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“世界遺産のある村”だけでは終わらせない。白川郷に新しい風を吹き込む「ヘリテージ・マネージャー」求む(家&クルマ付き)!

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1,725人の村人が寄り添い合って住む村。その暮らしの風景を見るために訪れる観光客は年間150万人。日本でも有数の豪雪多雨地帯であり、その条件に適した急勾配の茅葺屋根を持つ合掌造りで有名な村、それが「日本で最も美しい村連合」にも加盟している岐阜県の白川村です。

みなさんの中には、訪れたことがある人も多いと思います。今回はこの町の魅力を、たっぷりとご紹介します。

暮らしが続く世界遺産、白川郷

村の約96%が山林であるこの村には、急峻な山々に囲まれ、間を縫うように流れる川の流域に形成された集落があります。かつては、冬季に周辺との交流を遮断していたこともあり、“秘境”とされる場所でした。

地元の人々が協力して、合掌造りを守り続けるために進めてきた保護活動が認められ、昭和51年に初回の全国重要伝統的建造物群保存地区に選定、平成7年には日本で6番目の世界遺産に登録されました。登録された際にも高く評価されたのは、その特徴的建築様式だけではなく、114棟の合掌造りの家のうちの59棟には、現在も支え合いながらそこで暮らす人々がいるという点。

特筆すべきは、合掌造りのある集落で30年から40年に1度行われるという茅葺屋根の葺き替え作業。住民たちの共同作業によって行われ、しかも、晴れた日の2日間で完了しなければならないため、約200~300人が一同に取り掛かるのだそう。

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さらに、この作業は「昔、私の家も葺き替え手伝ってもらったから」「私のお父さんの時に手伝ってもらったらしいから」という、お金を介さない助け合いの関係で成り立っているのです。

自らも白川村出身であり、観光振興課に勤務する高島一成さんは、

葺き替え作業にも見られるように、小さい村だからこそ、地域の人たちは必然的に密な関係を築き、協力しあって暮らしています。この村の人たちは、昔から行政に頼らず住民みんなでこの村を守って来たという歴史や誇りがあるんです。

と話します。

求む!ヘリテージ・マネージャー

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そんな白川郷で、今回、文化や観光資源も豊かなこの世界遺産の街をさらに活性化させ、新しい風を吹き込んでくれる「ヘリテージ・マネージャー」を募集することになりました!今回募集するのは次の3つの役職。

1. ヘリテージ・パブリシティ・マネージャー
— ソーシャルメディアなどを駆使し、白川村の魅力を世界に向けて発信する、メディア担当。

2. ヘリテージ・コミュニティ・マネージャー
— 廃校になってしまった校舎のリノベーションや空き家の利用等の企画担当。

3. ヘリテージ・プログレス・マネージャー
— 保健師と協働で、元気な過疎をデザインする、住民の健康プランニング担当。

例えば、「ヘリテージ・コミュニティ・マネージャー」には、廃校となった校舎をどのような施設、場所にしたら街がより魅力的になるかをプランニングしてもらいます。そして、温泉街としても有名な南部地区での名物料理研究・開発に関わるなど、クリエイティブで、わくわくするような仕事が待っています。

存分に活躍、実績をあげられるよう、給料に加え、家賃・光熱費は村が負担し、車も提供してくれるそう。一年ごとの契約更新制であり最長3年間の任期ですが、その後も白川村を担う人材として、役場の正規職員への登用などのキャリアも用意されています。

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任期は早ければ2013年9月からのスタート。10月には、村の大イベント、5つの神社によって個性的な手作りどぶろくが振る舞われる「どぶろく祭り」も待ち受けていますから、充実した仕事になりそうです!

「明るく人付き合いが得意な方、フットワークが軽い方、前向きな方が来てくださると嬉しいですね」と高島さん。

白川村は、確かに世界遺産の村として知られていますし、昔から行政に頼らず自分たちの手で村を守ってきたという歴史があります。しかし、これからは、守りだけではなくて攻める村づくりがしたい。外からやってきた人たちも楽しく過ごせる村にするために、新しい視点を持った人たちと村の未来を作り上げられる雰囲気が必要なんです。

「ヘリテージ・マネージャー」募集などの目的は、世界遺産を守るだけではない。そう話す高島さんは、より魅力的な村づくりにむけて、新しい風を吹き込んでくれる若い人にきて欲しいと、期待を寄せていました。日本で最も美しい村を仕事場にしたい方、この機会にいかがですか?

(Text:中村優)