米サンフランシスコでは、ヒトのウンチが、地域の社会的な問題に…。そこで、コンポストトイレを公衆トイレとして設置しようという計画が進行しています。
地元情報メディア「Bay Citizen」によると、2010年、サンフランシスコのテンダーロイン(Tenderloin)地区だけで、”ヒトの排泄物にまつわる事件”が約1万件も発生。この課題に対して、2011年秋、オークランドのデザイン事務所「Hyphae Design Laboratory」が、持ち運び可能なコンポストトイレの設置を提案しました。
2012年夏のテンダーロイン地区への設置スタートに向け、Hyphae Design Laboratoryでは、現在、試作品を開発中。紫外線で細菌を破壊する仕様などが採用されています。
この提案には、行政も前向きな姿勢。サンフランシスコ公共事業委員会(The San Francisco Public Utilities Commission)は、公共トイレへのコンポストトイレの活用について、「実行可能性が認められる」との報告書を公表しています。
コンポストトイレは、下水システムとつながっていないので、どこにでも設置できるのが利点。電力も水も必要なく、安価です。また、固形の排泄物は、適切に使えば、栄養豊富な堆肥になることから、サステナブルなトイレともいえるでしょう。
日本を含め、下水設備や電力などのインフラが当たり前のようにある国・地域では、「トイレ=水洗」という既成概念に囚われがちですが、それぞれの状況を客観的に見極め、柔軟な発想をもって、より適切な選択肢を選ぶという発想も、ときには必要かもしれませんね。
[via Inhabitat]
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