現在、世界人口の半数以上が、都市部に在住。2050年には、その割合が3分の2まで増えるとも見込まれています。ゆえに、都市では、効率性や利便性の追求だけでなく、住民がより安全で快適に生活できる空間づくりも、今後ますます大きな課題…。そこで、シンプルでユニークな解決策のひとつが、ブエノスアイレスから生まれました。
アルゼンチンのデザイン事務所「Designo Patagonia」が企画・設計したプロジェクト「Plaza Movil」は、ブエノスアイレスで、平日、車道となっている道路を、休日だけ封鎖し、憩いの場を作ろうというのがコンセプト。狭いエリアに道路や高層ビルなどがひしめきあう都市の中心で、スペースを有効活用するのが狙いです。休日は、遊具やベンチなどを備え、子どもたちが自由に遊び、人々が楽しくゆったりと過ごせる空間となり、休日が終われば、これらの設備はバンでサクっと撤収。次の休日が来ると、再び、車道が姿を変え、都会人のための憩いの空間が現れる、といった具合です。
都市部では、どうしても、人と人とのつながりが希薄になりがち。「Plaza Movil」は、“移動型公共スペース”というシンプルな仕組みで、都会で暮らす人々のコミュニティづくりを実現しようとしています。この点が高く評価され、家電メーカー「フィリップス(Koninklijke Philips Electronics N.V.)」が住みやすい都市づくりのアイデアを表彰する「Philips Livable Cities Awards」では、優秀賞に選ばれました。
日本でも、道路全体を休日だけ歩行者に開放する“歩行者天国”がありますが、「Plaza Movil」は、”ホコ天”の進化形ともいえる試み。ブエノスアイレスはもとより、世界の各都市で活用できそうなアイデアですね。
[via Springwise]