寄付をしたつもりの資金が流れているとしか思えず、寄付の持って行き先をついつい変えたくなったことを思いだした。
ユニセフの場合は、2007年度、175億円が集まり、81%(141億7500万円)が本部に渡され、19%(33億2500万円)を日本国内での募金活動費、啓発宣伝費、管理費(2%=3億5000万円)等、事業経費や緊急支援時のための積み立て金に当てられている。
寄付の20%は寄付ではなく、運営費用のために使われている。
そして、本部は、2007年度の総収入は30億1,300万米ドル(3103億3900万円)で、日本の出資比率はたったの4.5%にすぎない。
2007年度のユニセフ総支出額は、27億8,200万ドル(約2865億4600万円)
そのうちの26億7,300万ドル(96.1%)がプログラム協力費
9,400万ドル(3.4%)をユニセフの管理・運営費
約1,500万ドル(0.5%)が損金その他の支出また、プログラム協力費のうち、25億1,700万ドルが直接プログラム支援
1億5,600万ドルが事業管理費という内訳だ。ユニセフ本部の運営管理費が、3.9%以下であることを考えると、日本も5%程度に押さえることができれば、あと15%(26億2500万円)捻出でき、日本の出資比率は、5.41%に増える。
26億2500万円は、運営努力ができるところではないだろうか?しかも毎年だ。日本ユニセフ協会は、2001年、寄付金25億円で港区に、協会ビル「ユニセフハウス」(地下1階、地上5階建、延べ床面積1100坪)を建設している。さらにもっと言及すると、その寄付されたことで、本当に貧困がなくなっているのかどうかも、ボクたちには検証する術がないのである。
寄付に対してのトラッキング手法が必要なのではないだろうか? 善意の寄付が食い物に成っているとは思いたくないが、明確に、貧困に対するソリューションとなる手応えがただ、単に欲しいのだ。寄付に対する、第三者的機関やいろんなところが、管理監督するポジションがなければ、善意の寄付が途中の空気抵抗で目減りしているような気がしてならない。
マイクロファイナンスによる手法は、そんな寄付の目減りを、小口融資ということで、「見える化」できるひとつの方法だと思う。
第9位
ALPHA LABELは、NPO法人ほっとけない世界の貧しさの貧困について – 世界の貧困について知るページを引用しながら、「貧困」とはその状態から抜け出せないことも含む、と書きます。貧困の構造的問題を解決するために、「お金を与えるだけでなく、生活を改善する方法を教える」方法として、「マイクロファイナンスを通じた、個人レベルでの「見える貧困対策」」——Kiva.orgの紹介をしています。
寄付金の使われ方が見えない所に寄付するよりは、きちんと使われ方が見える所に提供したいものです。
「貧困」の実情を「知る」こと、そして寄付などの行動をするだけでなく正しい使い方を「教える」こと、そして寄付活動の成果をきちんと「知る」こと、さらにより良くすための方法を「教える」こと、この活動の連鎖が世界から「貧困」をなくす物になるのではないかと思います。
まず私たち一人一人が正しく「知る」こと、そして行動することから始まります。
第8位
ラジオショッピングの商品紹介担当だったがわけあって会社を退職、苦労しながらも再起を目指す毎日をつづるnamidaさんのブログふたたびnamidaでは、窓のない部屋~ブログアクションデーに寄せて~。と題したエントリーで実体験を交えて、家がないこと、不安のなかで生きて行かなくてはいけないことのつらさ、そして大阪のミナミで起きた個室ビデオ火災事件について語ります。貧困って、金がない、ということだけでなく、自分自身とか、家族とか、寄って立つものがない感じなのかも、と思いました。なんかとてもせつなくなるエントリーです。
仕事をしていく上で、「家」って、けっこう大切。
私はたまたま、親類の家の離れを使わせてもらう事が出来たが
落ち着くまでの間は、普段にも増して
仕事が手についていなかったはず。
自分では普通に仕事をしているつもりでも、
やはり、力は発揮しきれないもののようだ。あと。
犯人も供述の中で悔いているようだが
くれぐれも、借金で絶望しないで。今は相談に乗ってくれる弁護士事務所とかたくさんあるし。
親とか、身内には話しにくいってことは
(自分も経験者だからよくわかるけど)
誰かに打ち明けた方が、問題は解決の方向に
間違いなく進むから。
自分が嫌になった、死のう…とか思っても
どうせ一人だから、って思っても
それは必ず誰かを悲しませ、迷惑をかけるから。大切な人はいますか?
