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絵本に出てくるお料理を、親子でつくってみよう!楽しみながらママの働き方を考える「COLOR」 [マイプロSHOWCASE]

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絵本にでてくるお料理やお菓子を食べてみたいと思ったことはありませんか?たとえば『しろくまちゃんのほっとけーき』『はらぺこあおむし』など。有名な『ぐりとぐら』で焼かれるカステラはとっても美味しそうですよね。

調理師の免許を持っている辻本さんと、キャリアカウンセラーの資格を持つ鬼木さんの2人は、お互いが子どもを持つ母親。主婦だった辻本さんが一緒に何か始めようと声をかけました。そして、旦那さんの転勤で鬼木さんが仕事を辞め、奈良に転居したことをきっかけにして「親子絵本料理教室」を始めたのです。

結婚して子どもが生まれてからも、社会に貢献しながら自分の夢に向かって歩むきっかけをつくりたい。

そんな2人の想いから始まった「COLOR」の取り組みをご紹介します。

読んで、作って、食べて、楽しむ。

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「COLOR」では土日に親子で参加できる親子絵本料理教室を開催しています。参加資格に年齢のくくりはありませんが、主に1歳〜5歳くらいの子どもを持つお母さんたちが中心です。

調理の前には、お料理がでてくる絵本の読み聞かせのはじまり、はじまり。子どもたちは早くも「食べたい!」という顔になります。「はい、みんな、今日はこのケーキを作りましょうね」そう先生から声がかかると、いよいよクッキングタイムのスタートです。調理はあくまで子どもが主役。そこで調理の手順は子どもでも作りやすいものを考えているそうです。

でも、絵本にでてくるレシピをできるだけ忠実に再現することにこだわっています。もちろんレシピの分からないものは、調理師の辻本がオリジナルに考えていくのですが、あまりに変えてしまうと絵本とは別の食べ物になってしまいますからね。面白くないでしょ。

と鬼木さん。

『ぐりとぐら』のカステラを作ったときにも一苦労がありました。絵本のレシピ通りに全卵でつくるため、湯煎にかけて長い時間をかけて泡立てた子どもたち。しかも、普通カステラは『ぐりとぐら』が作るようにフライパンでは焼かないのです。それでもオーブンを使ってしまえば、もう絵本のお料理じゃないですからね。毎回工夫の連続で、少しへんてこな調理なのも楽しみのひとつになっています。

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鬼木さん

参加したお母さんからはこんな声が寄せられています。

子どもの頃、憧れだった『ぐりとぐら』のカステラ。夢が叶って、わくわくしました。

いつもは私が手をだしてしまいますが、今日は子どもたちに全部やらせてあげることができた良かったです。

普段は忙しく、なかなか自宅で一緒にお料理できないので楽しかったです。

ただ、鬼木さんたちがこの教室を始めた理由は、親子でお料理を楽しむこと以外にもありました。

親子で自立するための、絵本クッキング

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私が仕事を辞めて奈良に転居したときに、最初に意識したのがやっぱり仕事のことです。育児をしながらも働きたい。でも改めてキャリアサロンやセミナーに通うとなると少しハードルが高いなと感じたんです。

もともと仕事をしていた自分でもそう思うから、ほかのお母さんたちはもっとだと。だったら、まずは親子で遊びに行けて、ついでに働き方を考えられる場所があればいいなと思いました。

ここに「COLOR」の特徴があります。お料理を頂いたあとにプチサロンを開いて、職場復帰や新しい仕事の見つけ方、自分の夢との両立などについて、ちょっとしたヒントを持って帰れるようにもなっています。キャリアカウンセラーの鬼木さんと、調理師の辻本さんの職能がコラボしながら活かされているんですね。

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働きたいママが仕事をつくりだすサロン

実際に「COLOR」は料理教室を入口に、仕事や夢をあきらめないお母さんたちをつなぐ場所として役立ち、その輪は少しずつ広がっています。同じ悩みを抱える人が集まるコミュニティ「奈良で働きたいママが仕事をつくりだす交流会」にも参加することで、「COLOR」の仲間以外の様々な視点を共有する役割も果たしています。

子どもが自分でお料理をやりとげると、小さい子どもながらも自信がわくんです。お母さんたちもその姿を見て、うちの子もひとりでここまでできるんだ、という気持ちが芽生えます。お料理は、親子ともに自立するきっかけですね。親離れ、子離れが上手にできると自分のやりたいことにも前向きになれますよ。

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鬼木さんたちの活動の一番のテーマは、親子の自立です。親が子どもだけにかかり切りになると、子どもの人生自体が、親の人生になってしまいかねません。大学生のキャリアカウンセリングを支援していた鬼木さんは、過剰に親が進路や就職の選択に関わるケースが多いことに危機感を持っていたそうです。また、社会との関わりが希薄になった母親が、想像以上に大変な子育てに疲れ、虐待に走ることもあるのだと知りました。

自分が感じた問題意識を出発点にして、新しい場所で新しい仕事を生みだそうとしている鬼木さん。評判が伝わり、公民館や企業から出張教室のオファーも増えています。サロンのほうも定期的にワンコインキャリアサロンを開催。「大変ですよ〜」と言いながらも、一步ずつ前に進んでいる充実感が彼女の表情にあふれていました。

それぞれの仕事をかけあわせ、新しい働き方をつくる。

キャリアと料理教室、一見接点がないように思える2つの分野に、親子、母、自立という要素を取り入れることで、既存の職種ではくくれない働き方を発見した鬼木さんたち。かけあわせのアイデアが、職場の少ない地方でもいきいきと働ける可能性のひとつなのかも知れません。

ちなみに、参加者には、親子で調理している写真を画像共有サイトを使ってプレゼントしています。みなさん自然にとびきりの笑顔になっているのだとか。本棚の絵本を開いてお料理が描かれていないか探してみるのはいかがでしょうか。それを、親子で作ってみるのもいいですね!