世界中に15億人いると言われている、電気のない生活をしている人々。電気がない暮らしの中で用いられる明かりは、有毒な煙を出し、燃料代も高いケロシンランプによってもたらされています。電気のない生活を送らざるをえない人々は、身体を害しながら、高いお金を支払っています。
この問題を解決するためのプロダクトが、世界で本当にモノを必要としている人たちに向けて、彼らの生活環境に合わせたモノを作って届ける「See-D コンテスト」というプロジェクトから誕生しました!
「LinkWatt ~笑顔が輝けば、光が輝く~」と名付けられたこのプロダクトは、大手企業や大学のエンジニア、デザイナー、コンサルタントなど有志によって構成されたチームによって開発されました。
小型「遊力」発電機 LinkWatt は、”アソビ”の力(生活で余っている力、そして子供たちの遊んでいる力)を用いて、現地で使われている手押し車やリヤカー等の車輪に取り付けることで、その回転するエネルギーから電気を生み出すことができます。生まれたエネルギーは蓄電池にためておくことが可能です。日中に遊びながら発電・蓄電を行い、夜には明るく・安く・クリーンな照明の電源となり、未電化地域で使われているケロシンランプに替わって、途上国の人々の生活を明るく照らします。
電気も無い途上国。どんなに貧しい場所なのかと思って訪れたら、そこは笑顔に溢れていたんです。
そう語るのはLinkwattチームのみなさん。Linkwattのチームのみなさんに、プロダクトを作ろうと思った動機についてお伺いしてみました。
子どもたちは本当に元気で、子どもたちの遊ぶ力を利用して電気が作れたらな、と思いました。
それ以外にも、僕たちにはもうひとつ目的があります。僕たちが見た途上国の人々には働く気力が感じられなかった。また、現地にはしっかりした大学もありますが、そこを卒業した人々も仕事がなかったりするんです。現地では仕事と教育が結びついていないし、仕事から価値を出してそれが喜びに結びついているということもありませんでした。
教育が仕事に結びついて、仕事が喜びに結びついたら、もっと勉強したくなって、もっと何かをつくり出したくなるんじゃないか。ポジティブなスパイラルを生み出してあげないと、途上国はいつまでも途上国のままなのではないか、そう思いました。創意工夫を促すものを作りたいと思ったんです。
電気があったら、子どもたちは勉強することができますし、親も内職することが可能です。内職ができるようになれば、それだけお金を稼ぐことが可能になるので、生活を豊かにすることができます。
今回のプロダクトは回転すると発電できるものです。この装置をいろいろなもの、たとえば手押し車やキックボード、それに水車などにLinkwattを取り付けて発電を行うことができます。「じゃあこんなものにも取り付けることができるよね!」というように応用をきかせて、彼ら自身で何かを作ることができるようになるといいなと思っています。
現地の技術者も育てて、ものづくりの醍醐味というものも伝えていくことが、もうひとつの僕たちの目的です。
Linkwattチームは、昨年の夏にインドの未電化村にてプロトタイプを現地の人に使ってもらい、そこで得られた声をもとにプロダクトを継続的に改良中だそうです。日本で販売されているプロダクトほどデザインに凝った作りにはなっていませんが、現地の人たちがDIYでも作れるように、ということを考慮してこういったシンプルなものとなっています。
Linkwattは、30分遊ぶと2時間ほど電気を使用できるようになり、ひとつあたりのコストは約5ドル。市販の充電池を用いており、蓄電池を電池が使用できる電化製品にセットして使用することができるそうです。
現在、未電化地域で現地の人々(未来の技術者)と”キックボード「遊力」発電機”を製作するための資金を調達するためにCampfireでプロジェクトを立ち上げています。
Linkwattのチームは、みなさん本業を持ちつつも残りの時間でLinkwattの活動を行なっています。本業+αでなにかできるんだ、ということの実証も兼ねるつもりで活動しているそうです。
WHILLプロジェクトのメンバーもそうですが、本業を持ちつつも素敵なプロダクトを生み出していくということが可能になってきているのかもしれません。
Linkwattを資金面から応援する。