みなさんは、小さい頃公園でどんなことをして遊んでいましたか?
私にとっては遠い昔ですが・・・近所の公園で鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり。何であんなに飽きずに遊べたんだろうと思うくらい、公園で近所の友だちと遊んでました。
そんな近所の公園には、アスレチックなどの遊具が欠かせません。台北では、そんな遊具を全てごみや廃材からつくりだした2つの公園が期間限定で現れ、話題となっています。
この2つの公園はそれぞれ、「Swings Park(ブランコ公園)」、「Kids Ambition Park(子どもワクワク公園)」と名づけられました。どちらの公園でも遊具の素材として使われているのは、地域から出たごみや廃材です。
ブランコ公園で主に使われているのは、使われなくなった街灯の柱。黄色に塗装されてブランコを支える柱として活躍しています。高速道路の下だから騒音が大きいということを逆にメリットとしてとらえ、周りへの騒音を気にすることなく、子どもから大人まで楽しめる場となりました。
一方、子どもワクワク公園は隣に幼稚園があるので、迷路や滑り台を設置するなど、子どもたちが遊ぶことをより意識したつくりになっています。こちらでは、主に廃棄された貯水タンクが遊具の素材として使われました。
今回の公園づくりに関わったのは、スペインのアート集団「Basurama」。現代の使い捨て消費社会に対し、ごみや廃材を斬新な手法で活用することで、リユース(再利用)の啓蒙活動を行っています。
とはいえ、なぜスペインの団体が台北で公園をつくることになったのでしょうか?
実はこの公園、2年に1度開催されるイベント「World Design Capital(世界デザイン首都、以下、WDC)」の展示物。イベントにおける“Re-create taipei(台北の再創出)”というプロジェクトの一環としてつくられたものです。
展示のテーマは、地域と海外の団体が協業し、その制作の過程で地域の人びとも参加すること。そして、台北の都市課題について、革新的で且つ実用的なデザインで解決すること。
今回の公園は、台北を拠点としてクリエイティブなデザインで都市を活性化させる場作りを行うデザイン事務所「City Yeast」が、前回のWDCにも参加した「Basurama」に協力を呼びかけて協業が実現したのです。
「Basurama」マネージャーのMónica Gutiérrez(以下、モニカさん)は、今回プロジェクトについてこのように話します。
「Basurama」という団体名の由来はスペイン語のBasura(ごみ)とAmor(愛)。私たちはごみも愛を持って扱います。ごみからつくられた公園を通して、私たちが社会の中でどれだけのごみを生み出しているかについて考えるきっかけとしていきたいですね。
Basuramaが伝えたいのは、「ごみは存在しない」ということ。
物を溶かしたり分解してつくり変える“リサイクル”ではなく、元の形を残して活用する“リユース”。偏見を持たずに想像力を働かせ、デザインの力を使うことで、たとえごみとして扱われているものでも様々な使い道の可能性があるということを教えてくれます。
みなさんもいらないものを捨てる前に、少し工夫をすれば違う形で再利用できないか、一度考えてみませんか?
[via inhabitat, YouTube, Floornature, wdc2016]
(Text: 菅磨里奈)
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