今、寄付や助成金に頼らず、ビジネスで社会問題を解決しようとする社会起業家が20代、30代の若者がアメリカでも、日本でも急増中!
その中でも注目すべきは、NYタイムズ・マガジンの「2006年のトップ・アイディア」に選ばれたKiva.org。アフリカ、アジア、南米の資金需要のある起業家に個人が貸付けできるマイクロファイナンシング(小口金融)のオンラインシステムを世界で初めて実現した非営利団体だ。
Kiva.orgでは、手数料はゼロ、貸し手のお金は100%起業家に貸し出される。貸し手には利息がつくわけではないが、一方的な寄付でなくローンという形で、貸したお金は半年から1年で戻ってくる。また、PayPal(ネットを利用した決済サービス、親会社はeBay)の電子決済を使って誰でもお金を貸すことができるが、PayPal が日本語化されたことで日本にいながら、途上国の起業家を応援することが可能に!ローンは最低25ドル(約2700円)からできる。
サイトからは、目標額とそのうちの何%の資金が集まったかをひと目で見ることができるので、その中から応援したい起業家を選ぶ(LEND(貸す)タブをクリック)だけ。貸し手は候補者の写真をクリックしてそのプロフィールを読んで決めることができるので、安心して参加できるというわけだ。
いよいよ応援する起業家が決まったら、PayPalの電子決済を使ってお金を貸す。その後は、貸し手に毎月起業家からのメッセージが届くように設定することもできるし、JOURNAL(日記)タブをクリックすれば貸した後の起業家の状況を把握できる。
この他にもアメリカでは、2007年の大学新卒者の人気就職先リストにピースコープ(平和部隊)が第5位にランクイン。1961年にケネディ大統領の提唱により創設された米国の長期ボランティア派遣プログラムだ。ピースコープ(平和部隊)では派遣期間である2年間、アフリカや南米などで現地での英語教育、情報技術提供、エイズ救済を行っている。
もちろん日本でもこうした動きは始まっている。楽天などのネット売買やサイトをクリックするだけでNGOに募金できるサイト「イーココロ!」を26歳という若さで立ち上げたのは、関根健次さん。イスラエルを旅したときに目の当たりにした深刻な民族間の対立、また世界で起きている環境破壊、戦争、紛争、飢餓、貧困などの問題が起業という行動につながったのだという。このイーココロ!には「世界中の人と人をつなぎ、様々な問題を解決し、すべての人が共存共栄できる社会を創るために」という思いが込められているのだ。
また、25歳で女性起業家となった、マザーハウスの山口絵理子さんは世界で最貧国のバングラデッシュで現地の職人たちと協力し、ジュートという素材を使用したバッグを作り始めた。今では入谷にお店を持ち、バッグをはじめ様々な商品を販売するまでに。著書の『裸でも生きる』(講談社)で彼女は「“ただただ生きるために生きていた”バングラデッシュの貧困のすさまじさを体験したことがきっかけで現在の活動に至った」と語っている。
ちょっとしたアイディアと行動力があれば社会をよりよくすることは可能だ。次の社会起業家はあなたなのかもしれない!