街を歩いてるとよく見かける階段。たくさんの人々が行き来する場所ですが、デッドスペースとなっているところも少なくありません。
そんな一見普通の階段でも、ほんの少しの工夫で楽しくてハッピーな空間にできるかも?そんな思いから始まったプロジェクトが、今回ご紹介する「Stairway Cinema」です。
舞台はニュージーランド最大の都市、オークランド。待ち人が多いバス停近くのごくごく普通の階段に、小さな映画館が突如出現しました。
そこでは短編映画が上映され、バスを待つ人々を楽しませます。待ち時間といえばそれぞれ携帯電話を眺めていたりするものですが、この仕掛けにより人と人がつながる社交的な場所にシフトしたのです。
仕掛けたのはニュージーランドのデザイナー集団「OH NO SUMO」。防水加工が施されていたり、階段にクッションが置かれたり、さすがプロの建築家集団といった出来栄えです。
この辺りは賑やかな大通りの交差点と2つの大学のあいだに位置するため、バスを待つ人が多い場所でした。でも、バス停の周りはなんか退屈だし、みんな小さな画面を見て孤立している。そんな風景を見て、「バーチャルと現実空間、両方のコミュニティをつなぎたい!」と考えたのが、このゲリラアートだったのです。
上映される映画は、ソーシャルメディアを通じてアップされた作品の中から、投票によって選ばれます。オンラインでのコミュニケーションとリアルな場所がつながることで、実際に体験した人が継続的に拡散することになり、またたくまに話題となりました。
このアイデア、バス停や駅の周りだけではなく、喫煙所や待ち合わせ場所などの、人々が多く訪れる場所にも活用できそうですよね。イギリスでは待ち合わせ場所となるベンチやその周りのものを楽器化するプロジェクトが行われたようです!
Public Resonance from sam weller on Vimeo.
ベンチを楽器化するプロジェクト
デジタル社会になり、モバイル機器が普及することで、どんどん空間がパーソナルになっています。だからこそふと顔を見上げて、見知らぬ人と笑顔で話しかけるきっかけをつくるような仕掛けが、必要とされているのかもしれません。
(Text:緒方康浩)
[via dezeen magazine]
ゴミ袋がゲリラアートに!?
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