これがなんだか分かりますか?
そう、もちろん見ての通りニンジンです。ただし、いつもは切り落として捨ててしまう、「蔕(へた)」の部分だけ。さらに、よく見ると蔕(へた)から新たな命が芽吹いています。僕たちが普段食べている「実」の部分はというと、擬似的に粘土でつくらています。
この作品をつくったのは、もうグリーンズではおなじみのSmile Park。昨年の「風の可視化アート」に続き、2年連続のコンテナ出品となりました。(コンテナ出展には審査があります。)
今回用意されたのは、カブ、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジン、ゴボウ、ニンニク、ショウガなど、どれも日常的によく食べている野菜ばかり。その蔕(へた)の部分を数週間かけて育てると、こうして小さな芽が出てくるのだとか。可愛らしくもあり、力強くもあり。
作品の背景にあるメッセージを伺うと、「いつもは“食べられないから”と見過ごされてしまう蔕(へた)の部分にも、新たな命を宿すだけのパワーがあるということを気づいて欲しかった」とのこと。さらに、「蔕(へた)でさえこんなにパワーがあるのだから、普段食べている実にはもっともっと大きなパワーが内在されていることを感じ取っていただければ」と続けます。
野菜や植物が持っている再生力。頭のなかではなんとなくわかっているつもりでも、こうしてあらためて具体的なかたちとして見せつけられると説得力があります。さらに、野菜のなかにある小宇宙を感じる、そんな作品でした。
ちなみに、日本の食品廃棄物は1年間に約1,900万トンと世界でも有数の食品廃棄大国。このうち、食べられるにもかかわらず捨てられている、いわゆる「食品ロス」は約500〜900万トン含まれると推計されてるのだとか。(農水省, 2009年)もちろん、個人や家庭だけの問題ではありませんが、この作品を見ながら、少し立ち止まり食材に対する思いを巡らせてみる。そんな機会にしてみるのも良いのではないでしょうか。
11月12日(土)15:00~ Smile Parkの報告会があります!
TOKYO DESIGNERS WEEK 2011 に行こう!