新学期が始まり、子どもたちの姿が通学路に戻ってきました。一般道はもちろん、多くの子どもたちが往来する通学路では、細心の注意を払い、ゆっくりとした速度で走行することが必須。そこで、カナダでは、デジタルビルボードを使ったユニークな交通安全キャンペーンが行われました。
交通事故や水の事故など、未然に防げるケガの防止を訴える、加ブリティッシュコロンビア州のコミュニティ「The Community Against Preventable Injuries」は、交通安全に取り組む「BCAA Road Safety Foundation」らと共同で、新学期の交通安全キャンペーンを展開。2011年は、「急ぐ前に、ちょっと考えて」というメッセージとともに、通学路でスピードを出している自動車の写真をデジタルビルボードに表示し、スピードの出しすぎを警告するという、北米初の試みを実施しました。
ドライバーは誰しも、通学路でスピードを出してはいけないことを知っていますが、「急がないと、子どもに遅刻させちゃうから」とか、「今日の会議だけは遅れちゃマズいから」など、つい、スピードを出す自分を正当化してしまいがちです。しかし、例外なく、通学路でスピードを出すことは、非常に危険なこと。このビルボードでは、実際にスピードを出し過ぎている自動車を”晒す”ことで、「通学路に子どもたちがいること。ゆえに、より責任を持って運転せねばならないこと」を、多くのドライバーに意識づけしようとしています。
ちなみに、このビルボードは、スピード違反の摘発ではなく、交通安全の啓発を目的とするもので、ここに表示される自動車は、警察の監視カメラと連動しておらず、画像がデータベースに保存されることもないとか。スピードを出している自分の車がビルボードに映ったら、かなりドッキリしてしまいそうですが、ドライバーの交通安全の意識を高める、意外なアプローチかもしれませんね。
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