ソーラーパネルで充電できるiPhone用のケースや風力と太陽光のハイブリッド充電器「HYMini」など、現在のところ、代替エネルギーの主流は、太陽光や風力のようだが、選択肢はまだまだこれらにとどまらない。そこでこちらでは、ジュースで充電するというちょっとユニークなアイデアを3つご紹介しよう。
1: 炭酸ジュースで充電できる携帯電話用バッテリー「Nokia ‘green’ phone」
冒頭画像は、中国のデザイナーDaizi Zhengによって発明された、炭酸ジュースで充電できる携帯電話用バッテリー「Nokia ‘green’phone」のコンセプト図だ。従来のバッテリーに有害物質が多く含まれていることを知った彼女は、これに代わる環境負荷の低いバッテリーとして、酵素を媒介に炭水化物から発電する方法を思いついた。酵素が入ったバッテリー部分に炭酸ジュースを入れると、これに含まれる糖分が反応し、発電する仕組みになっている。使用済みになると廃棄物は水と酸素だけという構造になっているため、環境負荷の軽減につながるそうだ。そのうえ、従来のリチウム電池よりも3~4倍長持ちという経済性の高さもこのバッテリーの魅力のひとつといえよう。
2: 水分であれば何でもOKの水電池「NoPoPo」
水でもジュースでもオシッコでも(!)、水分なら何でも加えるだけで電池になるグッズが「NoPoPo」。以下の動画でその使い方が紹介されているとおり、付属のスポイトを使って0.5ml~1mlの水分を加え、2分ほど待てば、電池に早変わり。使用中に水分が漏れ出す心配もなく、10回程度であれば繰り返し使うことができる。災害時の緊急用バッテリーとしても注目されているそうだ。
3: ジュースでプロペラが動く環境教育玩具「ene pocket drink cube」
ソニーは、炭水化物を酵素で分解して活動エネルギーを得るという生物の“呼吸”のメカニズムを応用し、ジュースで発電できるバイオ電池を開発した。2010年1月に開催された玩具の新製品展示会「TOYフォーラム2010」では、このバイオ電池を動力とした発電ユニット「ene pocket drink cube」が紹介されている。ジュースの入った左のキューブを右のキューブにくっつけるとプロペラが回転するという仕組みだ。
このプロペラの”燃料”となるジュースはコーラなどの炭酸飲料でも100%果汁ジュースでもOKだが、ジュースの種類によってプロペラの動き方に差がみられるとのこと。このような特徴から、子供用の知育玩具としての製品化が待たれている。「ジュースによってプロペラの動きがどう変わるのか?その原因は何なのか?」を考え始めると、子供だけでなく大人でも、探求心や知的創造力がかき立てられるだろう。
このほかにも、藻を使ったバイオ燃料やチョコレートで走るレーシングカーなど、様々な植物や生物を活用したバイオ燃料が開発されている。いずれのバイオ燃料においても、極端な移行により、さらなる環境破壊といった別の問題が生じることは好ましくないが、一方で、石油をはじめとする化石燃料に過度に依存する現在の体制から脱却し、エネルギーの多様化を推し進めていくことは不可欠だ。その方策のひとつとして、バイオ燃料を健全なエネルギーへと発展させていくことこそ、大切なことなのだろう。
ジュースで動くリモコンカー「ene Cargo(エネカーゴ)」の動画をみてみよう