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家庭菜園の準備は、土と水と新聞紙。プラごみを出さない「新聞タネまきポット」のつくり方

2020年からのコロナ禍において、始めた人が多いといわれるのが家庭菜園。

確かに、あの小さな一粒のタネが食べものへと変わる感動は、つい暗い気持ちになりがちなパンデミックにおいて希望がもてる行為なのかもしれません。家庭菜園のおかげで、「食べもの=買うもの」とすっかり凝り固まった思考も柔らかくできれば、さらに快適な日常生活にもなるはず。

ならばもう一歩、遊び心を追加してみませんか。ホームセンターでプラスチック製の専用アイテムを買う前に、手元にあるものを活かしてタネまきをしてみましょう。

新聞紙でつくる
タネ&苗ポット

タネが育つのに必要なものは、土と水と太陽です。土を入れるためのポットはわざわざ買いにいかなくても、紙コップや卵の容器などでも代用可能。さらに、新聞紙でつくることもできます。新聞紙は水分を吸って貯め込むため、適度に湿度が保てること、さらに、プラスチックゴミなどが出ないというメリットがあります。

用意するもの
・新聞紙
・芯となる瓶や缶など(下記参照)
・はさみ
・(必要に応じて)マスキングテープ

仕上がりサイズも
「芯」を使えば自由自在

タネまき用ポットをつくるなら直径4〜5センチ、発芽した後の苗のためのポットをつくるなら直径7〜8センチを目安として、希望にあったサイズの瓶や缶を使います。それを「芯」にすることで、新聞紙でもサイズを揃えてつくることができます。

我が家では、タネまき用ポットをつくる芯として直径4センチの七味が入っていた小瓶を、苗用ポットをつくる時は直径8センチの花瓶を芯に使っています。

1. 新聞を切る

新聞紙は2枚重ねで使います。大きさは、さほど厳密にならなくても大丈夫ですので、仕上がりの高さから逆算しましょう。

タネ用のポットをつくる場合に仕上がる高さは、おおよそ3〜4センチが一般的です。新聞紙でつくる場合はさらに、底となる部分として同じくらいの長さが必要になるので、8〜9センチの幅が必要となります。長い辺は巻き込む部分なので、新聞の幅のままでも大丈夫ですが、目安として27〜28センチはほしいところ。2枚重ねのまま、つくるポットの数を切って準備します。

2. 芯になるものを巻く

芯を巻いてる部分がポットの高さとなり、何もない(左手で押さえてる部分)がポットの底になります。

3. 底をつくる

巻き終わったら、底になる部分が上部になるように持ちかえて、新聞紙を折り込みながら底にしていきます。

新聞紙の巻き終わりのところから、芯の底に当てるように中心に向かって、折り込む。

先に折った少し横を同じように折り込む。餃子のヒダの要領で、同一方向に少しずつ折り込みながら一周する。

底はなるべく平らにする方が使いやすいので、一周したら逆さに持ち替えて、テーブルなどに押し付けて折り目をしっかりつける。最後は、最初の折り目に挿入してもいい。

できたら芯を外して完成です。この時点ではまだ軽く、底面の厚みが均一でないこともあってまっすぐに自立しにくいですが、中に土を詰めて水を含むと安定するので大丈夫です。また、苗用のサイズをつくる場合は、土の量も増えて重たくなるので、新聞を4枚重ねにしたり、巻き終わりもマスキングテープで止めるなどすると、さらに使いやすくなります。

1個つくってコツがつかめたら、量産も簡単です。

あとは土を入れてタネをまき、水をあげて管理すればいよいよ家庭菜園のスタートです。新聞紙なので、何のタネをまいたか直接ペンで書くことができて、札をつくる手間も省けます。

新聞紙だけでは軽かったポットも、しっかり土を詰めて、水を吸うと安定します。

毎朝お水をあげても崩れることなくポットとして活躍。

タネはポットの土中で根を張り巡らせるので、成長するほどに安定していきます。しっかり育ったらプランターや畑に移してあげましょう。その際は、新聞の巻き終わり部分から優しく剥がすようにすると簡単です。

市販されている苗を買ってきて植えれば確実に収穫しやすく、それはそれでとても楽しいものですが、自分でタネをまくのはまた格別です。発芽するまでのドキドキ感や、少しずつ大きくなる過程のわくわく。小さなタネが食べものになる様子を見守るほどに、自然の成り立ちが実感でき、大きな感謝に包まれると思います。

出窓やベランダなどでもできるので、身近なものを活かして食べものを育ててみましょう。