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脳性麻痺の治療に光!”臍帯血(さいたいけつ)の保管”を当たり前に選べる社会を目指す「ステムポータル」 [マイプロSHOWCASE]

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みなさんは”臍帯血(さいたいけつ)”って聞いたことがありますか?
ひとことで言えば、へその緒に含まれる血液のことです。

実はこの臍帯血、自分が白血病や脳性麻痺になったとき、治療に効力が期待できる大切なもの。にも関わらず、日本国内では顧みられることなく廃棄され続けています。

お隣の韓国では生まれてくる子供のうち、臍帯血の保管率が20%、アメリカでは7%であるにも関わらず、日本国内ではたったの0.4%と、圧倒的に低いのです。言わば日本は臍帯血の保管及び、臨床研究の進捗ではかなりの後進国。自分の臍帯血を保存し、いざという時に使うという選択肢を選べない…。

そんな現状をなんとか打開しようと立ち上がったのが、益城賢太郎さん。2011年キャンパスベンチャーグランプリ全国大会にて、文部科学大臣賞とテクノロジー大賞を受賞した益城さんのソーシャルベンチャーとは?


難病治療の希望として「臍帯血」を活用したい

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益城さんが2011年に設立したのが、「Family Cell Bank 株式会社」。臍帯血保管の保管が主な業務です。

へその緒に含まれる臍帯血は、生まれた時にしか取れない非常に貴重な幹細胞ソース。幹細胞とは、身体を作る様々な組織のおおもとになるもので、神経や皮膚、内臓なども幹細胞が分化することで作られるのです。

幹細胞は成人の脂肪や骨髄にも含まれますが、若い細胞の方がパワーもありますし、採取も容易です。ですからへその緒から採取した臍帯血は幹細胞の源として注目されているんです。

現在は主に白血病の治療に使われていますが、損傷した神経を再生させられる可能性があるので、海外では脳性麻痺や脊椎損傷などの治療に役立てる臨床試験が進められています。

一方、現在話題となっている「iPS細胞」もまた「人工多能性幹細胞」と呼ばれる通り、幹細胞の一種です。こちらは皮膚などから採取した細胞に人工的な加工を施し、分化を逆戻りさせたもの。そのため臍帯血の幹細胞より未分化な段階まで逆戻ることができることが特徴です。「まだまだ問題があるため、実用化はかなり先になるでしょう」と益城さん。

一生に一度だけの将来への保険「プライベート保管」

益城さんによると、臍帯血の保存には「パブリック保管」と「プライベート保管」の2種類があるのだとか。

前者は国内でも日赤や大学病院などが国の助成金を受けて運営していて、白血病の治療に活用されています。この問題点は白血病の治療にしか使えないということ。それと採取された臍帯血はたいていすぐに使われてしまうので、万が一自分が必要となった時に、自分に一番適合する自分の臍帯血が使えない可能性が高い、ということです。

益城さんが手がけたのは、もう一方の「プライベート保管」。誕生時に得られる臍帯血を将来、赤ちゃんが何らかの病気になった時に使うための保険として、家族の費用負担によって冷凍保存するというものです。現在、海外で進められている自分の臍帯血による脳性麻痺の治療が実用化されたあかつきには、非常に重要になってきますが、現時点では使い道がないというのが実情なのです。

Some rights reserved by Parker Michael Knight

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幹細胞保管の先進国である韓国では、電子機器で知られるサムスンが仕掛けていることもあって、かなり認知度が高いのですが、日本国内ではほとんど行われていません。現在、国内では3社ほど事業化していますが、いずれも認知度の低さから赤字と言われ、一昨年には1件倒産してしまったそうです。

このように臍帯血保管には多くの困難が立ちはだかるものの、社会的な意義はかなり大きそうです。これを手がける益城さんはどのようにして臍帯血に出会い、活動をスタートさせたのでしょうか。


脳性麻痺の子供と家族の苦労を目の当たりにして

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益城賢太郎さん

知人の子供が脳性麻痺だったことが大きな要因でした。非常に大変な思いをしているのを見てきたのです。そんなある時、NewsWeek で大きく臍帯血による脳性麻痺の治療可能性について特集されているのを見つけたんです。

そこで臍帯血は脳性麻痺を治す1筋の光明であることと、保管を含めた活用方法などは国内では全く認知されていない事を知りました。それがおよそ4年前で、在籍していたMBAスクールを卒業する頃でした。私はもともと製薬会社に10年ほど勤めていたのですが、少し思う所がありまして、いったん第三者的な視点で医療に向き合いたいと考えていたのです。

