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“クリエイティブな自治区”MAD Cityに入居者続々!彼らがMAD Cityに集まるワケって? [MAD “Life” Gallery]

MAD City Gallery
MAD City Gallery

千葉県松戸市の一角で”クリエイティブな自治区”をつくろうというMAD Cityプロジェクト。松戸駅前を中心に、アーティストやクリエイターが集まるエリアを作っていこうという、まちづくりの取り組みです。(詳しくはこちら

拠点となっているのは、地元のお御輿置き場を改装した、シェアオフィスを兼ねた事務所スペース「MAD City Gallery」。そこからクリエイターの移転を促すために特殊な物件を提供する「MAD City 不動産」事業と、地元住民と移転者の交流を促すコミュニティ運営の2つの活動でエリアの魅力を発信しています。

「まちをもう一度共有し直そう」という”タウンシェア宣言”を今年から掲げたこのエリアに、実際に新たな入居者が増えています。しかも入居者された方々はそれぞれの個性を活かし、街でマイプロジェクトを確立中。

例えば、元は住宅設計をやっていた方が街の空間や人とのつながりをDIYでデザインしていたり、元ホテルマンの方がMAD Cityの公式ガイドに就任していたりします。またカメラ好きだったというサラリーマンの方は今や、街のカメラマンとして引っ張りだこです。

彼らがMAD Cityに来たワケや「なんでマイプロジェクトが出来たの?」といったリアルな声を聞いてみました!

まちで良い場や活動を作れば、生活が豊かになる

まずは、MAD Cityプロジェクトが運営する古民家シェアトリエ、旧・原田米店の入居者、西尾健史さん(29)。
 
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前職で住宅設計をしていた西尾さんは、生活は家だけでなく様々な人や出来事、つまりまち全体と関わっていることを実感。次第に家のデザインより暮らしのデザインに興味を持ち始めます。

まちで良い場や活動を作れば、生活の豊かさにつながる。

そう考えた西尾さんは、とにかく何かをやるつもりで仕事帰りにMAD City Galleryを訪問。少しずつイベントに参加し始めます。そこで出会ったのは色々なプロジェクトの実践者。音楽やアート・建築など様々な分野のアーティストたちから刺激を受けた西尾さんは人生初の主催イベントを企画。それは自分が余してしまった本に、思いを込めたコピーを書いた帯を付けて交換する会でした。
 
交換会「monotaxi」の様子。帯に思いを書き、持ち寄った本に付けて皆で交換します
交換会「monotaxi」の様子。帯に思いを書き、持ち寄った本に付けて皆で交換します

自ら企画を提案することで、少しずつまちづくりに関わっていった西尾さん。その積み重ねのなかで、自分にできることを見つけます。それは「自分の手で空間に合わせたモノを作ること」。例えば既存の机のカラーをちょっと替えたり、今あるイスのサイズを少し小さくしたり。まるっきり取り替えなくても今あるものを空間に合わせるスキルが必要だと感じた西尾さんは、DIYを勉強しはじめます。

現在は、そのスキルを生かしてエリア内で仕事をスタート。代表的な仕事が旧・原田米店内の「松戸探検隊ひみつ堂」改装作業です。ひみつ堂は松戸市観光協会の関係者が立ち上げた民間の観光案内所。「地元の若い方に設計して欲しい」という要望をうけたMAD Cityプロジェクトが西尾さんを紹介して実現しました。こうした地元とのコラボレーションの可能性があるのもMAD Cityの魅力のひとつ。
 
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ひみつ堂改装中

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完成後のひみつ堂。味わい深い店構えです

作業を通じて思わぬ副産物も生まれました。それはひみつ堂をはじめ、他のMAD City住民との交流が深まったこと。この縁がきっかけで西尾さん自身も旧・原田米店に入居し、アトリエを構えることになりました。

徒歩5分圏内で心地良い場やモノを得る

西尾さんはアトリエだけでなく住居も「松戸」から「MAD City」に移転。ますますコミュニティに入り、人との関わりが増えたことによって”たまたま松戸に住んでいる”という感覚は消え、いつの間にかMAD Cityの一員になっていました。

全ての拠点をMAD Cityに移した西尾さんは徒歩圏内で、自分の生活に関わるマイプロジェクトを次々にスタートさせています。例えばアトリエの人たちとご飯を持ち寄って週に一度は一緒にランチする会をやったり、またMAD Cityのメンバーと早朝のランニング部を結成したり。まさに”まちで良い場や活動を作ることで生活を豊か”にしはじめています。
 
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旧・原田米店の入居者と中庭でランチ

MAD Cityは半径500m程度のエリア。手に届くサイズ感で活動すること、多彩なメンバーから刺激を受けることが、プロジェクトを始める助けになっているようです。

自分のいいところも悪いところも知ってくれるまち

行政(ゆきまさ)翔平さん(29)は「非公式なまちであるMAD Cityの公式ガイド」という一風変わった肩書きを持つ、MAD City Galleryのシェアオフィススペースの入居者。

かつて旅行業界で働いていた経験を生かして”ガイドブックには載っていない街の魅力”を伝えるツアー「MAD Cityトラベル」を定期的に主催しています。
 
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行政さんがMAD Cityと出会ったのは2010年。トークイベントに参加し、MAD Cityが掲げていた「脱東京」というキーワードに共感したことがきっかけで、MAD City Galleryに通うようになります。