私にはいますよ。
両親、友達、ネット仲間、仕事先の皆さん、
ラジオのリスナーさん、商品買ってくださったお客様・・・。今はちょっと辛い時期ですが、
周りの人たちからもらった、人生再生のチャンス
大事に生かしたいと、毎日一生懸命です。個室ビデオとかでつぶせる時間なんて、無くなってきました・・・。
頑張れるところまで頑張ってみます。
第7位
「マーケティング関係に身を置いてもう25年」というベテラン・マーケッターyoichiさんのブログ広告大臣は番外編:ブログ・アクション・デー2008 今日は世界中のブロガーが貧困にモノ申す日 というエントリーで、世界の貧困と日本の貧困は、実は共通点があるといいます。経済が貧困層を利用してビジネスをしている構図が変わらない限り、世の中はよくならない、ということを指摘しています。その解決策として、「スモールビジネス」を挙げています。とても興味深いのでまとめて引用。
世界のどこかで飢餓に苦しむ人たちと、日本のネットカフェ難民のような人たちでは、一見、まったく異質のように思えますが、実は大きな見えない力の犠牲者であるという意味では非常に共通しているのではないかと思っています。
貧困雇用ビジネス
その見えない力とは「貧困層雇用ビジネス」です。
どんな悪条件であってもその仕事をしなければ生きていくことさえできない、という弱点に付け込んでギリギリの賃金によって常に自転車操業状態に追いやっておく、というのがこの「貧困層雇用ビジネス」のビジネスモデルなのです。
例えば、以前のブログでご紹介したiLife – グリーンピースのアップルに対する抗議運動もその一つなのです。格差社会を意図的につくり、富裕者層の絶対的地位を確保しようとするこのような現在のビジネスシステムのままでは、世界中の心ある人たちがどんなにボランティアをしても、寄付をしても、そして開発援助をしても、残念ながら何も改善・解決はできないように思います。
ひとつ、可能性があるなぁ、と思ったのがだいぶ前に読んだこちらの本、ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略に書かれている、慈善をかざさない、ごくごく当たり前のスモールビジネスの発想でした。
なんか江戸の街ってこうだったんじゃなかろうかと思ったりもしました。ご興味のある方は読んでみてください。きっといろんなことに気づかされますよ。
そういえば、森永卓郎が雑誌で「経済格差は小泉構造改革の『副産物』ではない。それが『目的』であった」と書いていました。(字面は覚えていません。不正確かも)。yoichiさんの指摘はそれを一歩進め、格差が広がっているから貧困が起きるのではなく、経済システムが貧困をひとつの構成要素として必要としているのだ、という指摘。だとすると、私たち消費者にも、実はけっこうな責任があるのかもしれません。だって、安い商品を買いがちですよね? すごく考えさせられました。
第6位
「国家公務員一般労働組合(国公一般)の活動をしている仲間のブログ」すくらむでは、ノーベル賞連発で浮かれてる場合じゃない~ワーキングプアが支える日本の科学・技術の貧困と題したエントリーで、日本が小泉改革の一環で導入した経済・実利優先の方針が、基礎科学・技術をやせ細らせていると指摘しています。基礎科学をおろそかにすることは、日本の未来の可能性を狭めることになる、という主張です。興味深い部分を引用。
また、「高学歴ワーキングプアは発言する~『大学非常勤講師の実態と声2007』を手掛かりに」(『季刊ピープルズ・プラン』2008年夏号掲載。首都圏大学非常勤講師組合執行委員の南雲和夫さんが執筆。※じつは南雲さんは私の大学の先輩です)では、「大学の非常勤講師は、全国に3万人以上いて、平均年収が300万円程度であり、そのうちなんと4割が年収250万円以下であること、さらに大学講義のコマ数の4割を担っていること」を明らかにしています。なんと、日本の大学講義の4割を、「高学歴ワーキングプア」が担っているのです。この現実を「科学・技術・学問の貧困」と言わずしてなんと言うのでしょうか。日本は、ノーベル賞連発で浮かれている場合ではありません。
そして、こうした状況も反映して、日本社会で、子どもたちの「理科離れ」が進んでいます。文部科学省の国際比較調査(2003年)によれば、「学校で理科をもっと勉強したい」とか「理科を使うことが含まれる仕事につきたい」という意欲は、日本の中学生では17%しかなく、国際平均値57%の3分の1にも満たない状況になっているのです。
このような「貧困」の原因は、高等教育への公財政支出が極端に低いことにあります。下の表は文部科学省のホームページに掲載されている「国内総生産(GDP)に対する学校教育費の比率」ですが、日本の「高等教育」に対する公財政支出はOECD30カ国中で最下位。OECD各国平均1.0%の半分の0.5%にすぎないのです。(byノックオン)
と書いています。これは驚きですね。未来の子どもたちが希望を見いだせない国は、どこに行くのでしょうか? 私も子どもがいるだけに、心配です。
次回はいよいよTOP5の発表です(独断ですが)。お楽しみに!!