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アメリカ大陸をチャリで縦断した青年、COP15へ世界の声を届ける“大使”に就任

Cycling Tour in American Continent: Copyright(C)2009 Ride for Climate, All rights reserved.

Cycling Tour in American Continent: Copyright(C)2009 Ride for Climate, All rights reserved.

いよいよ12月7日から国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)がスタートしている。この会議は気候変動や地球温暖化に世界全体で取り組むための第一歩として以前から注目されており、コペンハーゲンから希望ある未来を願うオンラインキャンペーン「Hopenhagen」や気候変動防止を世界に訴える「350.org」など、地球規模の草の根活動もCOP15の成功を後押ししてきた。こちらでは、これらの活動に積極的にかかわってきたひとりで、「Hopenhagen」初の公認大使に選ばれた米青年David Kroodsmaをご紹介しよう。

米スタンフォード大学(Stanford University)の気候変動に関する研究者だったDavidは、研究を進めるにつれ、この深刻な問題をより多くの人々に伝え、世界が共通の課題認識を持つことこそ必要だと考えるようになった。そこで、2005年から2007年にかけ、米カリフォルニアから中米・南米を南下し、米東海岸に戻ってさらに米国内を西海岸に向かって横断する、総距離2.1万マイル(約3.38万キロ)のアメリカ大陸縦断サイクリングの旅に取り組んだ。この間、砂漠・山脈・熱帯雨林など、アメリカ大陸各地における気候変動の影響について観測・研究しながら、16カ国150箇所の学校やコミュニティセンターで講演を行い、気候変動の深刻さや取り組むべき課題について説いてまわった。

Route for Cycling Tour in American Continent: Copyright(C)2009 Ride for Climate, All rights reserved

Route for Cycling Tour in American Continent: Copyright(C)2009 Ride for Climate, All rights reserved

以下の動画でその様子がまとめられているとおり、Davidは、自身の知識を旅で出会った多くの人々に共有する一方、彼らから様々なことを学んだ。台風で農作物に壊滅的な被害を受け貧困に悩む人、地球温暖化の影響で農場を閉鎖せざるをえなくなった人、干ばつに苦しんでいる少女、海面上昇で家屋が危機的状態にある青年…。発展途上国における気候変動の影響を目の当たりにし、この問題の深刻さを改めて実感する。また、現地の人々とのコミュニケーションを通じて、気候変動の影響で苦しんでいる人こそ、この課題に対する懸念や関心を強く持っていることにも気づかされたそうだ。

自身の研究者としてのキャリアや知識、そしてこの足かけ2年にわたる米大陸縦断の旅から得た経験をテコに、Davidは活動の幅をさらに広げている。サイクリングツアーを通じて地球温暖化や気候変動の実態を共に学ぶプロジェクト「Ride for Climate」を立ち上げるとともに、「350.org」や「Hopenhagen」といった世界規模の気候変動対策活動にも参加している。ブログメディア「HuffPost」と「Hopenhagen」が共同で開催したコンテスト「The HuffPost Hopenhagen Ambassador」では以下の動画を投稿し、初のHopenhagen大使に選出された。彼は大使としてコペンハーゲンに出向き、アル・ゴア(Al Gore)やコペンハーゲン市長らキーパーソンと面会し、世界の草の根の声をCOP15に届ける予定だ。

Davidの気候変動防止に向けた旅はまだ始まったばかり。私たちも彼に続き、気候変動への関心を高め、課題意識を持ち、できることから少しづつ行動に移していこう。それこそが、地球全体の気候変動防止への第一歩につながるに違いない。

2009年12月14日追記:
DavidはHopenhagen大使としてコペンハーゲンに無事到着。空港から自転車で市内に入ったそうだ。彼のコペンハーゲンレポートは随時「HuffPost」で公開される予定。COP15の動向とともにチェックしてみよう。

Davidのアメリカ大陸横断サイクリングの旅を写真でみてみよう