1970年9月18日、ジミー・ヘンドリックスが死去した。その翌日に初めて開催され、今なお続いているイギリスの野外音楽フェス、『Glastonbury Festival』をご存じだろうか?
『Glastonbury Festival』は、数々の野外音楽フェスが開催されている今でも、世界最大級の規模を誇る。その広さ、なんと900エーカー! といっても、あまりピンとこないかもしれないが、これは、東京ドーム約78個分、または、東京都千代田区の約3分の1に相当する。とにかくすごい広さである。
その様子を収めた動画は下記に。
今年6月、この広大な会場に、高さ7メートルのオレンジ色のテントが現れた。『REcharge pod』と呼ばれる携帯電話充電施設だ。この施設は、電線にはつながっていない。その代わり、てっぺんに、太陽発電用のパネルと、風力発電用のプロペラがついている。そして、1時間に100台の携帯電話を充電するだけの発電力(最大発電力1kW)を持つ。
『REcharge pod』は、Orange社(通信業者)とGotWind社(再生エネルギー技術開発業者)の共同開発によって生み出された。この2社は、昨年にパートナーシップを組んだばかりなのだが、今回の『Glastonbury Festival』では、共同開発の産物が、もう1つ紹介された。
Dance Charger で踊って充電
Photo by Orange UK/Nathan Gallagher
この発明品、役割は『REcharge pod』と同じだが、サイズはうんと小さく、重さも180グラムしかない。『Dance Charger』という商品名を聞くと、どういうものか、なんとなくイメージできるだろうか。上腕部に巻いて踊ると、腕を動かす動力で発電するという携帯電話用充電器である。その仕組みは、自動巻き上げ式の腕時計と似ている。まだ商品化はされていないものの、GotWind社によると、これを腕につけて1時間踊り続ければ、NokiaN95で約15分間の会話ができるだけの電力が充電できることが、実証済みだという。
この記事を読んでいて、ふと、日本で開催されている野外音楽フェスには、携帯電話の充電ができる設備はあるのかな、と気になった。ネット検索してみたところ、そのような設備はないものの、ap bank fesのウェブサイト上で、ロゴ入り携帯ストラップとして販売されている小型太陽パネル付き充電器を見つけた。ACアダプターからも充電できるすぐれものだ。太陽光からの充電には、ちょっと時間がかかりすぎるかもしれないが、太陽の下で音楽を楽しんでいる間に、着実に、エコに、充電できる。さすが、ap bank!
規模の差こそあれ、海外でも日本でも、野外音楽フェスではエミッション・フリーに携帯電話の充電をするのが当たり前、というエコな時代が到来しそうだ。