「聞こえ支援スピーカー」で難聴者をサポート!音響で社会的な課題に取り組むNPO「ユニバーサル・サウンドデザイン」

Some rights reserved by Menage a Moi

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「難聴」という課題は大変身近な一方で、十分なソリューションが用意されていません。「耳が聞こえにくい」というと高齢者の問題であるイメージがありますが、病気などが原因で若年層でも聴力が低下することは十分あり得ます。その意味で「難聴」は誰にとっても他人ごとではない課題といって良いでしょう。

今回ご紹介する「ユニバーサル・サウンドデザイン(USD)」は、イノベーティブなアプローチで「難聴」の問題を解決しようと試みるNPOです。

音響テクノロジーを使って社会的な課題を解決し、サステナブルなビジネスも生み出す、そんな革新的な事業です。メンバーの方々にお話を伺ってきたのでご共有させてください。


「人の声」が聴きやすいスピーカー

「聞こえ支援スピーカー」

「聞こえ支援スピーカー」

ユニバーサルサウンドデザインが開発・販売するのは「耳が聞こえにくい人向けのスピーカー(聞こえ支援スピーカー)」です。

難聴の程度にも寄りますが、そのスピーカーを設置するだけで、補聴器なしにテレビやラジオの音が聞こえるようになる、人との会話が円滑になる、といった効果が望めるという素晴らしいプロダクトです。

音響関係の仕事をするメンバーが、たまたま業務の中で「人の声が聴きやすい」スピーカーに出会い、難聴問題の解決策になることに気付いたことが、USDが生まれるきっかけとなったそうです。


医療現場の課題を改善

医療現場への導入事例も

医療現場への導入事例も

医療従事者の協力の下、既に医療現場での導入が実験的に進められています。昨年9/26〜11/1に行われた実証実験の結果では、難聴を持つ患者50人のうち約9割の方がスピーカーによる「聞こえ支援」の効果を実感したとのことです。

レポートには、

(1) 外来で難聴患者さんとの直接的な対話が可能となった。
(2) 大声を出さなくて済むので、診療サイドの労力が減った。
(3) 難聴患者さんご本人も大声を出されないですむので、おちついた感じで診療を受けることができた。
(4) 難聴患者さんとの会話が他の患者さんに聞こえる=情報漏えいのリスクが減った。

といったメリットが報告されています。

今後は医療現場はもちろん、老人ホームや行政機関などへの導入も進めていくとのことです。一般家庭の中でも、テレビに備え付けるだけで、難聴の程度によっては、補聴器なしで十分に音声が聞こえるようになるそうです。


Night(夜)に、Powerful(パワフル)に、活躍するOre(俺)たち!略して「NPO」

ユニバーサル・サウンドデザインは第一線で活躍するビジネスパーソンによって運営されている「全員兼業」型のNPOです(メンバーリストはこちら)。

インタビューに伺った際に『USDの「NPO」は「Night(夜)にPowerful(パワフルに)に活躍するOre(俺)たち」の略称です』という印象的なメッセージを頂きました。

USDのような、プロフェッショナルによる、テクノロジーを活用した事業型のNPOは今後も増えていくのかも知れませんね。


その他にも「難聴児童生徒への聞こえ支援スピーカーの寄贈プロジェクト」、「FAX番号記載推進プロジェクト」などの取り組みも進められています。また、活動の中で得られたデータ等をもとに、「難聴」という課題自体の啓発も行なっていくそうです。

ユニバーサル・サウンドデザイン、今後の活躍がとても楽しみなNPOです!いわゆる「ソーシャルビジネス」に関心がある方も注目しておいて損はないでしょう。