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公共空間の使い方が鍵だった!英「エコノミスト」誌に3年連続”最も暮らしやすい都市”に選ばれたメルボルンの魅力とは? [Livable City Guide]

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シリーズ「Livable City Guide」では、こんな街で暮らしてみたい!と思わせるリバブルな都市を紹介していきます。さまざまな都市の事例を知ることで、私たちが暮らしている街を今までとは違った視点で見つめ直してみる、インターン細貝さんのMY企画です。

みなさんにとって、住みたい街の条件は何ですか?都心へのアクセスのしやすさや、治安のよさなど、重視する点は人それぞれかと思います。

今回ご紹介するのは、オーストラリアの都市、メルボルン。オーストラリアの大都市と言えばシドニーがすぐに思い浮かぶかもしれませんが、メルボルンはそれに次ぐ第2位の人口(約348万人)を抱える都市です。

経済やビジネスの中心地であるシドニーと比べると、メルボルンは歴史的な建造物や文化の残るゆったりとした街なのが特徴です。

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そんなメルボルンは今年8月に発表された、イギリスの「エコノミスト」誌が選ぶ「世界で最も暮らしやすい都市」で、3年連続1位を獲得しました。この調査は治安、インフラ、医療、教育、文化など30のチェック項目で都市の住みやすさを判定したもの。ちなみに今年のランキングには2位にウィーン、3位にはバンクーバーが選ばれています。

それでは、メルボルンの暮らしやすさの秘訣はどんなところにあるのでしょうか?実はそこには、メルボルンの公共空間の工夫がありました。

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メルボルンの再生事業を手がけたゲールさん

1980年代のメルボルンは、急速な都市開発を行なってきたために、中心部では車の渋滞が、郊外では急速な荒廃が社会問題となっていました。

そこで市は1993年に、建築家でありアーバンデザイナーであるJan Gehl(以下、ゲールさん)を招き、「パリのような大通りがあり外食したくなるような街、ローマのような公共の広場がある街」をテーマに、メルボルンの都市開発は始まったのです。

市民の憩いの場「Federation Square」

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まずは広い公共広場のなかったメルボルンに、ランドマークとなるような場所を作りたいと考えたゲールさん。2002年に、ダウンタウン地区の象徴となるような「Federation Square」をつくります。

ここでは年間2,000以上ものイベントが開催され、国際的なフェスティバルやマーケット、映画やコンサートなどでいつも盛り上がっている様子。さらにミーティングスペースやレストラン・カフェ、パフォーマンスのためのエリアなど施設も充実しており、老若男女さまざまな市民に親しまれています。

また、観光客にとっても人気のスポットで、自転車のレンタルや遊覧船ツアー、無料Wi-Fiなどが利用できるそう。

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広場では年中さまざまなフェスティバルが行なわれています。

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屋外の巨大スクリーンにはサッカーの国際試合が中継されることも。

オープンカフェの数は4倍に、人口は9倍にまで回復

ゲールさんの次なるターゲットは公共交通機関でした。歩道を広げ、その空いたスペースに街路樹を植えたり、オープンカフェとしての利用を促したことで、今までよりも安全で快適なアーケードを実現。

また、ダウンタウンの中心部には車の通行が制限され、路面電車と歩行者のトランジットモールを導入しました。

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メルボルンの中心部を走るトラム。

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「パーキングをお探しですか?このトラムの中に空きスペースがありますよ。」の文字。トラムの導入は、中心部の小売業の売上アップにもつながりました。

「歩いて楽しい街、公共空間に人が集う街をつくりたい」と語るゲールさん。メルボルンの都市計画が始まってから10年がたった2004年に、その結果を「Places for People 2004」というレポートにまとめました。

そこには、オープンカフェの増加(95店から356店)、ダウンタウン地区の人口回復(1,008人から9,375人)、道路や公園の活動スペースが71%増加など、オドロキの成果が示されています。

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人通りの多い道路には地面に巨大なチェスが置かれ、通行人は思い思いにゲームを楽しんでいます。

住みたい都市ってのは、楽しいパーティーに似ています。そこにいる人たちがそれぞれ楽しんでいるから、その場所にずっと居続けたくなるのです。

わずか10年という期間で公共空間を改善し、市民が暮らしやすい街へと変わったメルボルンの例は、私たちが暮らす街を見直すきっかけにもなりそうですね。

ぜひみなさんの暮らす街のお気に入りの公共空間があったら教えてください!

(Text:細貝太伊朗)

[via STREETSBLOG,ASSEMBLE]