グリーンズがビジョンに掲げている「いかしあうつながりがあふれる幸せな社会」。その実現のためには、人・社会・自然との関係性のなかで、それぞれがいかしあう状態をつくっていくこと、つまり、関係性をデザインしていくことが大切です。
この「関係性のデザイン」をみんなで楽しく探究していけたらと、グリーンズが考案・開発したオリジナルのカードセット「いかしあうつながりデザインカード」。
このカードを使ってどんな学びができるか、どうやって関係性をデザインしていけるかを、いろいろなワークを紹介していきます。(カードについて詳しくはこちら)
「パーマカルチャーの倫理」ワークとは
「人を大切にする」「地球を大切にする」「豊かさを分かち合う」ーいかしあうデザインの土台にもなっているパーマカルチャーが大事にしている3 つの「倫理」です。
(※パーマカルチャーについてはソーヤー海さんの記事に詳しくに書いています。)
どこかの標語にありそうな言葉が並んでいますが、うわべではなく、これらを本気で考えてみる、というのが今回のワーク。
やってみるとわかりますが、言うは易し、行うは難し。なかなかパワフルで興味深い時間になるはずです。
もっともシンプルにいかしあうデザインを実践するには、この3つの問いに答える在り方を模索し続けることではないかと、思うのです。
ワークの概要
ワークに大切な態度
・このワークは、答えを出すことが目的ではありません。
・自分や相手の声を心から聞き、心から話しましょう。
・ワークの前に参加者同士で「チェックイン」をすることもおすすめです。
ワークの進め方
1. 2人ひと組になり、聞き役と話し役を決めます。ワークはひとりずつ順番に行います。
2. パーマカルチャーの倫理1、2、3のカードがありますが、初めてこのワークを行うときは、1の「人を大切にする」から始めるのがおすすめです。
3.聞き手は、カードの裏に書かれたフキダシの中の質問を、上から順番に投げかけます。話し手は、その問いをじっくり味わいながら、話してみてください。フキダシの質問にすべて答える必要はありません。(ひとりあたり10~15分)
4.このとき、聞き役は、相手が話しやすいように、あいづちを打ったり、「それはどういう意味?」「もっと〇〇について聞きたい」など、話しやすい軽い質問をしてみてください。アドバイスやジャッジメントはせず、話し手に寄り添って聞きましょう。
5.時間が来たら、役割を交代して、同じことを行います。
6.「人を大切にする」が終わったら、「地球を大切にする」「豊かさを分かち合う」も同様に行います。
じっくりと自分につながって話すことが大切です。ひとつひとつが深い問いなので、十分な時間がとれないときは、1枚ずつ日を分けて行うのもいいですね。
ワークのコツと発展
「パーマカルチャーの倫理」は、「はじまりの問い」と同様に、いかしあうデザインを実践していくなかで迷ったら立ち戻っていく指針です。
はじまりの問いは自分の中にあるものを観察していく試みですが、パーマカルチャーの倫理は、幸せな社会に向かうための道しるべとなる北極星であり、自分がちゃんと北極星に向かって進んでいるのかを見極めるための指針です。
2人ひと組でそれぞれが話すワークを行ったら、次の機会には、2~5人程度でそれぞれの問いについてディスカッションにチャレンジすると面白いと思います。
さらなる発展としては、複数のカードを組み合わせてディスカッションするのも興味深い体験になるはずです。例えば「人を大切にすることと、地球大切にすることが両立する社会ってどんなもの?(カード1・2の両立)」、「人を大切にすることとと、豊かさを分かち合うことを両立するにはなにが必要?」(カード1・3の両立)、さらには、1・2・3の3つの問いに同時に答えるということについても。大変にむずかしい問いですが、このプロセスが、きっとあなたをすばらしい「いかしあうデザイン」へと導いてくれるでしょう。
やってみたレポート
#いかしあうデザインカード(随時更新)
みなさんは、どんな人と、どんな場面で「パーマカルチャーの倫理」ワークをやりましたか?
ぜひ「#いかしあうデザインカード」をつけて、SNSでワークの感想や収穫を教えてください。
(このワークの発案者:鈴木菜央)