「自分の仕事って誰かの役に立ってるのかな?」
「これからも今の仕事を続けるべき?」
毎日の時間の大部分を占める自分の仕事。
ふとこんな疑問を感じたことはありませんか?
やりがい、自分のスキル、会社の将来性、お金の問題…ひとことに仕事といっても考えるべきことがたくさんあります。転職したり、起業したり、実際に行動に移すのはなかなか難しいものですが、自分の思い描くような働き方ができれば、日々の暮らしが充実するのは間違いありません。
今回ご紹介するのは、そんな自分らしい働き方をしたい人のためのビジネススクールを展開する「アースカラー」です。日本に根付いてきた地域循環型の暮らしをヒントに、”これからの働き方”を提案しています。
“アースカラー”とは?
社名にもなっている”アースカラー”とは、仕事時の服装からその名が付いた”ホワイトカラー”や”ブルーカラー”に対し、21世紀に求められる持続可能な生き方・働き方の提案の意味を込めています。一言で言えば「地球との共生を志す職業人」であり、【要件1】自然環境との共生志向/【要件2】自己(自己のルーツ)との共生志向/【要件3】他者(共同体)との共生志向を満たす人材を“アースカラー”と定義しています。
誰もが感じている山積みになった今の社会問題に目を向け、これからの働き方を考えるプログラムを提供することで、ポジティブな働き方のシフトを支援することを目的としている会社が「アースカラー」なのです。では、具体的にどんな事業を展開しているのでしょうか?
「アースカラー」の事業
まずは、先日イケダハヤトさんが紹介してくれた「アースカラービジネススクール」。こちらでは、現在の大量生産・大量消費を前提としたビジネスではなく、自分たちだけの利益を追求しない“共生のビジネス”について学ぶことができます。価値観を共有した参加者同士がつながり、新しいビジネスが生まれることもあるのだとか。
一般的なビジネススクールと違い、入会金などは不要。また、事前に数回分の受講チケットを購入する形が基本となっていますが、お試しで一度参加してみたいという方向けには、気軽に講義を受けられる「ギフトエコノミーチケット」が用意されています。それは受講後に支払い金額を自分で決めることができる仕組みで、0円でも、1万円でも、自分が感じた価値の分だけの金額を支払えばOKなのです。
また、塩見直紀氏が提唱する半農半X(はんのうはんえっくす:自分や家族が食べる分の食料は小さな自給農でまかない、残りの時間は天職を生かした“X”に費やす暮らし方)というライフスタイルをベースにした「半農半X道場」では、現在のライフスタイルを見直し、将来的に「自分のやりたい仕事」と「自分の食べ物を地域でつくること」の両立を実現したい方向けに、必要な知識と体験を得るための場を提供しています。
共感の時代へ
まずは代表の高浜大介さんに、どうして「アースカラー」を始めたのかお話を伺いました。
以前、大企業の人材育成を担当していたことがあるのですが、そのときに疲弊している社員がとても多いことを実感しました。いわゆる欧米式ビジネスの価値観では、企業が大きくなればなるほど、一人ひとりの社員にとって「自分が一体なんの役に立っているのか」という大切なことが見えなくなりがちです。結果を出すために「死ぬほど頑張らないと成り立たない」という構造そのものに問題があると気付いたんです。
企業で働く社員にとっては、結果を出すことは当たり前。しかし、ひとつ目標をクリアしても次の目標がすぐに目の前にあり、終わりが見えないまま走り続けていつしか疲弊してしまう…それに対して、どんなに熱心に社員教育や心のケアをしても「応急措置にすぎない」と言います。
今、日本中がこうしたこれまでの働き方に対して閉塞感を感じているように思います。だからこそ「アースカラー」を通じて、誰もが気持ちよいと思えるようなポジティブな生き方・働き方を提案したいんです。”持続可能”って、きっとそういうことだと思うんです。
社会や人のためになっていることを実感しながら毎日を生き生きと働くこと。必ずしも簡単な事ではないかもしれませんが、そんな想像を膨らませてみると、やっぱりわくわくしてしまいます。
顔の見えるローカリゼーションへ
高浜さんは続けて、「現在の都市型ビジネスにはリスクが4つある」と言います。ひとつめが「人口増加に伴う食料・水のリスク」、2つめが「天変地異や災害がおきた場合のインフラのリスク」、3つめが「全世界的にお金のシステムが繋がった現在の状況下での金融リスク」、4つめが「化石燃料や鉱物資源の枯渇によるリスク」です。
どこに住んでいても、こうしたリスクを避けることはできませんが、食糧やエネルギーの地域内循環ができていない都市部は特に影響を受けてしまいます。そうすると取るべき道はこれまでの大量生産、大量消費のグローバリゼーションではなく、ローカリゼーションだと思うんですね。
つまり、地域で助け合える、顔の見える小さな経済圏を作るということです。グローバリゼーションを否定するのではなく、この基本があった上でその恩恵を受けるのが理想ではないかと思っています。
ドキッとするようなお話に続いて語ってくれたこれからの提案。ただ単に「昔の生活に戻ろう」という事ではなく、今の良いところも認めた上での言葉だからこそ違和感なくスッと入ってきます。
日本人特有の”共生のビジネス”という価値観
ここで話は、日本人特有の価値観に移ります。高浜さんは「万物と共生する日本古来の価値観から学ぶことが多い」と言いますが、それはなぜでしょうか?
外国にももちろん素晴らしい人材や価値観がたくさんありますが、日本がまったく新しいこれからのビジネスを担える理由が2つあります。
ひとつめは、もともと農村の共同体で暮らしてきた国であること。お互いを支えあうという価値観が根底にあるので、顔の見える小さな経済圏を成り立たせやすいと思うんです。
ふたつめは、歴史的に見て戦後の経済成長、バブルとその崩壊、心の問題など、ここ100年の浮き沈みを体験したさまざまな世代が同じ国の中にいるということです。そんな国は今、世界を見回してみても日本だけです。
受け継がれてきた日本人特有の価値観をベースに、各世代の経験を総動員するとすごく大きな変化を生み出すことができると思うんです。
大事なのは、価値観を共有した仲間をつくること
最後に私たちが”アースカラー”として働くために、もっとも大切なことについて伺いました。
価値観を共有した仲間をつくること、ですね。死ぬほど働いていいモノやサービスを作るという美徳も確かにありますが、それが他律的なものになると歪みが生まれます。お互いの心が通じあっている関係性で育むからこそ、自律的な働き方ができるはずです。それは誰にとっても楽しい働き方になります。
いま当たり前とされている枠組みの中での働き方ではなく、「アースカラー」が提案する新しい価値観に基づいた働き方は、仲間と環境を大切にすることで“身近な人の役に立っている”という満たされた気持ちを感じやすいと言えるでしょう。
普段の仕事を少しスローダウンしたり、ちょっと立ち止まってみることで、本当に地に足の付いた生き方が実現できるのかもしれません。
さて、改めて自問自答…。
自分の仕事って誰かの役に立ってるのかな?
これからも今の仕事を続けるべき?
「株式会社アースカラー」について調べてみよう。
「アースカラービジネススクール」のgreenz.jpの記事はこちら!