5/28(木)第4回 green drinks STAY HOME!!!『いかしあう生き方』(ソーヤー 海×鈴木 菜央)

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街で営業している小商いは、希望の光だから。バウムが小規模店舗向けに無料のポスターデータを配布する理由。

2016年にgreenz.jpライターインターンになってから早4年、この春で社会人3年目。2020年2月、私はさまざまな「場」のブランディングを手がける「株式会社バウム」に転職しました。

それから約1ヶ月もたたないうちに、日本国内における新型コロナウイルスをめぐる状況が一変。感染拡大、非常事態宣言の発令に伴い、さまざまな経済活動が打撃を受けています。外出自粛や営業自粛要請により、特に飲食店をはじめとする小規模店舗への影響は極めて深刻な状況です。

「株式会社バウム」は、小規模店舗をはじめとするさまざまな「場」のブランディングやデザインに取り組む会社。周囲のスモールビジネスが厳しい経営状況に陥っている事実を受け止め、会社として何ができるのかを日々模索し続けています。

そんな中、弊社は4月6日に小規模店舗向けの「ソーシャルディスタンス」営業に関する無料のポスターデータをリリース。さらに行政からの要望を受けて、4月24日には行政機関、公共施設向けのデータも追加しました。既にさまざまな店舗や施設がバウムのポスターを使ってくださっています。

ビジュアルの力で直感的に伝える

現在、弊社のWEBサイト上では「営業時間変更のお知らせ」「入店制限をしています」「仕切り設置」など、営業縮小や営業形態の変更について直感的に伝えることができる計25種類のポスターデータを公開しています(ダウンロードはこちらから)。店舗や行政機関、公共施設での利用に限り自由に追記・改変することも可能です。

無料配布中のポスターデータの一部

営業縮小や入店制限をする際の情報発信は、フォーマットや文章を店側が考えなくてはならず、この状況下で限られたリソースをさらに逼迫してしまいます。また、文章のみの場合、お客さんによっては理解するのに時間がかかってしまう可能性も。

ポスターを通じてそうした負担やコミュニケーションコストを減らし、店や施設、お客さんが少しでも安心してサービスを提供したり、受けたりできる場をサポートするのがこの取り組みの目的です。

弊社のポスターデータをご活用くださっている株式会社 蒲生商事さん

きっかけはロックダウン下のコペンハーゲンの光景

取り組みのきっかけとなったのは、社長の宇田川裕喜がロックダウン下のデンマーク・コペンハーゲンで見た光景。

弊社にはコペンハーゲンにも拠点があるため、ロックダウンが開始された3月12日当時、宇田川は現地に滞在していました。デンマークはドイツとの国境を封鎖し、空路での観光客の受け入れも停止。教育機関やオフィスはほとんどクローズとなり、3月18日には10人以上が集まることも禁止されました。

しかし、現地には素早くクリエイティブなアイデアを打ち出し、営業を継続させた小さなお店があったそう。

宇田川 街のスモールビジネスには大きな影響がありましたが、工夫しながら営業できるよう、クリエイティブな取り組みをしている店は街の「希望の光」となっていたんです。

店舗の前でコーヒー屋台を始めた、コペンハーゲンの人気コーヒー店「Prolog」©︎BAUM LTD.

その光景を思い出し、ブランディングやデザインを行う会社としてもう一歩踏み込んだ支援したいと考えた宇田川。そこで、「ポスター」を通じて小さな店の営業をサポートするというアイデアに行き着いたといいます。

宇田川 現場のリソースは普段から限られている上に、この非常事態では想像以上に業務がかさみます。貼り紙ひとつをつくるにも負担があるので、それを軽減するとともに、お客さん側の不安を払拭できるようにしたいと考えました。

なぜそこまで「小さなお店」にこだわるのか。そこには宇田川のある特別な思いがありました。

宇田川 昨年、ひいきにしていた飲食店が2つなくなって想像以上の喪失感、ダメージがあったんです。だからこそ、非常事態において苦境に立たされている小さなお店を少しでも支えたいと思いました。

チームワークを駆使して、半日でアイデアを実現

宇田川の思いを受けて、4月6日の朝10時、バウムのメンバーは全員でオンライン会議を行いました。30分ほどで方向性とそれぞれの役割を決め、作業を開始。

チャット上で細かなやり取りをしながら、当日の16時には計11種類のポスターデータの配布を始めることができました。正直、このスピード感には私もびっくり。

社員全員が在宅勤務という状況でしたが、少人数の私たちだからこそ、それぞれの得意を最大限に活かして素早くアイデアを実現することができたのだと思います。

バウムでの最近のMTG風景。こんな和やかな場面もありつつ、毎回のMTGでは全員で「バウムとして、いま何ができるか」を真剣に話し合っています。


私には大好きな飲食店や小さなお店がたくさんあります。そのどれも絶対になくなってほしくない。けれども金銭的に毎日テイクアウトすることはできないし、そもそも外出できないので店まで行くことすらできません。「何もできないこと」にただ悶々とする日々が続きました。

しかし、この取り組みを通じて支援にもさまざまなレベルや方向性があっていいのだと気がつきました。好きなお店に直接行けなくとも、近くに住んでいる人に「こんな素敵なお店があるよ」と教えてあげることだって、回り回って店を支えることにつながるかもしれない、と。

大事なのはきっと、各々の日常の範囲で考え、小さく行動し続けること。一人や一社だけでは微々たる力でも、それが連鎖していけば相応の支援になると信じて、私は私にできる支援の形を模索していきます。

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こちらの記事は「greenz people(グリーンズ会員)」のみなさんからいただいた寄付をもとに制作しています。2013年に始まった「greenz people」という仕組み。現在では全国の「ほしい未来のつくり手」が集まるコミュニティに育っています!グリーンズもみなさんの活動をサポートしますよ。気になる方はこちらをご覧ください > https://people.greenz.jp/