ある意味でMAD Cityの古株でもある行政さんですが、トラベルが実現するまでは試行錯誤の連続だったそう。例えば、第1回目の街歩きツアー企画が行われたのは2011年10月。実に1年以上の時が経っています。その期間もMAD Cityに関わり続けたいと思った魅力はなんなのでしょうか。

自分でも何かできるんではないかと思わせてくれることですね。MAD Cityの人たちは自分のいいところも悪いところも知ってくれているので安心して行動できる。

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MAD cityツアーで旧・原田米店の魅力を語る行政さん

行政さんの人柄や、プロジェクトを立ち上げようと頑張っていた姿は次第に周りからも信頼を獲得。自身のキャラクターが認知された今では、MAD Cityで出会った人々とのつながりが彼を支えているそうです。

例えば仕事。行政さんは現在、松戸市内のオーガニックカフェ「スローコーヒー」(代表の小澤さんは過去にgreenz.jpでもこちらの記事にて紹介)で働いていますが、これは代表の小澤さんからその人柄や、イベントで見せる接客姿勢を認められてのものです。

さらに松戸市内では、これまたMAD Cityでの出会いがきっかけでシェアハウスをスタート。老朽化・高齢化が進んでいるファミリータイプの団地1室を、6丁目7番地という住所にあることから「ロクナナ団地」と名づけて「地域に生きるために」をコンセプトに暮らしています。

若い人、特に地域に根ざした活動をしている人が団地をシェアハウスとして使ったら、人が集まって新しいコミュニティを生み出すことができるのでは。

と行政さん。MAD Cityのコミュニティから更にあらたなコミュニティがつくられていく。こういう、連鎖反応が生まれる雰囲気が行政さんを惹きつけているのかもしれません。

地域住民という意識を持てるまち

最後は都内に勤務するサラリーマンだった新谷竹朗さん(25)。新谷さんは地元の富山から新宿に引っ越して生活していましたが、どこか”外の人間”という感覚を持って暮らしていたそう。

地元という意識がすっぽり抜けて寂しいと思っていました。

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そんなモヤモヤを晴らしたのがMAD Cityとの出会いでした。きっかけは今年の夏に渋谷で行われたイベントで、MAD Cityの紹介を聞いたこと。興奮に近い感覚を覚えた新谷さんはさっそく、MAD Cityトラベルに参加します。

トラベルを通じて新谷さんが感じたのは”内の人間”の感覚。旧・原田米店で活動しているアーティスト、江戸時代のことをつい最近のように話す商店主、DJ兼文房具屋のおじさんなど個性的な人たちに出会い、次第に惹かれていったそうです。

現在はMAD Cityに移住。改造・DIY自由なコミュニティ物件「MADマンション」に入居しています。
 
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MADマンション内で開かれた入居者パーティーの様子

写真好きがこうじてエリアのカメラマンに!

そんな新谷さんは根っからのカメラ好き。MAD Cityのメンバーと出かけた夏の旅行でも、勝手にカメラマンとして撮影していました。
 
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海外に行くMAD Cityメンバーの送別会で記念写真を撮る新谷さん

すると人の才能をほっとかないのがMAD City!地元のお祭り運営陣から写真撮影を頼みたいという話が出た際、新谷さんが紹介され、10月の松戸神社祭礼や七五三祝祭りでの家族写真の撮影を担当しました。祭礼の写真はなんと、松戸の伊勢丹に展示されたそうです。

写真という自分の好きなものを通じて、地域の一員として必要としてもらえるのはとても嬉しいです。自分にこれがやりたい、できますということがあればどんどんチャンスが巡ってくる環境にいられて幸せです。

可能性を開花させるエリア、MAD City

自ら「まちで良い場や活動を提案」することで、周りのメンバーはもちろん自分自身の生活を豊かにしている西尾さん。コミュニティに長くいることで少しずつ人と出会い、手助けをうけながらプロジェクトをカタチにしていった行政さん。隠れた一芸があれよあれよと見出されていった新谷さん。

やり方は異なりますが、みなさん何かしらのアウトプットをまちで実現しています。共通するのは、MAD Cityに自分なりに関わっていたこと。やりたいことがある人は、提案してみればいいですし、やりたいことがわからない人や、なかなか実現しない人は相談すればいい。自分が好きなことがある人は、それを続けていればいい。きっとその人に合った受け入れ方ができるというのは、MAD Cityというエリアに、地元住民も移住者も混ざりあったコミュニティが生まれているからに違いありません。

リアルな声を直接聞いてみよう!

今回ご紹介した3人に会えるイベントが12月16日に行われます!MAD City初のシェアハウス「いろどりマンション」で行われるイベント「ワンデーいろどりマンション」では3人をアテンド役として街歩きのツアーやワークショップが行われます。ぜひ直接会ってリアルな声を聞いてみてください。

ワンデーいろどりマンション

日時:12月16日(日)13:30~16:30(OPEN13:00〜)
集合場所:MAD City Gallery(松戸市本町7-9 松戸駅西口・千葉銀行隣)[MAP]
料金:無料(パーティ代をみんなで割り勘!)