一人ひとりの暮らしから社会を変える仲間「greenz people」募集中!→

greenz people ロゴ

スマホを動かしたければ、身体を動かせ! 19歳の起業家がつくった、携帯型充電器「HandEnergy」

気がつくと、スマートフォンの電池の残業が20%を切っている。

どうしよう、今日は充電器も携帯バッテリーも持っていない…。
そんな時、どうしようもなく不安になる人は少なくないのではないでしょうか?

そんな充電切れの不安を解消するのが、自分の身体だけでクリーンなエネルギーを生み出せる携帯充電器「HandEnergy」です。

「HandEnergy」は一般的な携帯充電器と同じく、USBポートが1つ付いています。ただ違うのはその充電方法です。

手のひらサイズの本体を、手首のストレッチくらいの速度でくるくると回すと、中に入っているジャイロが高速回転し、バッテリーに充電されはじめます。手で一回しする度にローターのスピードが上がり、より多くのパワーを生み出せるのだとか。

その回転数は、1分間に5000回にもなるそう。事前に電源に挿して充電しておく必要はありません。

充電器である「HandEnergy」のバッテリーを満タンにするのにかかる時間は、40分から1時間ほど。バッテリーは1000mAh(ミリアンペアアワー)なので、スマホを1度満充電できるぐらいの容量になってます。

スマホだけでなく、USBで充電できる音楽プレーヤー、タブレット端末やアクションカメラ、スピーカーにも対応。それらへの充電スピードは、コンセントに挿す場合と同程度だそう。もちろん手を動かして本体バッテリーへ充電しながら、各機器への充電もできるそうですが、その場合は充電速度が30%ほど落ちてしまうのだとか。バッテリーの容量や充電速度は、今後の改善を期待したいところですね。

手首を回す充電の速度に合わせて車が動くカーレースゲームなどもあり、遊びながら充電ができるそう。

そんな「HandEnergy」の開発者は、ベラルーシのMisha Vega(以下、ベガさん)。なんと若干19歳の起業家です。ベガさんが「HandEnergy」のアイデアを思いついたのは、2014年の夏。きっかけは、ベガさん自身が毎日夕方になると、あわててスマホの充電していたことでした。そして同じ問題を周りにいる多くの人が抱えていると気づきます。

何度か試作品をつくった後、2016年夏にヨーロッパの15都市をまわり、街の人に「HandEnergy」を実際につかってもらうテストを敢行。多くの人から好評をもらい、2016年11月、満を持して「Kickstarter」でクラウドファンディングをローンチ。集まった金額は、なんと850万円以上! 2017年の3月から99ユーロで発売されることも決まりました。

筋肉の力を電気に変えることができるのかを確認するために、数十種類のテストをしたそう。

ベガさんは、こう言います。

私たちは人々のバッテリー切れの恐怖から解放し、少なくとも緊急時の電源だけは確保できるようにしたいです。またそのエネルギーが、環境に有害な石油などを使わないクリーンエネルギーであるということに情熱を持っています。

将来は「HandEnergy」で、発展途上国の人々のエネルギーを確保しにくい状況を解決したいですね。彼らがスマートフォンでインターネットや教育にいつでもアクセスできるような世界、それが理想です。

ベガさん

普段の生活だけではなく、なかなか電源を確保しにくい海外旅行、屋外イベントやキャンプなどのアウトドアにも使える「HandEnergy」。災害の時に1台あれば、家族間の連絡なども安心ですね。

エコフレンドリーだけど便利な「HandEnergy」の発電体験は、電気を”使うだけのもの”から”実は自分たち生み出せるもの”なんだと、日常生活の中で気づかせてくれそうです。

[via HandEnergy,Kickstarter,Indiegogo,Metro News]

わたしたちエネルギー」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクト。経済産業省資源エネルギー庁GREEN POWER プロジェクトの一環で進めています。エネルギーを減らしたりつくったりすることで生まれる幸せが広がって、「再生可能エネルギー」がみんなの“文化”になることを目指しています。