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メリーゴーランド型水汲みポンプ「PlayPumps」の気になるその後

PlayPumps: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by mediamolecule

PlayPumps: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by mediamolecule

2008年にgreenz.jpが取り上げたPlayPumpsは、メリーゴーランド型の水汲みポンプシステム。電力などを使わず、子どもたちが遊びながらグルグルまわすと水が汲み上げられるという画期的な仕組みに、発想とデザインのパワーを改めて実感した人も多いだろう。そこで、PlayPumpsのその後を追った。

南アフリカからスタートしたPlayPumpsは、その後、モザンビークやスワジランド、ウガンダなどのアフリカ諸国にも広まった。800カ所以上の学校やコミュニティに設置され、200万人の人々の貴重な「水がめ」となっている。

この取り組みは、世界からも注目されている。2000年、世界銀行(World Bank)の「Development Marketplace」を受賞し、2006年には前米大統領夫人のローラ・ブッシュ(Laura Bush)が1600万ドルを寄付。2007年と2008年の「World Water Day」では「100 Pumps in 100 Days(100日で100ポンプを!)」という募金キャンペーンも実施された。これらにより、アフリカの水資源問題を世界の人々と共有しつつ、PlayPumpsの活動資金を広く集めることができたそうだ。

活動が拡大する一方で、新たな課題も生まれている。従来の草の根活動から、大規模なキャンペーンと中心とするトップダウン型の運営に変わったことで、各コミュニティの実状に合わせたきめ細かいソリューションを提供しづらくなってきたのだ。また、PlayPumpsは一台14,000ドル(約1,267万円)と通常のポンプシステムの4倍も高価であるうえ、修理のために専門的なスキルや特殊な部品を要するというメンテナンス面での障害も……。これらの課題を解決するために、2009年10月以降、人道支援団体「Water For People」を中心に、活動の原点である「清潔な水をコミュニティに届ける」という目的に立ち戻り、運営の建て直しが行われている。

斬新な発想とデザインから生まれ、多くの人々から賛同と協力を集めて発展してきたPlaypumpsだが、いま、ひとつの曲がり角に差し掛かっている。Playpumpsの利点を活かしながら、「アフリカの慢性的な水不足の解消」という課題を解決に導くためには、どのようなことが必要だろうか。

PlayPumpsの仕組みについて調べてみよう。