何かがはじまるきっかけは、いつも小さなできごとからでした。
「グリーンズ作文の学校」第2期に通い、greenz.jpライターになった私が、グリーンズで何を学び、どんな未来を思うのか。そもそもどうしてライターという仕事を選んだのか、少しばかりお話したいと思います。
まだまだ未熟者ですが、よかったらお付き合いください。
出会いから7年目で、ようやく扉をノック。
「グリーンズ作文の学校」で学んだこと。
「ほしい未来は、つくろう」というコピーに何度も励まされ、ずっと読者として大好きだったgreenz.jp。私が、その扉をノックしようと決めたのは、あるgreenz.jpライターさんの存在がありました。
2017年の夏、フリーランスのライターとしてぼちぼち仕事をいただいていたものの、ときには自分の表現力のなさにもどかしさを感じることも。会社員のときのような、人間関係の気疲れや、毎日追われるようなストレスこそないものの、自分で自分の道標を示してあげないといけないので、何か次のステップとなるような足がかりがほしいと、悶々としていた頃でした。
ちょうどこちらの連載で、ライターという仕事について池田美砂子さんが書いているコラムを読んだのですが、それがまさに自分の悩んでいることを全面に勇気づけてくれる内容で、いてもたってもいられず感謝の気持ちを込めてご本人にメールを送りました。すると、丁寧に返信をくださり、そこにはグリーンズ作文の学校の案内が…。これも何かのご縁だと、作文の学校に申し込みをしたのです。
そうして、出版社や編集プロダクションで下積みをしたわけでも、企業のウェブライターとしてごりごり書いてきたわけでもない私は、グリーンズ作文の学校で初めて「書くこと」を学びました。
全部で16人のクラスメイトは、20~40代でバックグラウンドも様々!
「書くこと」に興味をもって集まった仲間たちの中には、ライターや翻訳をしている人や、NGOの広報担当、ママさん、海外移住予定、カメラ好き、旦那さんが外国人、大学生、パティシエさんなども。この場でなかったら出会えなかった実に個性豊かな顔ぶれで、毎回とっても楽しく授業を受けていました。
クラスでは、毎回3~4人に分かれてグループワークを行い、ひとりひとりに発言する場があるので、ただ先生が話しているのを聞くだけの講義タイプの授業よりも、ずっと濃くて充実した時間が過ごせます。
全6回の作文の学校で、私はこんなことを教わりました。
・共感ポイントがいくつかあるとき、その中で何をいちばん伝えたいのか、軸を決めたうえで書く。
・正しさという落とし穴。どうコピーで読ませるか。(by 丸原さん)
・あったらいいな、うらやましいで終わらせない。あなたにもできるよと思わせること(by 池田さん)
作文の学校を卒業後、講師のコウタさんのおかげで、greenz.jpライターの仲間入りをさせてもらった今、greenz.jpのようなインタビュイーの想いの根底を届ける記事を書けるようになること、そのためにも、大切な想いをしっかりと受けとめられるインタビュアーになることを目指して勉強中です。
同期のみんなも卒業後、それぞれに新しい道を歩んでいるようで、今でもたまにゆるりと集まって、良い刺激をもらっています。
書くことを通して、日本と世界のすてきな暮らしのアイデアを届けたい。
私はふだんはフリーランスで、ウェブや雑誌などで、食やライフスタイル、ものづくりに関する取材・執筆をしていますが、これから追いかけたいテーマのひとつに、「日本と海外の両方の視点で、ライフスタイルや暮らしの心地よさを考えていきたい」という思いがあります。
これは自分のルーツとも深くつながっているところですが、子どもの頃に家族とフランスのパリに住んでいたことがあり、帰国後も2〜3年おきにくらいに行っているので、親戚のような付き合いをしてる家族や友人もいて、自分にとっては第二の故郷のような存在です。
いろんな人種がいて、肌の色も目の色も、母国語も文化も違う人たちが集まっている街だから、人それぞれ違って当たり前。しあわせの形も十人十色。
