2月にgreenzでもご紹介した「同じ釜の飯を食う」Webサービス「Grubwithus」。それがこの9ヶ月ほどの間にかなりの進化を遂げたようなので、「早く日本に上陸しないかな」と期待をこめつつ、その進化の様子をご紹介します。
まず、このサービスについて簡単に説明すると、飲食店などがGrubwithusを使ってディナーを設定、そのディナーに参加したい人は参加する意思を表明して、あとは当日希望者同士で食卓を囲むというだけ。事前にすでに参加を申し込んだ人のプロフィールなどを見ることができるので、会いたかった人にあえたり、あるいは全く偶然に気の合う人と出会ったりして、食卓を囲むことで出会いや楽しみを提供するというものです。
そんなGrubwithusの進化は主に2つ。1つは開催場所が増えたこと。2月の段階ではシカゴとサンフランシスコだったものが、ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンDC、ボストン、シアトルでもスタートしました。もう1つは従来あったグループを発展させた「interests」というシステムができたこと。これは、「startups」とか「travel」とか「entrepreneurship」という「興味」を登録することができ、それをテーマにしたディナーが設定されると通知が届くというものです。飲食店などが今回は「startupをテーマにやります」と言った場合、それに興味がある人たちが自然と集まるわけです。
そしてもう1つ内部コンテンツとして「Grubwithme」がスタート。これは、飲食店がディナーを設定するのではなく、グラバーと呼ばれるゲストと食卓を囲みたい人を募集するというシステム。知らない人同士が出会ってというGrubwithusの本質からは少し離れる気もしますが、ちょっとした有名人をゲストに呼び、インタビュー記事なども載せることで潜在的なユーザを発掘するためのものなのかもしれません。
そのような進化もあってユーザー数も増え続け、今では3万人以上が利用しているとのこと。それに対応するため2人だけでやっていたものに一気に17人ものスタッフを雇ったんだとか。
どうしてここまでこのサービスが広まったのかを考えてみると、飲食店側に集客のメリットがある、参加者はちょっと安くディナーが食べられる、というのもありますが、それ以上にこのGrubwithusというシステムがよりリアルなソーシャルとコミュニティを求める人々のニーズにあっているからではないでしょうか。
日本でもツイッターやフェイスブックのようなソーシャルネットワークは徐々に根付いて来ました。その中で「Wondershake」というリアルな場所をもとにしたサービスが生まれたり、「giftee」のようにバーチャルの関係をリアルなものに落とし込んだりと、リアルな関係を求める人も増えてきているように思えます。Grubwithusはそれを実際に実現するツールとなっているのです。
そしてinterestsは、Grubwithusのユーザーの中にコミュニティを作っていく機能です。しかもそれは、フェイスブックのグループのようなバーチャルなコミュニティではなく、リアルに会うことを前提としたコミュニティなのです。
今、日本でも会社コミュニティが弱体化してきて、会社の外でソーシャルな関係を築き、コミュニティに参加することを求める人が増えてきてます。そんなコミュニティへの参加の機会もGrubwithusは提供しようとしているわけです。
日本でも「ソーシャルランチ」というサービスが始まりましたが、このサービスは個人(二人組ですが)と個人が出会う場を提供しているだけのもので、会場となる飲食店を巻き込んでいるわけでもないし、コミュニティをつくろうというものでもありません。それでもこのようなサービスが成立するということは日本にもニーズがあるということであり、Grubwithusというモデルを参考にすればビジネスとして成立するものができるのではないかという期待を抱かせます。
「同じ釜の飯を食う」という慣用句がある日本でこそ、このサービスはコミュニティを作るステップとして有効な気がしますが、いかがでしょう?
日本のサービス「ソーシャルランチ」をチェック!