匿名のアーティストから届いた、街へのプレゼント! たった一晩で建てられた、ロサンゼルスへ祈りを捧げる秘密の茶室「Griffith Park Teahouse」

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「日の出の時刻に公園に来てください。一緒にお茶を飲み、街へ祈りを捧げませんか」

突然、ロサンゼルスに住む人々に届いた、このミステリアスな招待状。とはいえ、その招待状に書かれていた詳細は、ハリウッドにあるグリフィス・パークの天文台の駐車場へ集合すること、そこから先はライトに従って進むこと、それだけ。

そして2015年6月30日の早朝5時、「なにが起きるのだろう?」とヤキモキした約30人が集まりました。駐車場の北端にLEDキャンドルの入ったティーカップを見つけたゲストたちは、それぞれカップを手に取り、地図を片手に、山道を辿っていきます。

辿り着いた場所は、サンフェルナンドバレーを見下ろす絶好のロケーション。そこに待っていたのは、小さな日本式の茶室「Griffith Park Teahouse」でした。
 
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実はこの茶室は、匿名のアーティストグループによって、たった一晩で建設されたもの。この朝に開催されたのは、その茶室をオープンするセレモニーだったのです。

セレモニーでは、山の頂上からの素晴らしい日の出を眺めながら、茶室の中で緑茶とアーモンドクッキーをいただくお茶会と、オペラ歌手によるパフォーマンスが行われました。実際に参加したゲストの一人は、「ただただ素晴らしい!このイベントは退屈な日常にゆさぶりをかけてくれました!」といいます。
 
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有名なハリウッドサインのすぐそばにある、グリフィス・パーク。デートスポットとしても有名なほど、眺めは抜群!

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このように祭り気分を味わうのもOK!

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そして、茶室でゆったりとした時間が流れるお茶会も

ところで招待状にあった「街へ祈りを捧げませんか」というメッセージの「祈り」とは? 実は、この茶室にはちょっとした説明書きがあります。

ロサンゼルスへの祈りを書きましょう。それはラブレターのようなもの。または思い出、観察、建設的な意見。そしてベルを鳴らしてその願いに封をしましょう。

ゲストは、小さな木のパネルにそれぞれロサンゼルスへの思いを書いて、茶室の中の掛け釘に吊るします。茶室には、こんなたくさんの温かい言葉が集まりました。

・ロサンゼルスに住む全ての人が平等でありますように。
・ロサンゼルスはとても大きな都市だから、孤独を感じやすいかもしれない。でも忘れないで、あなたは決してひとりじゃない。
・あなたが幸せになることをみつけて、それをただやってみよう!

どれもロサンゼルスに住む人々の幸せを祈り、勇気付けるようなメッセージばかり!
 
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茶室の中に掛けられたメッセージ

有名なハリウッドサインの近くに位置し、地元の人の憩いの場ともなっているこのグリフィス・パークは、2007年に大規模な火災に見舞われました。この茶室は、火災が起きた際に切り出された木を使用しているため、新しく木を伐採することはしていないそう。

アーティストグループのリーダーはこう話しています。

私が初めて火災で切り出された木を見たのは、6年前でした。私はこの公園によく走りに来ていて、これを使って何かできるんじゃないかとずっと考えていたのです。

実は、この茶室はロサンゼルス市に許可を得ず建てたものだったため、残念ながらグリフィス・パークにとどまることは叶わず、7月28日に茶室は撤去されてしまいました。

撤去された茶室は、アーティストグループの意向により市へ寄付され、市には存続を願う署名が殺到! 現在は他の公園に移すことや、または移動式のアート作品として展示することも検討されているのだそう。これからも人々が憩う場所として、また共に祈る場所として、どこかで見かけることができるかもしれませんね。
 
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撤去されてしまった「Griffith Park Teahouse」。でも、きっとどこかで、また見かけることがありそうです

匿名のアーティストたちがゲリラ的に建設した、茶室という非日常の空間が、やがて街の人に愛され、ロサンゼルス市からも受け入れられたこのプロジェクト。

アーティストたちからロサンゼルスへのプレゼントは、茶室そのものだけではなく、コミュニケーションのきっかけ、街に誇りを持つこと、また災害から生まれたものを生かすことができるというメッセージ、そんなことにも及んでいるようですね。

みなさんだったら、どんなプレゼントを街に残したいですか?

[via Los Angeles Times, hellogiggles, laist, Twitter]

(Text: 高橋尚子)