先日パリでは、同時多発テロによって尊い130人の命が奪われる悲しい事件が起こりました。
最先端ファッションや流行の発信基地であり、観光地としても有名なパリ。テレビでよく見かける煌びやかなイメージとは懸け離れた、その殺伐とした事件の様子に、衝撃を受けた人も多かったのではないでしょうか。
しかし、アメリカのシンクタンクPS21の統計によれば、シリアやイラク、アフガニスタンなどで起こっている戦争や紛争で命を落としている人は1日約450人。パリの事件の約3倍の人数が毎日命を落としているそうです。
日本人の私たちにとっても、テロや戦争の脅威は決して他人事とは言えません。人々の生活に暗い影を落とす戦争や紛争。果てしなく止まらないこの憎しみの連鎖を終わらせるために、私たちは何ができるでしょうか。
そこで今回は、“対立”と“平和”をテーマに、人とのつながりが凍った心を溶かし世界を変えていこうという事例をまとめてみました。
友だちと世界平和の関係が垣間見えるサイト「Peace on Facebook」 by 的野裕子さん
Facebookが5年以上前にスタンフォード大学が推進する世界平和ムーブメント「Peace Innovation」の一環としてつくったのが「Peace on Facebook」という世界平和に関するウェブサイト。
このサイトにアクセスすると、「イスラエルとパレスチナ」「アルバニアとセルビア」「インドとパキスタン」「ギリシャとトルコ」など、歴史的に対立関係にある国や地域の人たち同士が、先週1週間で何人Facebookで友達になったかを教えてくれます。
「どんなに国同士が対立関係にあったとしても、私たちには世界中誰とでも友達になる権利があるはず!」そんな思いが感じられるウェブサイトです。(⇒続きは、こちら)
自動販売機で心を一つに。政治対立する2カ国をつなげた「Small World Machine」 [あったかテクノロジー] by 阿部星渚さん
歴史的に対立してきたインドとパキスタンは、今でも国境地帯に多くの問題を抱えています。たとえすぐ近くの隣町に住んでいてもインド人とパキスタン人である彼らは、直接会うことも話すこともできないのです。
そんな彼らの元に現れた自動販売機「Small World Machine」は、それまでお互いの姿さえも目にしたことのなかった両国の人々が幸せを分かち合うことを可能にしました。(⇒続きは、こちら)
憎しみの歴史を乗り越える、世界一の握手。トルコとアルメニアをつないだ「The Longest Handshake」 by 丸原孝紀さん
次に紹介するのは、苦難に耐えながら共に支えあう姿を通して世界中に感動を巻き起こした、対立するトルコとアルメニアの男性の物語。
彼らは、握手という誰にでもできるシンプルなアクションに特別な想いを込めて挑戦しました。そして、その挑戦に多くの人が心を動され、両国が大きなステップを踏み出すことにつながったのです。(⇒続きは、こちら)
国と国は難しくても、人と人ならつながれる!”熱い思い“で日本と中国をつなぐ「日中市民社会ネットワーク」 by FelixSayakaさん
中東から離れた東極の島国である日本に住んでいても、対立や争いという言葉は決して無縁なものではありません。ヘイトスピーチや反日活動など、争いの種になりうるものはいつもすぐそばに潜んでいます。
日中市民社会ネットワークは、スタディーツアーを通して、社会をよくしたいと思う人々をつなげる活動をしている団体です。国同士のつながりは難しくても、一度強い思いでつながった人々の絆はそう簡単には消えていかないはず。
あなたも、国境を超えた熱い仲間を見つけてみませんか?(⇒続きは、こちら)
対立がある場所にこそ、対話が必要! 本当の平和とは何かを探る、ヨハン・ガルトゥング博士と安倍昭恵総理夫人による「積極的平和」対談 by 谷崎テトラさん
平和学の第一人者で、世界的に「平和学の父」として有名なヨハン・ガルトゥング博士と、日本のファーストレディーとして活動する安倍昭恵総理夫人による対談です。
対話や共同を通して国際紛争の仲介経験を持つガルトゥング博士と、アジア諸国で子供たちへ学校建設を行うなど国際協力活動にも従事されてきた安倍昭恵総理夫人。それぞれの視点から考える、それぞれの本当の平和=積極的平和(ポジティブピース)とは?(⇒続きは、こちら)
日常的に身の危険を感じることの少ない私たちは、「戦争」や「対立」といったような言葉は少し遠い存在に感じてしまうかもしれません。
でも、些細なことで友だちと喧嘩別れしてしまった、ちょっとしたすれ違いから誤解が解けなくなってしまった、という経験に身に覚えがある方もいるのではないでしょうか。実は注意深く見てみると、様々な争いの種は私たちの生活の中にも息を潜めて隠れているように思います。
そんなときに私たちができるのは、想いをシェアし、ポジティブな共感の渦を広げていくこと。テクノロジーを使って画面越しに笑い合ったり、握手や対話を通して苦しみを分かちあったり。私たちひとりひとりが相手を思いやり向き合うことが、あらゆる規模の対立を解消するファーストステップなのではないでしょうか。
(Text / Curator: 江頭由佳)
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