「宇宙で太陽光発電」というSFワールドが現実に!日本も2兆円を投資へ

Solar Energy from Space: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by picocarhot

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greenz記事「ついに発売!持ち運びも便利な折りたためるソーラーパネル」や「日本でもついに発売!本体でソーラー充電できる携帯電話」など、太陽光発電の小型化・携帯化が進む一方で、宇宙規模のダイナミックな計画も着々と進行している。宇宙で太陽エネルギーを集め地球に送ろうという壮大な取り組みが始まっているのだ。

基本的な仕組みは「National Space Society」が製作した以下のアニメーションのとおり。太陽光パネルを装備した衛星を地球から打ち上げ、そこに太陽光を当てて直接エネルギーを集め、このエネルギーを地球に伝送し、各家庭や工業・商業施設に届けるというイメージだ。ここでポイントとなるのは「宇宙から地球にどうやってエネルギーを伝送するか?」なのだが、この分野の研究も徐々に進められている。2008年には、米航空宇宙局(NASA)の元幹部で物理学者のJohn Mankinsが、マウイ島の山頂で太陽エネルギーを集め、約148キロメートル離れたハワイ本島に無線伝送するという実験を成功させた。この伝送技術を活用すれば、宇宙で集めた太陽エネルギーを地球に送るという新しい発電手段の実現可能性が広がる。

一方、日本でも、2009年9月、経済産業省宇宙航空研究開発機構(JAXA)の主導のもと、三菱重工IHIなど16企業が参加する研究開発プロジェクトが立ち上げられた。2030年、宇宙衛星での太陽光発電の操業開始を目指し、2兆円規模の投資を行う。

発電能力は1ギガギットを想定し、東京都の29.4万世帯分の電力需要をまかなう方針だ。地上での太陽光発電では、天候が発電効率を左右したり、立地条件によって発電能力にばらつきが出るという短所があるが、宇宙での太陽光発電が実用化されれば、天候や季節の影響を受けず、昼夜問わず24時間365日、安定的に電力供給できるという大きなメリットがある。これにより、二酸化炭素排出量の大幅な削減も期待できるだろう。

もちろん、宇宙での太陽光発電には課題も多い。まずはコスト採算性だ。現時点では設備投資に膨大な資金が必要。今後の研究開発においては、コスト効率化の追求も大きな課題のひとつだろう。また、流星塵などの宇宙の浮遊物が太陽光発電を行う衛星に何らかの影響を及ぼす可能性も指摘されているし、電力エネルギーを宇宙から地上へ伝送するにあたって、地球環境や人体への安全性を保証することも不可欠だ。とはいえ、宇宙での太陽光発電が、太陽光というクリーンエネルギーを地球で効率的に活用するための画期的な技術であることに違いはない。

自宅で使う電気が宇宙から届くなんていうSF映画のような世界が実現する日もそう遠くないかも!?

宇宙エネルギー利用に関する研究についてさらに学ぼう