4ミリほどのハエサイズのロボット、小さいからといってあなどるなかれ。自在に歩行し、互いに通信し合い、データ蓄積できるのみならず、なんと動力源は太陽光というサステナブル系ロボットなのだ。
このソーラー型マイクロロボットは、スウェーデン・スペイン・ドイツ・イタリア・スイスの研究チームが昆虫の習性からヒントを得て開発したものだ。サーキットボードでデータ集積を行い、4本足のうちの3本で歩行する。残りの1本の足はタッチセンサーとなっており、外界からの刺激を感知する仕組みだ。また、通信機能が搭載され、このロボットを複数台組み合わせることで、互いに通信させ、より複雑な動作をさせることができる。さらに特徴的な点は、上部に備え付けられたソーラーパネルにより3.7Vの電力をまかなえる”エネルギー自立型”ロボットであること。また、従来のロボットのほとんどはハードウェアを基調としたものだったが、このロボットはソフトウェアに依存する設計になっているため柔軟なプログラミングが可能で、ロボットは刺激を受け取るとプログラムされたとおりに反応する。この仕組みにより、精密機器の生産活動やセキュリティ監視・先端医療など、幅広い分野へ応用できるそうだ。
※この動画は開発初期段階のプロト版を紹介したもの。ご参考までどうぞ。
風力で動くロボット「Strandbeest」、海の水質パトロールをする魚型ロボット、鳥取県の天ぷら油回収ロボ「ゆかいくん」など様々な形態のロボットが開発されているが、このソーラー型マイクロロボットは、ビルや家屋のセキュリティ監視、油漏れ・ガス漏れ・放射能漏れなどの感知、人間の手には届かない小さなスペースでの細かい作業など、多分野での活用が期待されている。この研究チームの当面の課題はこのロボットを量産できるようにすることだそうで、さらなる改良・開発に取り組む見込みだ。近い将来このロボットは私たちの実生活にどのように取り入れられるのだろう?これからもソーラー型マイクロロボットの動向をウォッチしていこう。
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