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自治会×若者×アーティストがタッグを組んでまちづくり!公共空間を生かしてまちの課題を解決するユニークプロジェクトとは? [MAD “Life” Gallery]

今回ご紹介する「松戸まちづくり会議」打ち合わせのようす。世代や性別を超えたメンバーが集まっている
今回ご紹介する「松戸まちづくり会議」打ち合わせのようす。世代や性別を超えたメンバーが集まっている

松戸市の一角を「MAD City」と称し、”クリエイティブな自治区”づくりを進めているMAD Cityプロジェクト(詳しくはこちら)。

松戸駅西口のオフィスを中心とした半径500m範囲のMAD Cityエリアを含めて、周辺には19もの自治会・町会があります。今回はその自治会と、MAD Cityを通じてまちづくりに関わるようになった若者が繰り広げるまちづくりのユニークなプロジェクトをご紹介します。

アートを日常の中にあるものとして位置づける

もともと、松戸市の事業「松戸アートラインプロジェクト」が2010年から行われていた松戸駅前。これは、松戸駅前のスポットで現代アーティストが作品展示を行うものでした。2012年からは、より継続性をもたせるため、アートを地域に根付いている「お祭り」のように日常の中にあるものとして位置づけ、「暮らしの芸術都市」というコンセプトで「アート」と「まちづくり」を融合した取り組みを行っています。

その取り組みを牽引するのが、2012年6月に結成された「松戸まちづくり会議」。松戸駅周辺にある19の自治会から自治会長が集まり、その下に町会の若手メンバー、エリアに拠点を置くアーティスト、MAD Cityを通じてまちづくりに関わるようになった若者など、さまざまなメンバーが一体となって活動を続けています。

松戸まちづくり会議の組織図:自治会長の集まりである「親会」に下部組織「ワーキングチーム」ができており、事務局として松戸市やMAD City(まちづクリエイティブ)が参加している
松戸まちづくり会議の組織図:自治会長の集まりである「親会」に下部組織「ワーキングチーム」ができており、事務局として松戸市やMAD City(まちづクリエイティブ)が参加している

自治会のメンバーからは、松戸に関する様々な課題が出てきました。「江戸川を自分たちで活用したい」「公園があまり使われていない」「道路の面白い使い方ができないか」など。そこで、「江戸川」「(松戸駅)東口」「道路活用」など、エリアや課題ごとの8つのグループに分かれて、様々な企画を継続的に行っています。

江戸川河川敷でアウトドア結婚式!

例えば、2012年10月に江戸川の河川敷で行った「edogawa outodoor wedding」。これは、MAD Cityのクリエイターでもある安藤早織さんの結婚式です。屋外結婚式の情報発信やサポートをする「H.O.W(Happy Outdoor Wedding)」の協力のもと、晴天の中、和やかな式が行われました。

安藤さん自ら主導し、様々な人への協力依頼や備品の手配などを進めていきました。例えば、テントや椅子、長机などは江戸川河川敷でイベントを主催する方から借りたり、橋の装飾の竹材を売っている材木店を紹介してもらったのだそう。装飾用の布も自ら買い付けに行きました。こだわりがたくさん詰まった式はゲストにも大好評で、アットホームな式となりました。

安藤さん夫妻
安藤早織さん、星野健一さん夫妻

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川にかかる橋がヴァージンロード!

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ゲストの服装も自由です。

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最後はみんなで河川敷でダンス!

「河川敷ってこんな使い方もできるんだ!」と思わせてくれるこの結婚式。もちろん、利用には所轄の河川事務所への届出などが必要で、地元住民を代表する形で松戸まちづくり会議が交渉しました。地元の理解や協力があればこんなステキなこともできてしまうんですね。

多くの人は、ふだん何気なく通っているであろう河川敷。でも、改めてまちに住む人たちがより主体的にその活用を考えることで、利用の可能性が広がるように思えます。

公園と駅でアート作品をつくる!

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また、松戸中央公園や松戸駅東口周辺では参加者全員でペンライトやLEDを使って光のアート作品を作る「101人のライトドローイング」というワークショップ企画が、アーティストの大成哲雄さん(聖徳大学准教授) の協力のもと行われました。

このエリアは駅から伸びるデッキを中心に商業施設や高層マンションが密集している場所ですが、歴史ある松戸中央公園やマンション内の公開空地など、使われることが少なくなった公共空間が埋もれているという側面があったそう。そこで、このような企画を通じて活用の幅を広げていくなかでワークショップが実現しました。公開空地での開催には、マンションの管理組合も協力してくれたとのこと。

路上で楽しむ大宴会!

路上で使われた木の椅子や机はエリアの建築家の方が製作し、イベント終了後には上記のアウトドアウエディングでも使われました。
路上で使われた木の椅子や机はエリアの建築家の方が製作し、イベント終了後には上記のアウトドアウエディングでも使われました。

そして、より地元と密着しながら行われているのが「高砂通り酔いどれ祭り」。松戸駅西口の高砂通りには横丁をはじめ、多くの個性的な飲食店が軒を連ねています。ところがそういうお店は狭くて大人数は入れません。そこで、道路に机と椅子を並べ、いろいろな飲食店の料理やお酒を路上で楽しもうというこの企画が誕生。回を重ねるごとに参加者数は増えていっています。

会場の一角ではDJブースや、アーティストREさんのライブペイントなども行われました。

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また、3月16日に開催された同イベントの第3回目では公式コインとして「Beer」が導入されました。5枚で1500円というこの「Beer」はイベント終了後も一部の参加店舗で利用できる、地域通貨的なものになるとのこと。地域のお店を利用するいいきっかけになりますね。

松戸まちづくり会議ではメンバーを随時募集中!

これらの企画は、どれも元々その場所にある公共空間を生かして、まちを盛り上げている企画。アイデア次第で、たくさんの住民を巻き込みながらまちを盛り上げていくことができる、と思わせてくれる好例といえるでしょう。

そんな松戸まちづくり会議では随時メンバーを募集しています!まちづくりに興味のある方には絶好の機会。ぜひチェックしてみてくださいね。

詳細はこちらから⇒松戸まちづくり会議「ワーキングチーム」メンバー募集中!

また、3月24日には参加しているアーティストが一同に会するシンポジウム「松戸アートラウンド」も行われます。また、3月24日には参加しているアーティストが一同に会するシンポジウム「松戸アートラウンド」も行われます。(参加アーティストはこちら)こちらも要チェックです!

(Text: 猪鹿倉陽子)