毎年1月2日の恒例イベントといえば箱根駅伝。これ、2006年からは“もう一つ”行われていることをご存知?名前もそのまま『もう一つの箱根駅伝』だ!!
箱根駅伝の直後に行われる『もう一つの箱根駅伝』は、簡単に言えばゴミを拾いながら走る駅伝。競技内容は、大学対抗であること、2日間かけて走ること、そしてコースもほぼ箱根駅伝と同じ。しかし、選手たちは軍手をはめ、ゴミ袋とトングを持ってスタートラインに立つのだ。
記念すべき5回目は、2010年1月9日(土)~10日(日)、過去最大となる22大学・20チームで“もう一つの”熱戦が繰り広げられる。早稲田大学、専修大学、山梨大学など初参加の9校を加え、ますます盛り上がりを見せること必至だ。
そもそもこの大会がスタートしたきっかけは、1998年に行われた神奈川大学のウォーキング活動を復活させようという構想からだった。より社会貢献に寄与することを目的とし、2006年、大学対抗・ゴミ拾いの要素を取り入れた形で新たなスタートを切ったのだ。
しかし、しっかりとした運営体制が敷かれている「箱根駅伝」とは違い、“もう一つの”方は大学生が企画・運営しているため、当然交通規制などを行うことはできない。その分、このイベントには実行委員会のメンバーによる企画の趣旨にあった様々な工夫が垣間見られる。
たとえば、勝敗を決める手段として、タイムに加え、ゴミの量によるポイント制を導入したこと。大学対抗競争を銘うっているが、当然目的は競い合うことではない。あくまでゴミ拾いを通して環境問題を考える行動自体に重点を置き、また参加した人とその姿を目にした人たちの環境に対する意識を変えることを目的としているため、拾ったゴミの量を加味したこの方式を設けた。
さらに、性別、地域による限定や予選会も行わず、チームも基本5人だが3名からの参加も許可するなど、参加の敷居を下げたことも、多くの大学の賛同を得ることに成功した要因だろう。このようにして、手作りながら温かい“もう一つの”大会が続けられているのだ。
ご覧のとおり、ゴミを拾いながらのレースは時間がかかり、ゴールは夜になってしまうが、今回もこんなさわやかな笑顔のゴールシーンが見られるのだろうか。当日がとても楽しみだ。
さて、この『もう一つの箱根駅伝』をきっかけにスタートしたもう一つのプロジェクトは、箱根駅伝以外にも様々な“もう一つの”イベントを開催している。
こちらの動画はお馴染み『24時間テレビ』の裏で行われたもう一つの100kmマラソン「集めよう、ゴミと募金。」の様子。テレビでは放映されることのない裏舞台で、高尾からお台場までを結ぶ100kmのコースを選手たちがゴミを拾いながらタスキリレーをしていたのだ。
このような活動を続ける彼らの想いはどこへ向かっているのか?それは、ホームページに記載されたこんな言葉に表現されている。
活動を行う必要がなくなる日まで、正月の”もう一つの”風物詩であり続けてほしいと願う。
活動の解散が、彼らの本当のゴールなのだ。箱根駅伝ファンの皆さん、お正月の熱いレースを堪能した翌週は、ゴミ袋を持った大学生にもぜひエールをおくってくださいね!
今年はどんな顔ぶれに?出場校をチェックしよう!
ゴミ袋のデザインは、ゴミ置き場をデザインするこのプロジェクト!