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暗渠から復活した清渓川からFacebookで災害対策に取り組むミシシッピ川まで。こんなに進んでる世界の「川づくり」

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高速道路を撤去し、暗渠から復活したソウル市を流れる清渓川

greenz.jpの重点テーマのひとつである「まちづくり」。今まで松戸のMAD CIty八戸うわさプロジェクトなど、様々な事例を紹介してきました。

自分の住む場所がもっと楽しくなるようにまちにコミットすることは、そこで暮らす自分自身のハッピーにもつながるはず。中でも最近気になる動きのひとつが、川をいかしたまちづくり=「川づくり」です。

「川づくり」って?

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世界で初めての「水マスタープラン」

突然のゲリラ豪雨や甚大な被害を出した台風12号などの影響もあり、最近では特に防災という切り口から「川づくり」に注目が集まっているようです。

例えば横浜市の港北エリアを流れる鶴見川では、世界で初めてとなる「水マスタープラン」という計画を立てて、そこで暮らす流域の住民はもちろん、企業や行政も一緒になって、川やまちの将来のことを考えています。

※鶴見川の取り組みについては、9月14日の日経新聞(神奈川版)、神奈川新聞、15日の読売新聞(神奈川版)に「鶴見川通信」として防災広告が掲載されています。グリーンズでは、今後の「鶴見川通信」で話題の「水マスタープラン」を取材、発信してゆきますので、神奈川県にお住まいの方はぜひチェックしてくださいね!


川があって人が育ち、人がいて川が活きる。

ちょうど9月は防災月間ですが、防災としての川、遊び場としての川、生きものとふれあうところとしての川など、川と流域に住む人とのあいだには、まだまだたくさんの関係がありそうです。

そこで今回は、greenz.jp編集部が厳選した世界の「川づくり」の事例をご紹介します。


【1】暗渠の下から川が復活!緑あふれるパブリックスペースへ(清渓川・韓国)

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ライトアップされた夜の清渓川

今や観光スポットとして定着し、市民にとっての憩いの場となった清渓川(チョンゲチョン)も、かつては生活排水が流れるドブ川だったそう。1970年代に入ると川沿いに立ち並んでいたスラムを一掃し暗渠化。その上に高架道路が完成し、水辺の景色は一旦姿を消します。

2000年代に入り、老朽化した高架道路をつくり直すか撤去するかで議論が割れることになります。そして市長選挙や署名活動などの結果、道路の撤去と同時に復元工事が行われ、緑あふれるパブリックスペースとして生まれ変わりました。

大掛かりな公共工事だったからこそ、「清渓川 視察」で検索すると、ポジティブな反応からネガティブな意見まで、さまざまな議論があることがわかります。

東京でも渋谷川や日本橋の再生という議論も聞かれますが、いずれにせよ「やろうと思えばここまでできる!」というひとつの事例として注目です。


【2】スイスではもはや常識!? “アーバン・スイミング”(アーレ川・スイス)

続いての事例はヨーロッパから!
まずは上の映像をご覧ください。

川でたくさんの人が泳いでいます。そして、、
決してゆっくりではない流れに乗って、勢いよく右から左へ次々と。。

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こちらはスイス連邦の首都ベルンを流れるアーレ川での、いつもの夏の風景。老若男女問わず、市民がどんどん川に飛び込んで流れてゆきます。中には橋の上からダイブする若者も!

今日がスイミング日和かどうか、水温を知ることができるiPhoneアプリまで登場するほど、スイスでは川は暮らしの一部になっているんですね。泳ぎに自信がない人は、ボートでも楽しめますので、ご心配なく!


【3】ニューヨーカーもビックリ!川に浮かぶプールが計画中(アメリカ・ハドソン川)


こちらの「+POOL」プロジェクトは、FamilyPlayLabというデザインチームによる、ハドソン川に浮かべて楽しむ新しいプールの提案です。ニューヨーカーだって川で遊びたいよね!という思いから始まり、開放的な空間と衛生的な水を両立させる、このデザインにたどり着きました。

greenz.jpでも以前紹介したファンドレイズサイトKickStarterでパトロンを募ったところ、目標の$25,000(約200万円)を超えて$41,647(約320万円)を集めることに成功。フィージビリティスタディを経て、今はテクニカルテストの真っ最中とのことで、完成が待ち遠しいですね。来年の夏には間に合うかな?


【4】「川をもっと利用しよう!」と訴える”スーツでカヤック”パフォーマンス(アメリカ・ロサンゼルス川)



こちらのスーツを来た男性は、うんざりするロサンゼルス市内の渋滞を横目にカヤックで郊外の町からロングビーチまで向かっています。一体なんのためにこんなことを?

実はこれ、ロサンゼルス川へのパブリックアクセス=「市民が川を有効活用する権利」を主張するパフォーマンスの一環なのです。この男性は、「LA River Expeditions」のリーダー、ジョージ・ウルフ。川の保全活動を行う団体を表彰する「River Warrior Award」の受賞者でもあります。

「川を利用することを、多くの人は躊躇している。」と指摘するジョージ。川との関わりを通じて、緊急時の人命救助を学んだり、自然環境にふれる市民が増えることで、「ロサンゼルスをもっと生き生きとしたまちにしたい」という彼の挑戦は、まだまだ始まったばかりです。

【5】Facebookを活用した「これからの災害対策」(アメリカ・ミシシッピ川)



ここ数十年で最悪の被害というミシシッピ川の洪水。広い地域で被害が広がり、今なお避難者は数千人に上っています。そこで災害支援に関わる米軍が目をつけたのがFacebookでした。

FacebookファンページFloodfight 2011では、ニューオーリンズやメンフィスなど特に被害が大きい地区の住民に協力してもらい、被害の状況や地域の課題などの情報をリアルタイムで集めています。中には写真や映像もアップされ、それらを総合的に判断して、どこから支援を提供していくのか計画を練っているのです。

こちらの記事で興味深いのは、Facebookの活用は情報共有と同時に、被害にあった方々にとって、たまった思いを「吐き出せる場」にもなっているとのこと。

日本の国土交通相も川の防災情報を積極的に発信していますが、防災におけるインターネットの可能性は、まだまだ無限にありそうですね。



ざっと世界の「川づくり」を見てきましたが、実は日本の「川づくり」も負けていません!世界初の「水マスタープラン」を策定した鶴見川をはじめ、世界に誇れる日本の事例はまだまだたくさんあります。

大事なのは、自分が暮らすまちの川とどうしたら気持ちいい関係になるかをみんなでを考えること。今度近くの川を通りがかったときに、いつもとは違う目線で眺めてみてはいかがでしょうか。