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ソーヤー海直伝、豊かな暮らしをパーマカルチャーデザインで実現する方法(前編)

ハロー、ソーヤー海だよ! これまでパーマカルチャーのいろいろな世界を紹介してきたけど、今日は実際にどうやってパーマカルチャーの実践をしていくか、デザインのやり方を伝えたいと思う。

僕は、パーマカルチャーを人間関係やコミュニティのデザインに応用してきたけど、その基本にあるのは生態系を理解して土地と暮らしをデザインすること。この理解があると、よりパーマカルチャーデザインを活かせるようになる。一緒により豊かな暮らしと社会をデザインしていこう!

まずは前提として、パーマカルチャーの「3つの倫理」をおさらいしておこう。

①地球を大切にする
②人を大切にする
③豊かさを分かち合う
(③はいろいろな表現の仕方があるけど僕はこの言い方が好き)

パーマカルチャーのデザインはこの3つの倫理を土台にしているのが特徴。会社や企業が個人の利益ではなく、この3つの倫理をボトムラインにしたら、それこそ共生革命が実現するよね。

そしてパーマカルチャーの「原則」もあって……興味ある人は自分で調べてみてほしいけど、なかなか専門的または抽象的で短く説明するのが難しいうえに、パーマカルチャーの創始者のビル・モリソンとデビッド・ホルムグレンで原則の表現が違っている(これって多様性のあらわれ?)。

ちなみに僕のパーマカルチャー仲間で、千葉の南房総で実践しているフィル・キャッシュマンと岡山の上籾のホルツヒューター・カイル・ロナルドは、「原則」をシンプルに①楽しい、②美しい、③美味しい、④自分らしい、の4つにまとめてる。そんな暮らしができたら最高だね!

さて、具体的なデザインプロセスの最初に必要なのは、ビジョンを描くこと。自分がどうありたいか、どういう世界をつくりたいかを考えるんだ。さらにそれを具体的なゴールに落とし込む。

例えば、自分の土地で年間に必要な食料の50%を生産したい、古民家を再生して15人の研修生が暮らしながら畑ができる場をつくりたい……。自分がワクワクするゴールを設定するのがポイントだよ。

その次はとても大切なプロセス、観察すること。パーマカルチャー界では「手を加える前に1年かけて土地を観察してみよう 」ってよく言うんだけど、どこにどういう植物や動物が生息していて、どんな機能があるか――「ニワトリは肉になる」だけじゃなくて、鶏糞が土壌を豊かにするとか、虫を食べてくれるとか、草を刈ってくれるとか、ひとつひとつの要素が持ついろいろな性質(ギフト)と可能性をとらえるんだ。

デザインプロセスの例。まずマッピングのために白紙の地図=ベースマップを用意する。以下すべて、中部地方で活動しているPermaculture Design Lab.のメンバー、大村淳と川村若菜が手掛けている、静岡県浜松市のフォレストガーデンの敷地の場合。

夏場の人の動きを線で示したもの。草を刈る場所、蚊が出る場所なども書き込んでおく。

こちらは冬場の人の動き。炭焼きをする場所(およびそこへのアクセス)などが入っている。

デザインする前に敷地にある植物の分布図を記しておく(図はデザインから数年経ったもの)。植えてある場所だけでなく大きさや高さもメモ。植物の名前も書き込むとよい。

さっき紹介したビル・モリソンはこんなふうに言っている。

パーマカルチャーとは、自然と闘うのではなく、自然と共に働く哲学です。長時間の無意識な労働ではなく、長期的で思慮深い観察(protracted observation)の哲学です。

そうやって観察すると、その土地で起こっている豊かなインタラクション(それぞれが関係しあうこと)が見えてくる。自分の考えを土地やコミュニティに押し付けるのではなく、まずはそこにどんな豊かさがあるのか、自分に見えてないものは何かを捉えることに専念する。あるものを活かすことができれば、ないもの(お金も含め)を他所から持ち込む必要は、どんどん減るよ。

この最初の観察のフェーズで致命的なミスをしないようにするのがすごく重要なんだ。そこに何があるのかを理解しないままデザインしちゃうと、あとあとコストがかかっちゃうからね。例えば、冬に日光を取り入れない家を設計したら、つねに冷えた家になってずーっと暖房をつけなきゃいけなくなっちゃうよね?

こういうケースはパーマカルチャーでは「デザインが悪い」って捉えるけど、これって現代社会がこれだけの化石燃料と原発を必要としているのも同じこと。デザインが悪いと、いまの社会のように次世代に負の遺産(温室ガス、放射性物質、産業廃棄物、プラスチック、借金)を残すことになる。でも、自然とともにリジェネラティブ(再生型)なデザインをすれば、健全で豊かな地球を再生できるんだ。

(編集: 岡澤浩太郎)
(イラスト: Wakana Kawamura)
(写真: Nobuaki Kita、greenz.jp編集部)

– INFORMATION –

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