日本に比べると、街や地下鉄は汚いし、店員は無愛想だし、ストライキで交通機関が止まっちゃうこともしょっちゅうだし、不便さに愕然とすることもあります。それでも、個人の自由が大切にされる文化や、多様性が浸透している社会、何歳になっても人生を謳歌しようとする国民性は、フランスのすてきなところだなと思います。
そして、そんな風に日本の外の世界を知ることは、人生の岐路に立ったときに、何度も私自身の力になってくれました。
人と比べたり、人からどう思われるかよりも、自分の好きなことを思いっきりやって、好きな自分でいられることの方がずっと豊かだと心から思えるようになったのは、生まれ育った東京を離れて、海外で過ごした日々のおかげです。
そんな背景もあり、いつだって日本国内だけでなく、広い世界に視野を向けていたいと思っています。
私にとって、書くことは、誰かにとっての大切な思いに寄り添って、ひとつの物語に紡いで、読者に贈ることです。あまり陽の目を浴びないようなところにも、小さな光を当ててあげることで、どこかの誰かの小さな希望になったり、心をぽっと温かくすることができたらなと思っています。
人とのつながりが、仕事をつくってくれた。
やっと見つけた、私らしい働き方。
一方でじつは私、編集者やライターを目指していたわけではありません。今、書くことを仕事にしているのは、たまたま小さなタイミングが重なっただけという、ただの“なりゆき”なのです。
大学の仏文科を卒業後は、都内でウェブ制作の仕事に5年間ほど携わっていました。その後、縁があって北欧のフィンランドで1年間を過ごすことに。
東京の街とも、昔家族と暮らしたフランスのパリともまったく違う、自然とのつながりや、仕事と暮らしのバランス感覚をとても大切にするフィンランドの人たちの健やかな暮らしを垣間見て、ものすごく驚きと感動がありました。「私もこんな暮らしを日本に帰ってからも実践したい」と、自分のなかの可能性が大きく広がった経験です。
そして、私がライターとして働き始めたのも、その頃のことでした。
会社員ではない生き方がしたいなと漠然と思いながらも、何をしようか決めかねていた頃、フィンランドから一時帰国していたときに「ライターの仕事をしてみない?」という昔の職場の先輩からのお誘いが。
それは単発のインタビューの仕事だったのですが、そのときの原稿を担当の編集者が気に入ってくださり、そこからゆるゆると定期的にお仕事をいただくようになった、というのが、私のライターデビューのきっかけです。
それからは、別の友人の紹介で、女性誌に執筆をしたり、企業サイトのブログ運用やコンテンツライティングの手伝いをしたり、友人のお店のウェブサイトやショップカードをつくったりと、友人のつながりで頼まれたことを手伝っているうちに、少しずつ仕事らしくなっていきました。
今ではたまに、地方に取材旅行をさせてもらえることも。ほんとうに、ありがたいことです。
“好き”を追いかけながらも、なかなか自分にしっくりくる会社を見つけられなかった私にとって、フリーランスの書き仕事は、やっと見つけた、自分らしくいられる働き方でした。
何度も立ち止まっては、寄り道もしたけど、こうしてライターになった今、いままでの経験や趣味、感性など、小さな点だらけで散らばっていたものが、少しずつ線につながって、いきているのを実感しています。
こんなに私の人生に寄り添ってくれる仕事はなかなかないのでは?
グリーンズ作文の学校で学び、greenz.jpに関わるようになって、その気持ちがますます強くなりました。
あなたには、どんな伝えたい想いがありますか?
次は、あなたがその想いをぶつけてみませんか?
まっすぐに受け止めてくれる仲間たちが、きっとグリーンズの学びの場にはいるはずです。
– INFORMATION –
月間30万人が訪れるgreenz.jpの副編集長スズキコウタによる「グリーンズ作文の学校」。greenz.jpに掲載する全記事の校正に関わる副編集長が講師をつとめる本ゼミクラスは、これまで全期満員御礼、総受講者数100名突破、地方から開催要請もある人気ぶり。この度、豪華ゲスト講師を迎えて、第5期の申し込みをスタートします! お申込みはお早めに!
http://school.greenz.jp/class/sakubun201809/