ロードバイクにクロスバイク、ミニベロ(小径車)にMTB……。近頃の自転車ブームの主役は、これらの軽くて長時間乗っても疲れない「スポーツ車」です。
一方、毎日の通勤・通学・お買い物に黙々と働き続けるママチャリは影が薄め。ですが、そんなママチャリがたったの5分でスポーツサイクルに変身!? 今回は、ママチャリを劇的に乗りやすくするカンタンな4つのTIPSをご紹介!
ポイントはペダルの軽さと乗車姿勢
あなたのママチャリ、最近ペダルが重くないですか? 毎日乗っていると気付きにくいですが、疲れやすいし、何より使いづらいのは困りもの。そんな症状にはこのTIPS!
TIPSその1 タイヤに空気を入れる
タイヤの空気が甘いと「転がり抵抗」が増える上にパンクもしやすくなり、ついでにタイヤの劣化も早まります。親指で押してもほとんどヘコまない程度(3~4気圧)まで、しっかり空気を入れましょう。
TIPSその2 チェーンに油をさす
踏んだ力を後輪に伝える重要な役割を担うチェーンですが、雨の中を走ったり野ざらしで駐輪している間に油が切れ、見るも無残なサビサビの状態に・・・。ペダルを漕げばギシギシと今にも壊れそう。ホームセンターで売っている潤滑スプレーをチェーンに差しましょう。サビが浮いてきたら一度ボロ切れでふきとって、再度注油するとベスト。
さあ、この2つだけでもだいぶ軽快に漕げますが、まだ不十分。ママチャリの場合、サドル(イス)にどっかと腰を下ろしてペダルを漕ぐ人が多いですが、腰に負担がかかる上、ペダルを十分に踏み込めません。そんな現状を改善するのはこのTIPS!
TIPSその3 サドルを高くする
ママチャリのサドルは地面に両足がベタ~ッと着く高さが一般的ですが、これでは脚力を効率よく使えません。最も脚力を発揮できるのは、ペダルを真下まで踏み抜いた時に膝が軽く伸びる状態なので、サドルを高くしましょう。目安は両足のつま先が地面に届く程度。最初はサドルの高さに不安を覚えますが、すぐ慣れます。
TIPSその4 ハンドルの高さをサドルの高さに近づける
ママチャリで腰が疲れるのは、サドルが柔らかいこともありますが、体重が腰ばかりに集中するような乗車姿勢も大きな要因です。ハンドルの高さをサドルの高さに近づけることで姿勢が前かがみとなり、腰への負担が減るうえ、ペダルを漕ぐ時の踏ん張りも効きます。
ハンドルを固定する「ステム」という部品の頂部にあるボルトをゆるめ、そのボルトをハンマーで軽くたたくと固定が外れます。高さを調整した後に再度ボルトを締め込めばOK。ただし、他の3TIPSと比べて作業の難易度が高いので注意!
調整の前と後でママチャリがどう変化したか、見てみましょう。
これらのTIPSをやってみた後でママチャリにまたがると、アラふしぎ! ペダルが軽くなってスピードも出るし、腰も痛くなりにくい。これなら移動のアシとしてだけでなく、10~20km程度のサイクリングにも十分使えます。
※ブレーキの効きは十分ですか? 走り出す前に今一度チェック!
※上記のTIPSは自分で出来る簡易な整備方法ですが、機械いじりがニガテという人は自転車店にお願いしましょう。ちなみに「自転車安全整備店」で点検整備すれば、有料で「TSマーク付帯保険(傷害保険)」が付けられます。
※歩行者の安全を守るため、車道左側を走りましょう!
サイクリングに出かけよう
サイクリング=遠乗りという印象が強いですが、短い距離を気ままに散歩するのも立派なサイクリング。「ポタリング」としてジャンルが確立されています。軽快に走るようになったママチャリで漕ぎ出せば、いつもの風景も違った表情を見せてくれるというもの。
そんなコンセプトで筆者が書き下ろした初の著書が『多摩のまち 自転車探検』(けやき出版)です。「ジブリ映画の風景」や「歴史・自然」などをテーマに、筆者のジモト=多摩の隠れた魅力を再発見する10~25km程度のショートコースを24件紹介しました。
ママチャリはもちろん、既にスポーツサイクルを買った人にもオススメ。コースを組み合わせればロングライドも楽しめます。また一般的なコース本とは異なり、筆者の多摩への思い入れや印象を前面に出した筆致は、短めの旅行記としても楽しめます。
思い立ったら、すぐ出発! あなたのジモトにも、思いがけない風景と発見がきっとあるはずですヨ。
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