特に脳性麻痺は1,000人あたり2〜4人とかなり発症率が高いにも関わらず、決め手となる治療法がありません。こうして一念発起した益城さんは2年ほど働きながら、仲間や大学の研究室とともにリサーチを続け、満を持してFamily Cell Bankを設立します。

ですが現状を変えるには大きな壁が立ちはだかっていました。前述のとおり、臍帯血をプライベート保管しても現状では医療エビデンスに基づいた明確な使い道はありません。将来のための保険として保管するというイメージが強いため、日本の産婦人科を含む臨床医師達に受け入れてもらいにくいのです。

そのため産科医が積極的に臍帯血保管を勧めることがありませんし、保管したとしても臍帯血による治療に協力する医師もかなり少なそうなのが現状。韓国やアジア諸国では行政の主導による積極的な推進活動が、臍帯血など幹細胞の高い保管率に繋がっているようですが、日本の場合、プライベート保管に関して行政の支援がほとんど見こめないのです。

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もっと臍帯血について知ってもらうために

活動を通じて徐々に明らかになってきた厳しい現実。でもこのまま臍帯血の保管率が低いままでいいわけではありません。

アメリカでは臍帯血を使った脳性麻痺治療の臨床試験が進められ、来年には試験段階を終える予定です。ここで良い結果が得られれば各国に広がることが予想されますが、その時に肝心の臍帯血が国内にないのでは、せっかくの成果を役立てることができません。臍帯血は出生時にしか採取できないため、一般的な薬剤の様に実用化されてすぐに量産するわけにはいかないのです。

もっと臍帯血について知ってもらう必要がある

そう判断した益城さんは新たな活動を開始しました。
それが臍帯血の啓発活動を中心とした「NPO法人ステムポータル」の設立です。

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二本柱での推進活動を開始!

ステムポータルの活動は二本柱です。一つは大学病院の医師と共に臍帯血の医療応用のために必要な臨床研究・試験を推進する活動。そしてもう一つはイベントなどを通じた一般市民への啓発です。臍帯血の臨床研究のスピードを海外並みに早めることを主眼に活動をおこないます。エビデンスさえ出来れば日本の臨床の医師も治療に協力してくれる状況を作り出せるからです。

一般市民への啓蒙については、「NPO法人ファザーリング・ジャパン」の安藤哲也氏や同じく「NPO法人tadaima!」の三木智有さんなどを招いて「出産・こそだて準備祭」を行いました。このようなイベントを継続的に実施して、妊産婦さん達に幹細胞保管について知ってもらいたいですね。

4月1日に西国分寺で行われた「出産・こそだて準備祭」は、地元のFM局などに取り上げられたこともあって大盛況のうちに終了。次の回も6月3日に入間市で開催されることになりました。

こうした啓発活動を通して、特に脳性麻痺の治療に臍帯血保管を役立てていきたいと、益城さんは熱い口調で語ります。

脳性麻痺治療の希望の光として

白血病治療においてはすでに幹細胞治療が実用化されています。脊椎損傷などの場合はリハビリによってある程度回復を図ることもできます。またI型糖尿病の治療についても研究が進められていますが、こちらもインシュリンなど臍帯血以外の治療法がないわけではありません。ですが脳性麻痺に関してだけは、そういったものがないのです。

すると興味深いことに、患者会がなかなか発達しなくなります。糖尿病など、投薬によって症状の改善が見込める病気については、製薬メーカーなどの援助によって患者会が盛んなのですが、脳性麻痺の場合は治療法がないため、そういった互助的な集まりが育たないのです。

また、脳性麻痺のお子さんをもつご両親は、ケアに追われてどうしても働く機会を失ってしまいがちです。その為に収入が絶たれ、生活が苦しくなるという負のスパイラルに入り込んでしまうこともままあります。先は長いですが、臍帯血による治療が国内に浸透することで、患者さん達だけでなくその家族も含めた支援をできればと考えています。

人柄の良さそうな中にも、うちに秘めた熱い思いを感じさせる益城さん。活動を通じて知り合った脳性麻痺の患者さんなどに「がんばって下さい」と応援されると、かなり励みになるのだそう。益城さんの存在は臍帯血治療に希望をつなぐ多くの患者さん達の光なのではないでしょうか?

このインタビューをお読みになった医療関係者で臍帯血治療に興味を持たれた方がいらしたら、ぜひ「Family Cell Bank株式会社」にご連絡を!

公式サイトをチェック!