greenz記事「グリーンなガジェットのグランプリが決定!」でご紹介したとおり、2009年2月に米ニューヨークで開催された「Greener Gadget Design Competition」において見事優勝に輝いたのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生プロジェクトチーム「ladyada」が開発した「Tweet-a-Watt」。Twitterを使って家庭の電力消費量を可視化するというこの画期的なシステムについて、さらに詳しく掘り下げてみよう。
「Tweet-a-Watt」は、電気製品の電力消費量を計測し、Twitter上でその結果を”つぶやいて”くれるというシステムだ。無線通信モジュール「Xbee」を使って家庭向けの電力計測機器「Kill-A-Watt」とPCを接続させ、計測データをPCに取り込んでオンラインに発信するという仕組みになっている。
では、具体的に、どのような手順でこのシステムを導入できるのだろうか?
詳しくはこちらのウェブサイトをご参照いただくとして、大まかなポイントをご紹介しよう。
ステップ1: 電力計測機器と無線通信モジュールを買う
まずは、市販されている電力計測機器と無線通信モジュールを購入する。米国では、電力計測機器「Kill-a-watt」を30米ドル前後で買うことができる。また、無線通信モジュールとしては「Tweet-a-Watt」に必要なXbeeのキットをまとめた「Tweet-a-Watt starter pack」なども市販されている。
Kill-a-watt: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by alliancetosaveenergy
ステップ2: Kill-a-wattに無線通信モジュールを組み込む
以下の画像のように、Kill-a-Wattに無線通信モジュールを組み込む。(左端の青いチップ状のものが無線通信モジュール「Xbee」)
Kill-a-watt with Antenna: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by ladyada
より詳しい手順は以下の動画もご参照あれ。
ステップ3: 計測データをPCに取り込む
XBeeのデータを読み込むソフトウェアには「python 2.5」がある。ladyadaのウェブサイトに掲載されているマニュアルを参考に、これらのソフトウェアをダウンロードし、PCにデータを取り込めるようにしよう。以下の画像のとおり、データをグラフ表示させたり、Twitterアカウント「tweetawatt」のようにオンライン上で公開することが可能になる。
Data from Tweet-a-watt: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by ladyada
自分が消費している電力量については、月1回電力会社から受け取る請求書で確認する程度、という人も多いだろう。しかし、これがリアルタイムに数値化され、自分の目でチェックすることが習慣になれば、次第に省エネに対する意識も醸成される。また、データの傾向を分析することで、各家庭における消費電力の課題を発見し、省エネへの具体的な対策や行動につなげることも期待できる。「Tweet-A-Watt」は、地球温暖化防止やエネルギー消費の削減という大きな課題を家庭の行動から解決しようという画期的な創意工夫のひとつといえるだろう。