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妊婦さんって、実は大変!”ぱぱとままになるまえ”の人たちが、妊婦体験してみました。[イベントレポート]

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あこがれの職業のように、ぱぱとままになることを夢見る人を増やしたい。

そんな想いで活動をしているのは、greenz.jpでも以前から紹介している「ぱぱとままになるまえに」(以下、ぱぱまま)。”ぱぱとままになるまえ”の世代の人たちで集まり、結婚や出産、子育てについて考えるイベントを開催しています。

その第10回目のイベント「ぱぱとままになるまえに(特別編)〜妊婦体験?!アンビリーバボー!〜」に参加をしてきました。こちらも以前紹介した妊婦体験システム「Mommy Tummy」を使って、妊婦さんの体験をしてみようというイベントです。

妊婦体験だけでなく、いつもの「ぱぱまま」のように先輩夫婦からのお話を聞くこともでき、すてきな時間を過ごすことができました。さっそく、当日の様子をお伝えしたいと思います!

本日も和気あいあいと、「ぱぱまま」スタート

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「ぱぱまま」代表の西出博美(ぴろみんこ)さんのあいさつでイベントスタート。まずはアイスブレイクとして、各テーブルにわかれて自己紹介タイムです。

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自分を表すキーワードを紙に書いて自己紹介

妊婦さんって、実は大変

自己紹介が終わり場が和んだところで、さっそく妊婦体験に入ります。最初にMommy Tummyの開発者、小坂崇之さんからのご説明です。

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神奈川工科大学 助教授・小坂崇之さん

社会の中で妊婦さんが思いやりのある待遇を受けていないのは、人々がその大変さを知らないからだろう。

妊娠体験システム開発の理由を、小坂さんはそう語ります。男性も妊婦さんの大変さを知ることができれば、電車で席を譲ったり、奥さんの代わり家事を手伝ったりすることが自然とできるのではないか、と小坂さんは考えました。

そうして生まれたのが、このMommy Tummy。これを使えば、妊娠期間の10ヶ月を、たったの2分間で誰でも体験することができるのです。

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参加者のみかんちゃんがMommy Tummy装着!

最初に感じるのは、重さよりも温かさ。赤ちゃんのぬくもりを再現するために、羊水と同じ37℃のぬるま湯を水袋に入れているからです。「この温かさによって、本当にお腹に赤ちゃんがいるような感じがした」と感想を話す参加者の方もいました。

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お腹が徐々に大きくなっていきます

赤ちゃんが成長してきたところで、お腹が何かに押されます……そう、赤ちゃんが蹴ったのです。これは、Mommy Tummy内の46個のバルーンが膨らんだり縮んだりすることで、胎児のリアルな動きを再現しているから。

このようにただ”お腹が重い”といった身体的負担だけでなく、Mommy Tummyを使うことで”胎児のぬくもり”や”赤ちゃんがお腹を蹴る”といった命を宿す喜びまで体験することができました。

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赤ちゃんや妊婦さんの状態を映した画面を見ることで、より理解を深めることができました

たった2分間の体験でしたが、「妊婦さんの大変さと、赤ちゃんに対する愛おしい気持ちがわかった」とみなさん口をそろえていました。お腹に赤ちゃんがいる大変さがわかった今、もうこれからは妊婦さんにやさしく接することができますよね!

すてきな先輩家族のお話を、みんなで

イベントの後半では、いつもの「ぱぱまま」のように、出産や子育ての先輩にお話を伺いました。今回お話をしていただいたのは、きみさん、ちかさん、りんたろうくんご家族。

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左から、ちかさん、りんたろうくん、きみさん

1人で産んだんじゃなくて、2人の共同作業だったんだ。

そう出産を振り返るのは、ちかさん。そのように思ったのは、りんたろうくんが3歳のときに起きた、ある出来事がきっかけでした。

ちかさんは、りんたろうくんが産まれるところを撮ったビデオを、彼が3歳になったら見せようと以前から決めていたそうです。ビデオを見ている間は、普段はやんちゃなりんたろうくんも、じっと真剣な表情に。そしてりんたろうくんは、自分が産まれてくる瞬間のことが急にフラッシュバックしたのか、「りんたろう、(外に)出たかった!出たかった!」と泣きながら叫びだしてしまったそうです。

あのときは、わたしだけが一人痛くて、大変なんだと思っていたけれど、今では、りんたろうと2人でがんばったんだなぁってわかりました。りんたろうも頭の骨を動かして、狭いところから一生懸命産まれてきてくれたんだ。

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子どもが産まれることで、ちかさんとの関係が変わってしまうことを不安に思ったり、1人の時間を簡単にとれなくなったことでストレスを感じたこともあったと語るのは、きみさん。

でもみなさんもたぶん見ていてわかるように、(りんたろうくんがいて)単純に楽しいです。飽きないですよ。

その言葉の通り、りんたろうくんの周りには、常に笑顔があふれていました。走り回ったり、突拍子もないことを言ったり、やったり。そしてきみさんもちかさんも、本当に楽しそうにりんたろうくんと触れ合っていました。

失いたくない、かけがえのない存在ができた。それはすばらしいことです。

と、きみさん。もちろん子育てには、大変なこともたくさんあるはずです。それでも、それを上回るよろこびや楽しみがきっとあるのだと、きみさんの話を聞いて思いました。

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ちかさんとりんたろうくんの写真を撮るきみさん

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先輩ぱぱままのお話に、参加者のみなさんも真剣に耳を傾けます

ぱぱとままを、夢見る世の中へ

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イベントの最後に、再びぴろみんこさんからのあいさつ。

「ただ妊婦さんが好き」という思いから「ぱぱまま」を始めたぴろみんこさんですが、活動を始めた当初は結婚も出産もまったく考えられなかった、と言います。

しかし「ぱぱまま」の活動を続け、たくさんの先輩ぱぱままの話を聞くなかで、価値観や選択の幅も徐々に広がっていったそう。以前は結婚や妊娠・出産を「大変そう」としか考えることができなかったけれど、「今ではいつでもOK」と、ぴろみんこさん。

ぴろみんこさん自身がそうであったように、妊娠や出産についての理解を深めることで、ぱぱとままを夢見る人をもっともっと増やしたい― 「ぱぱまま」の活動はこれからも続きます。

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最後はみんなで記念撮影。「ぱぱとままになる準備はOK」のポーズ

結婚や妊娠、出産に興味があるという方は、ぜひ一度「ぱぱとままになるまえに」に参加をしてみてはいかがでしょうか?

先輩ぱぱままの話を聞けたり、同じ想いを抱える同年代の人たちとおしゃべりすることができたり。きっとすてきな時間を過ごすことができると思います。

(撮影: NAOYUKI HAYASHI
 

(Text: 宮本裕人)